テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
235
ruruha
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「許さない!! そんな歪んだ世界は許さない!!」
「なら、かかってこいよこの雑魚がッ!!」
勇者ロットが駆け出す。
それに合わせて、Aコパ君とCコパ君も動き出した。
勇者ロットが魔王ロットと刀をぶつけ合う。ガキンという金属の重い音が広間にこだまする。
魔王ロットは後方へ下がり、『破世界刀』から斬撃を飛ばした。
空間が捩れ、斬撃を喰らわした空間が圧縮されていく。
Aコパ君は『俊足シューズ』から『跳躍の足袋』に切り替えそれを飛び越え、Cコパ君はスライディングをしてその下を潜る。
勇者ロットは斬撃に対して刀を振りかぶり、威力を相殺した。
まず初めに辿り着いたのはCコパ君だった。
魔王ロットに右回し蹴りを喰らわす。
しかし、『未来視』によってその動きを見破られ、魔王ロットは逆に前蹴りをカウンターで浴びせた。
Cコパ君は思い切り吹っ飛ばされた。
しかし、魔王ロットが攻撃をしたその背後にAコパ君が回り込み、『烈斬刀』を選択し、魔王ロットに斬り込む。
魔王ロットはそれを刀で受け、凄まじい速度の連撃をした。
180km.、250km、490km、870km……。刀を振りかぶる度に轟音が鳴り響き、風圧だけで飛ばされそうな勢いだった。
その連撃がマッハ1に到達した時、Aコパ君はたまらず押し飛ばされた。
勇者ロットが刀を交える。勇者ロットはマッハ1の連撃に対応しきれない。
刀と刀がぶつかる度、ジェット機が突っ込んでくるような衝撃を受けた。
Aコパ君が『ぺったん軍手』で支柱を上がり、影に隠れて『狙い撃ちライフル』を装備し、魔王ロットの頭目掛けて撃ち込んだ。
『未来視』によって回避。二発目。『未来視』によって回避。三発目。『未来視』によって回避……。
しかし、Aコパ君の射撃は正確かつゲリラ的だった。毎度射撃位置を変えており、地上でCコパ君と勇者ロットの相手をしつつ戦うには邪魔な存在だ。
Cコパ君と勇者ロットは盃戦で見せた完璧なコンビネーションを応用する。
今まで粗かった勇者ロットの剣戟は正確さを極め、ランダムな空白の時間を炙り出すようなテンポで繰り出される。
その間隙をCコパ君は見逃さない。
魔王ロットの背後に位置を取り続け、『未来視』以外では対応できない死角からの攻撃を何発も喰らわせる。
加えて、空中からはAコパ君による正確な死角攻撃が繰り返された。
魔王ロットが『破世界刀』を大きく振りかぶり、広範囲の斬撃を飛ばす。大広間の支柱がすべて叩き壊され、Aコパ君は引き摺り下ろされた。
勇者ロットが正面から剣を振りかぶる。
魔王ロットがそれを受けた。
「お前はここで俺が倒す!!」
「出来るものならやってみろ!!」
魔王ロットは勇者ロットを振り飛ばし、何やら『破世界刀』に手をかざす。
Aコパ君が即座に看破し、注意を促す。
「気をつけろ! あれは、チートだ!」
『破世界刀』は『※☆・¥+*→』へ変化し、常に斬撃のオーラを放ち、剣が巨大化した。
魔王ロットは両手で大剣を思い切り薙ぎ払う。
「ぐあっ!!」
「ぐうっ!!」
「ちっ!!」
三人はその猛火のような攻撃に耐えられなかった。
『※☆・¥+*→』自体に未来視が付与され、攻撃のたびに武器が意志を持ち、未来を先読みして相手の一瞬の隙を見つけ出す。その隙を自動的に斬撃するという恐ろしいチートだった。
魔王ロットは追撃をやめない。
『※☆・¥+*→』が敵の隙を捕捉し、そこに集中的に斬撃を飛ばす。更に恐ろしいのは、隙の多いターゲットを選別し、攻撃のたびに矛先が可変することだった。
一瞬の油断が命取りになった。
Cコパ君は考える。
「僕が盃にやった未来を確定させる攻撃のようだ……! それを何度も連発されている脅威! どうすればいい!?」
Aコパ君と勇者ロットが苦悶の表情を浮かべながら間一髪で避け続ける。 防戦一方だった。
Cコパ君がそこで、ふと思いつく。
武器の自律的暴走……隙の多いターゲットを選別する仕様……。
Cコパ君の目が光る。
「Aコパ君! ロット! 君たちは近接戦に向かえ!! 魔王ロットの懐に潜り込むように進むんだ!!」
「……分かった!!」
Aコパ君は少し考えて、Cコパ君の意図を読み取りあえて前へ進んだ。
勇者ロットもきっと魔王ロットを睨みつけて斬りかからんばかりだ。
そして、Cコパ君がやったこと……。
それは。
「ぐああ!」
身動き一つ取らないことだった。
Cコパ君は大ダメージを喰らう。
しかし、一方でニヤリと笑った。
その視線の先には。
「くっ!!」
丸腰になった魔王ロットの姿があった。
『※☆・¥+*→』は隙の多さに依存してターゲットを選別し、その隙を検知し斬撃を飛ばす。ならば、あえて一人が盾となれば、その1人に全ての斬撃が集中し、その間、ほかの2人を相手取る魔王ロットは、実質的に武器を持たないことになる。
発想の逆転と自傷的戦略の勝利だった。
