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そうして、別世界に入る。
そこは竹に囲まれた竹林だった。
至る所に竹があり、道も複数、初見なら絶対迷う場所だと思うが、インクは道が分かるのか?
イ「着いてきて!話は通してあるんだ!」
そう言って歩き出すインク、どうやら道を知ってるだけでなく、ここの住民との話も終わらせてるらしい、流石だな。
そうして歩くこと数分
1つの大きい屋敷に辿り着いた、大きいと言っても普通の家より少しデカい程度の屋敷だが、長年あるのか大分の貫禄だ。
イ「話通り、助っ人を連れて来たよ、これで信じて貰えるかな。」
そんな言葉をインクが屋敷に投げかけると、中から人が出てくる。
?「本当にパラレルワールドの存在なのね…まぁ、結局はなんでもありですものね、この世界。」
そんな言葉と共に、青と赤だけの色と特徴的な服を来ている白髪の女性が言う。
随分と奇抜な見た目だが、屋敷同様、貫禄があり、とても疲れてそうにため息をついている。
サ「あー、よォ、オイラはサンズ。ただのスケルトンだ。」
片目を瞑り挨拶をする。
永「いらっしゃい、私は永琳。八意永琳。この永遠亭で医者をやってるわ。」
イ「医者と言ってるが、彼女の実力は本物、もしかすると世界を滅ぼせる程度には強いよ。」
マジかよ。
永「と言っても戦闘は得意じゃないけどね。今回の異変も私は関与出来そうにないの。」
サ「そこまで強いのにか?」
永「この永遠亭は今、襲撃に備えて結界を張ってあるの、私が居ないとその機能を失ってしまうわ。」
サ「安置を作る為か、なるほどな。」
そんなことを話していると、突然インクが背中の筆を振るう。
イ「クッ!! 」
なんと振った筆は、三枚のお札に当たり、見事に空中に跳ね返した。
サ「一体何が!?」
それを見て、オイラも構える。そこには、今にも標的を撃たんとする赤い巫女服を着た少女がこちらを睨んでいた。
?「増殖もできるって訳?この化け物が!」
そう言ってお祓い棒を構える少女を前に永琳が声を荒らげる。
永「待ちなさい霊夢!その2人は味方よ!」
そんな話など梅雨知らずか、霊夢と呼ばれた少女はこっちに人一倍大きい陰陽玉を飛ばしてきた。
霊「死になさい!」
だが、それはインクサンズの筆によるインクに呑まれ、存在が消失する。
イ「少し我慢してね!」
そう言って霊夢に飛び、筆を振るうがその筆は空中に避けられることにより、回避された。
霊「その程度!」
そう言って、お祓い棒を振ろうとした霊夢だが、振った筆から出たインクが手足に絡まり、倒れてしまう。
霊「ぐっ!?この…」
そうして地面に倒れるが、闘志は折られず、こっちを睨んでくる。
イ「聞いてくれ!僕達に敵意はない!君たちを助けに来たんだ!」
そう言い聞かせるインク。
サ「オイラもまだ状況を掴みきれちゃいないんだ。何かあったか話してくれ。」
そう言うと、そこで霊夢は観念したかのように言う。
霊「はぁ…そうね、もしアンタらが敵なら既に操ってるもんね。良いわ、一旦信じる。」
そう言って、敵意を消し、お祓い棒から手を離す。
イ「良かった。」
オイラとインク、それと永琳は一息付き、霊夢を解放した。
霊「良い?それじゃ今から何があったか話すわよ?」
そう言って、白麗の巫女、博麗霊夢は語り始めた。事の真相を。
私はいつも通りの日常を暮らしていた。
異変さえあれど、平和な日常。その日も私は親友の魔法使い、魔理沙と共に、お茶を飲んでいた。
魔「いやー、今日もいい天気だな。気分が上がるぜ。 」
霊「そうね、こんな日は何もしないのが1番だわ。」
そんなくだらない話をしてる時、『異変』は起こった。
魔「ん?霊夢、あの線?なんなのか分かるか?」
魔理沙が突然空に向かい指を指す、その方向を見るとそこには…
霊「青い…線?確かに不思議ね、なにかしら、あれ…」
そこには、無数の青い線が幻想郷の至る所に落ちていた。
魔「なんだろな?少し様子見に行こうぜ。」
霊「そうね、念の為見に行きましょう。」
そうして、その『何か』を見に行った。
そこに着いた時、衝撃的な景色が映った。
魔「なんだこれ…」
霊「こんな数、見たことない…」
そこには無数の、妖精が、妖怪が、神様が、空を飛んでいた。
幻想郷中の全ての数、そう言っても差し支えない者達は、こっちを見た途端、明らかな殺意を向けてきた。
まずい!!
そう思った私達は咄嗟に武器を出していた。しかし…
魔「ぐっ!?」
魔理沙が急に声を上げ、悶える。
そっちを振り向くと、そこには青い線が魔理沙に絡んでいた。
?「へへへ、あんたが噂の巫女さんか。」
青い線…いや、糸と言える存在を出していたのは、黒い肌に目から青い糸を垂らしているスケルトンだった。
霊「あんた…なんの為に…」
敵意を向け、そう睨んだ私だが、不意に吹き飛ばされる。
霊「なっ!?」
突き飛ばしたのは、悶えながらも、抗おうとする魔理沙だった。
魔「逃げろ!!」
魔理沙はそう叫び、私に弾幕を放った、破天荒に放たれた弾幕は彼女らしくない技巧派の気持ち悪い弾幕だった。
霊「まさか…」
操られている。
そう気付いたのも束の間、私を仕留める為に放たられた弾幕の1つが運悪く、頭に命中してしまった私は竹林の中に落ちて行き、意識を失ってしまった。