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#現代ファンタジー
江藤ルミエール
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wadaken1
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成瀬りん
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いや…第34話、読了したよ。総司さんが八岐大蛇だった衝撃、蓮への憎しみの理由が「聖に選ばれたから」ってのが重すぎる。幼い頃から抱えてた嫉妬が、ここまでの悲劇を生むんだな…。蓮の左眼を奪うシーン、本当に胸が痛かった。でも隼人が覚醒して乱入してきたのは熱い!ぬらりひょんの助っ人も心強い。八岐大蛇が「最高の舞台で迎える」って捨て台詞残して消えたのが、次回への不安と期待を煽るよ…。百はなさん、今回も感情揺さぶる展開ありがとう。蓮の心のケアが心配だわ。
御子柴聖 十七歳
目の前に起きている光景は本当に現実なのかどうか、分からなくなってしまっている。
現れたのは八岐大蛇の筈なのに、あたしと蓮の前にいるのは間違いなく総司さんで、総司さんが八岐大蛇だったって事なの?
頭が回らない、何んがどうなっているのか分からない。
「兄貴がどうして、ここに居るんだよ!?」
「頭が悪いのかな?状況とこの体を見たら分かるだろう?」
「ちゃんと説明してくれ!!!僕達の事を十年間、騙してきたって事なのか」
「あははは!!!騙してきたって、女の子みたいな言い方をするんだな?黙れる方が悪いだろ?」
あたし達が知ってる総司さんの話し方が違う…。
だけど、目の前に居るのは総司さんで、甘い香りを漂わせていて…。
壱級の妖怪の匂いと体に彫られた蛇の入れ墨は、八岐大蛇のもので間違いない。
「兄貴が封印を解いたって事なのかっ…、御子柴家に侵入してさっ。お嬢の右脚を奪ったのも、呪いを掛けたのも兄貴だったのか!!!」
蓮の表情が怒りに満ちて行き、感情の籠った言葉を聞いても、総司さんには何も響いていないのが分かる。
「ハハハ!!此奴は俺の器になったのだ。俺の封印を解く条件でな?」
「八岐大蛇の封印を解く条件って何?」
口調が変わった総司さんに尋ねると、あたしの顔を愛おしそうに見つめながら答えた。
「本当は、俺が聖様に支えると思っていたよ。それなのに、父さんは蓮を聖様の下僕に任命した。お前なんかに、聖様の側に居る権利を奪われたんだよ。俺はずっと聖様に恋をしていた。初めて、御子柴家で幼い君を見てから。あぁ…、この人に支える事が俺の喜びだと。なのに…、親父は蓮を指名した!!!」
八岐大蛇の人格と総司さんの人格が、感情が変化する度に変わっている事に気付き、蓮に対しての怒りを出しているのは総司さんの人格だ。
あたしは幼少期に総司さんに会った事なんてない、任務帰りの時に見られていたのか。
「お嬢と会った事が?けど、お嬢は本家とは隔離されていた。任務で外に出ている時にしか、お嬢の事を見る機会はない筈だ」
「たまたま、偶然に本家でね?親父の付き添いで、御子柴家の本家に訪れた時に見かけたのさ。お前だって、聖様の事を見て心を奪われたんだろう?」
「兄貴、本当にどうしちゃったんだよっ」
「俺は親父を、この世界を憎んだよ。どうして、俺ではなく一族は蓮を推していたのか。どうして、俺を聖様に支える事さえ許してくれないのかと。長男である俺よりも、次男のお前が選ばれるのはおかしいだろ」
総司さんの言葉から、蓮に対する憎しみの感情が伝わってきて胸が苦しい。
二人が揉めているのは、あたしが原因で…。
どうして、こうなっちゃんだろう。
「だから、俺は八岐大蛇の封印を解くと決めた。自分の命と引き換えに、聖様を俺のモノにする為」
「「なっ!?」」
総司さん口から出た言葉を聞いて、あたしと蓮の声が重なる。
命と引き換えにしてまでも、総司さんはあたしの事をモノしたかったって…。
それだけが理由で八岐大蛇の封印は解かれ、お婆様もお父さんも御子柴家の人間は殺され、右脚を食われたって事なの?
今まであたしに優しくしてくれたのは?
あたしの為に義足をつくってくれたのは?