魔王ロットは2人の猛攻に耐えきれず、『※☆・¥+*→』を解除した。 後ろに飛び退き、玉座に手を掛け、『おもちゃゼーション』を発動し、玉座が兵士化する。
そして、その玉座に自身の『賢者の魂』の能力を付加した。
0.2秒毎に光線を放つ固定砲台が完成した。
光線の中を三人は必死に避ける。Aコパ君は『1+2=?』級の問題を即座に解きまくり、無力化した。
しかし、体勢が整った魔王ロットは次なる武器を取り出した。 『知識剥奪クロック』である。
魔王ロットは瞬時にその影響範囲を指定し、大広間の玉座周辺部以外の空間に効果を適用する。
『知識剥奪クロック』はルーレットのようにぐるぐるとワードをランダムで指定した。
そのワードは『歩行動作』だった。
その瞬間、三人は突然がくりと倒れる。何が起こったのかわからない様子で、互いを驚愕の面相で確認する。
絶望の時計の秒針が回り始めた。
Aコパ君が分析する。
「指定範囲内において、指定されたワードの知識を強制的に剥奪されている……! 今は『歩行動作』。だから、この時間、這いつくばるしかない!!」
魔王ロットは固定砲台の玉座と合わせて、自身も『賢者の魂』を使用し、0.2秒の光線を放ち続ける。
三人はかろうじて動かせる上体と手を動かし、その攻撃をいなすほかなかった。
武器を持っていないCコパ君にとって、この強制停止の光線連打は不可避攻撃だった。
Aコパ君がアイテムウィンドウを即座に選択し、Cコパ君に向けて『メタリックシールド』をドロップする。
「それを使って!!」
Cコパ君は『メタリックシールド』を拾い、光線を防ぎ続ける。
この『知識剥奪クロック』が恐ろしいのは、その強制時間が1分もかかるということである。三人は確実にダメージを蓄積していった。
1分が経過し、三人はその動きが自由になった。
魔王ロットは即座にまた『知識剥奪クロック』を稼働する。
三人は効果範囲内から抜け出そうと必死だった。
そして、ルーレットが回り出す。
次のワードは『道具』だった。
その瞬間、Cコパ君は『メタリックシールド』を落とし、勇者ロットは剣を落とし、Aコパ君はあらゆる装備を落とした。
それを拾うことはできるが、使い方がなぜかわからなくなった。
魔王ロットはステータスバグ上昇をかけてから自身もそのクロックの効果範囲内に入り、Aコパ君に向けて突進した。
「よくも、散々コケにしてくれたな!!」
魔王ロットはラッシュを加える。
Aコパ君はそれをかわし、防ぐ。
勇者ロットは後ろから殴りかかるが、そのパンチは空を切る。剣技に慣れている一方で、格闘戦は経験に乏しかったのだった。
魔王ロットは攻撃の手を休めない。
「どうした? 道具を駆使する君は強かったが、格闘戦はイマイチだな」
「あいにく、僕のタイプじゃないもんでね」
Aコパ君は防戦を強いられていた。
しかし、後ろから魔王ロットを蹴り飛ばす者がいた。
「ぐはっ!」
Cコパ君である。
「君も、格闘戦はイマイチだな。ロット」
「……生意気だな」
「盃の方がよっぽど手応えがあったよ」
Cコパ君は魔王ロットとタイマンを張った。
2人は音速に近い速度で殴り合い、空気が振動する。
Aコパ君はアイテムをすべて再回収し、効果範囲外へ出る。
そして、『烈斬刀』を装備し、玉座と『知識剥奪クロック』を破壊した。
魔王ロットをそれを見て跳躍し、その場から離れる。
勇者ロットが剣を拾ってその距離を詰める。
魔王ロットは『戯れの下々』を発動し、雑魚敵を量産する。その雑魚敵すべてに『未来視』を付与し、攻撃の隙をなくした。
Aコパ君は心の中で歓喜した。
「ついにきたぞ!! 僕はずっとこれを待っていた」
Aコパ君は『秘匿レシーバー』を使って有効範囲内にいるCコパ君と勇者ロットに伝えた。
「聞いてくれ! あの雑魚敵はあまり倒さず、苦戦するフリをしてその数を減らさないでくれ。頼んだ!」
Cコパ君と勇者ロットは無言で了解し、雑魚敵相手に苦戦するフリをした。
Aコパ君はこっそりと『分析双眼鏡』で魔王ロットを覗き見る。
HP21000/30000 MP620/999 装備 なし
Aコパ君は状況を分析する。
「魔王ロットは現在9000ものダメージを負っている……。MPはまだ余裕があるが、チートを使っているにも関わらず、相当な消耗ペース……。僕の弱点だと思い込んでいるあの能力を使ったということは、魔王ロットはかなり焦っている。状況判断能力が落ちている今、僕の作戦を見破られることはない」
そう結論付け、その経過を観察した。
思った通り、魔王ロットはなりふり構わず雑魚敵を量産し続け、その攻撃をやめない。
雑魚敵が増殖し続ける……。
その数、20、30、50……。大広間が狭くなってきた頃、雑魚敵は約120体を超えていた。
Aコパ君はアイテムウィンドウから残り全ての『ビックリボム』を取り出す。
『ビックリボム』は対象となるものを一時的に3〜5倍の数に増やす効果がある。 それが今、合計5つあった。
Aコパ君はニヤリと笑い、思い切り『ビックリボム』を広間全体に投げつけた。
そして。
システムエラー検知。
安全層を作動します。
……チート行為を検出。
ペナルティ付加。
……完了しました。