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明花永(あかな)
12
#普通
野々さくら
202
ドラゴン店長
30
昼休みが終わりに近づいた頃。
校舎の階段踊り場で、さくらは待ちきれない様子で辺りを見回し、茜を探していた。
「さくら! さくら!」
茜が小走りで呼びかけると、花牟礼さくらが笑顔で手を振る。
「お! 茜!どうだった?どうだった?」
さくらは興味津々に身を乗り出す。
茜は吹き出しそうになるのを堪えながら答えた。
「お祓いとか盛り塩とか、それっぽい事言ってた」
その瞬間、さくらは腹を抱えて笑い出した。
「きゃはは、ウケる〜♬バカだね、信愛も」
茜もつられて笑う。
「きゃはは!ほんとそれ!
ただのフリー素材なのにね」
そう、茜が信愛に見せた家族写真は、茜が『家族写真 フリー素材』と検索してヒットした画像だったのだ。
「やっぱ嘘だったか!てか
フリー素材に盛り塩とかバカ過ぎる」
さくらは満足そうに頷き、茜はニヤリと口角を上げる。
「こりゃ作戦も成功しそうだよね」
二人は顔を見合わせ、不敵な笑みを浮かべた。
◇ ◇ ◇
それから時間は過ぎ、その日の放課後。
帰り支度をしていた信愛の席へ、茜とさくらが並んで歩いてくる。
「信愛、ちょっといい?」
信愛はバッグを肩に掛けながら顔を上げた。
「ん?なに?」
「今日ってこの後予定あったりする?」
「この後? いや、特に無いけど」
それを聞いたさくらは、待ってましたと言わんばかりに話し始める。
「実はさ、これからね?茜と一緒に
心霊スポットに行こうって話してたんだ」
「心霊スポット?」
「狗頸神社近くの空き家」
「狗頸神社?」
信愛は首を傾げる。
(その辺に心霊スポットなんてあったかな?)
すると、さくらがぐっと身を乗り出した。
「でさ?でさ?信愛って霊感あるんでしょ?」
「ま、まぁ・・・」
茜がすかさず言葉を重ねる。
「だったらさ、信愛も一緒に行こうよ!」
「え? 一緒に?」
「ね?ね?行こうよ!絶対楽しいから!」
信愛は困ったように苦笑した。
「いや、そんな場所にお遊び半分で
行かない方が良いよ?」
「えー!? いいじゃん!」
さくらは口ではそう言いながらも、心の中では別のことを考えていた。
(乗ってこいよ)
茜も笑顔を浮かべたまま、心では裏腹な言葉を呟く。
(お前が来なきゃ意味ないんだってば!)
二人の視線が真っ直ぐ信愛へ向けられる。
その妙な熱意を感じ取った信愛は、小さくため息をついた。
「まぁ、ちょっとなら付き合ってもいいよ」
その一言で、二人の表情が一気に明るくなる。
「よし! 来た!」
「さっすが信愛!」
「でも本当にちょっと──」
最後まで言い切る前に、さくらが勢いよく遮った。
「さ!さ!そうと決まれば善は急げだよ!」
「暗くなる前に行こ?」
そう言うや否や、二人は信愛の両手を掴み、半ば強引に教室の外へ引っ張り始めた。
「ちょっと! 二人とも!」
「早く行こうってば!」
「わかったから!」
信愛は抵抗するのを諦め、小さく息を吐く。
(はぁ〜・・・
二人とも、多分霊感の話なんて
信じてないんだろうな・・・
まぁ、少しだけなら問題ないか・・・)
そう自分に言い聞かせながら、信愛は茜とさくらに引かれるまま、教室を後にした。
コメント
1件
あー、これ面白い展開ですね!茜とさくらの「偽心霊スポット作戦」、バレる気配がなくて逆にドキドキする…。フリー素材の家族写真で盛り塩とか、バカバカしくて思わず笑っちゃいましたw でも信愛、本当は霊感あるのに優しく付き合ってあげてる感じが、なんか切ないというか…。二人の策略が成功するのか、それとも信愛の本当の霊感が炸裂するのか、続きがすごく気になります!×××さんのこの軽妙な会話のやりとり、好きです🌙