総司さんは何がしたくて、何を考えて、あたし達に接してきたのか分からない。
聞きたくなかった、こんな事聞きたくなかった。
「じゃ、じゃあ、兄貴の体を今は八岐大蛇が乗っ取ってるって事?」
蓮は顔を真っ青にしながら総司さんに尋ねたると、総司さんは心臓部分に触れながら答える。
「古い書物を読み漁って、特級妖怪の封印を解くを見つけたよ。どうやら、壱級妖怪の封印を解くには、人間一人の命が必要らしいんだ。意外と簡単で驚いたよ、普通は何か道具が要ると思わないか?」
「正気で言ってるのか?兄貴。呪いを解く対価が、自分の命なんだぞ。普通は躊躇するものだろ?」
「何を迷う必要があるんだよ、簡単な事じゃないか。聖様に呪いを掛けれるなら、喜んで命を差し出せたよ。現に、聖様は呪いに掛かっていて、俺と運命共同体になっただろ!!!!」
「兄貴は本当に死んだって事?そんな事の為に、兄貴は…」
総司さんの口から語られた真実を聞いた蓮は、どんどん表情から血の気は引いて行き体がふらつく。
「全てはお前の為だよ、桜。この男は二人を引き裂こうとしていた。なんせ、俺が百年前の話をしたからな」
そう言って、八岐大蛇の人格になった総司さんがあたしの頬に触れようとした瞬間、鴉の黒い羽根が視界の中に入って来た。
パシッ!!!
鴉の羽が総司さんの手を弾き、鴉天狗が自分の羽を飛ばしあたしの前に立ったって、総司さんの事を睨みつける。
百年前って、御子柴家の初代党首が八岐大蛇の事を封じと言われている歳だったよね?
「桜に気安く触れるな、八岐大蛇。あの時に分かった筈だ、お前のモノにはならないんだよ。それは、百年前からそうだったろ?」
「お前はいつも俺の邪魔をする、鴉如きが。お前等が俺の桜をたぶらかしたんだろ、紫乃と一緒になって!!!」
「桜はお前じゃなく、紫乃と一緒に死ぬ事を選んだんだ。お前が呪いなんか掛けなければ、桜は死んでいなかった!!!」
八岐大蛇と鴉天狗の二人が言い合いを始めていると、蓮は静かに刀を抜いて総司さんの首元に刃を向けた。
カチャッ。
冷たい刃に八岐大蛇の人格になった総司さんの顔が写り、蓮は泣きそうな顔をして口を開く。
「納得いかねぇよ、兄貴。お嬢の脚を奪ったのも、呪いを掛けたのも、御子柴家を惨殺したのも…。お嬢が何をしたんだよ、兄貴!?なぁ…、嘘だって言ってくれよ…。兄貴が、八岐大蛇の封印を解き、全ての元凶だって事を」
「呪いを掛けるのに必要な対価だったから、仕方がないだろ?御子柴家は、邪魔な存在だったから排除した。聖様は何もしてないさ?したのは。お前の存在自体だ。俺は、お前が憎かったよ産まれた時からずっと。現に、一度も弟を好きだと思えなかった。聖様に選ばれたお前を殺したかったよ」
グサッ!!!
そう言って、総司さんは腰に下げていた紫色の刀を取り出し、蓮の脇腹を刺した。
ポタポタと刀の刃を伝って血液が地面に落ち、蓮の足元に血溜まりができていく。
いつもの蓮なら、刀が刺される前に避けて、距離を取っていただろう。
だけど、今の蓮は冷静じゃない、冷静になれる訳がないよ。
「蓮!!!」
あたしが蓮の事を守らないとと思もい、蓮に近付こうと手を伸ばした時、総司さんの影から蛇が現れあたしの手と脚を縛った。
シュルルッ!!!
「桜!!!」
「うっ」
思いっ切り前に倒れ体勢が崩れて床に倒れ、鴉天狗が慌ててあたしの元に駆け寄って来る。
「蓮…っ」
蓮は膝を付いて動けなくなっていて、蓮の心が壊されているのが見て分かった。
あたしが蓮の事を守らないといけないのに、蓮の側にいないといけないのにっ!!!
「兄貴は僕の事を最初から恨んでたのか?小さい頃、あんなに優しくしてくれたのも、全部が演技だったのか…?」
「最初から言ってるだろ?お前の事なんか、好きじゃないって。御子柴家の中で一番騙しやすかったのは、実は陽毬様だんたんだよ。陰陽師の専門の医者になったのも、陽毬様に完全に俺の事を信頼してもらう為だったし」
「は?ゔっ!!!」
総司さんは乱暴に蓮の髪を掴みながら、熱弁に話し出す。
「御子柴家の封印されている八岐大蛇に接触する為には、御子柴家の人間の信頼を買う事が大切だろう?聖様の前で言うのは気が引けるけど、あの婆さんは簡単に黙せれたよ。癌が全身に転移してるし、高齢だから死むしかないのに。俺の嘘の言葉を聞いて、馬鹿みたいに喜んでたよ!!!治る訳ないだろ!?普通の医者でも治せなって、高齢者が手術し所で意味のないものなんだから」
お婆様が持病を抱えていた事は、御子柴家の人間の中でも一人もいなかった筈。
皆の前で健康で威厳のある態度をとっていたのだから、お婆様が病気だなんて誰一人思っていなかっただろう。
総司さんが医者になったのも全ては、お婆様を騙していたのもあたしに呪いを掛ける為だったって…。
「今は蓮と言ったか?其方は、総司に相当恨まれてたんだな?そのおかげで、俺との利害も一致した。お前は生まれ変わっても、俺の邪魔をする存在なのだな」
生まれ変わり?
桜と紫乃は八岐大蛇と深い関係があるの?
今、そんな事を考えている場合じゃない、あたしが蓮の事を守らないといけない。
ブチッと手と足を拘束していた蛇の形をしていた影が切られる音が聞こえ、視線を向けると鴉天狗が影を切ってくれたようだった。
あたしはすぐに妖銃を構え、八岐大蛇の手を撃った。
カチャッ、バンッ!!!
ブシャアアアッ!!!
妖銃に弾丸は普通の人間相手だと当たりもしないが、妖怪に乗っ取られた人間相手には弾丸は体を貫く。
弾丸が当たった手は血を噴き出しながら弾け飛び、蓮の顔に返り血が付着する。
「ごめん、蓮。蓮の事を傷つけられるのは、どうしても許さない。たとえ、それが蓮の家族でも。八岐大蛇に乗っ取られた総司さんでも」
「お嬢…」
「お前はいつもそうだ。好きな男の為に、自分の命を張れる女だった、この男に為にな」
八岐大蛇はそう言って、一瞬だけ悲しそうな顔をした。
「だから、お前に痛みを与える。俺と同じ痛みを」
影から沢山の蛇が現れ、一斉にあたしの元に飛ばされ、逃げ場のない状況を作られてしまう。
ガクッと膝が崩れ、体勢を崩してしまい、影の蛇達が一斉に頭上から降り注いでくる。
シュシュシュシュッ!!!
「桜!!!
「お嬢!!!」
鴉天狗があたしを抱え宙に浮き、雛先輩と蓮は素早い動きで、降り注いでくる影の蛇達を斬り落としていたのだが、蓮の目の前に一筋の光が走った。
「狙いは桜じゃないんだよ」
「なっ!!?」
「蓮っ!!!」
八岐大蛇は影の蛇達の中で姿を潜めていたらしく、蛇達に気を取られていた蓮の前に現れ、容赦なく左眼を刀で斬り付ける。
その光景がスローモーションに見え、何が起きたのか一瞬分からなかった。
ブンッ、ブシャアアアッ!!!
「うがぁぁぁぁ!!!」
斬られた左目から勢いよく血が噴き出し、蓮は左眼を押さえがら地面に倒れ込み、流れ出した血は地面に広がって行く。
押さえている左眼から紫色の煙が上がり、蓮は声を上げて苦しんでいる。
目の前で起きた光景が信じられなかった。
蓮が、蓮が…、このままだと蓮が八岐大蛇に殺されちゃう。
嫌だ、蓮が死ぬのだけは嫌だ!!
「蓮兄‼」
「蓮!!」
雛先輩の叫び声とあたしの声が混じり合い、空間には鉄の匂いが漂った。
「今は近付くな桜!!」
そう言って鴉天狗は、ギュウッとあたしの体を強く抱き締め、蓮の元に行かせないようにする。
蓮の左眼からは沢山の血が流れ続け、このままだと本当に蓮が死んじゃう!!
「無様だなぁ、紫乃!!?アハハハッ!!!簡単に左目が斬られて」
「ガハッ!!」
八岐大蛇は蓮の姿を見て高笑い、苦しんでいる蓮の体を蹴り飛ばす。
「蓮兄に何してんのよ!!殺してやる、殺してやる!!」
雛先輩が叫びながら八岐大蛇に向かって行くが、影の蛇達が雛先輩の足元に絡み付き、体を浮かせた状態のまま地面に叩きつけた。
ドンッ、ゴキッ!!
「ゔっ!?」
地面に叩きつけられた雛先輩の口から血が噴き出し、右腕から骨の折れる音が聞こえ、持っていた刀が手から零れ落ちる。
カランッ、カランッ。
「離してっ、蓮の所に行かないとっ‼」
「っぶな!!落ち着け桜っ」
「落ち着いてられる訳ないでしょ!?蓮がっ、蓮が死んじゃうっ!!」
「もうすぐ、奴が来るから待ってろ!!」
「や、奴って、誰の事?」
鴉天狗に気を取られていると、八岐大蛇が蓮に向かって刀を振り下ろそうとしていた。
タタタタタタッ!!
あたしと鴉天狗の横を、見慣れた赤い髪を靡かして走り去った隼人の背中が視界に写る。
「えっ!?隼人!?」
「これで終わりだ、紫乃」
「うぉぉぉら!!」
ドカッ!!
八岐大蛇の隙をついて腹に回し蹴りを入れて、蓮から引き剥がして前に立ち、拳に巻かれていた包帯を巻き直していた。
「さ、お…とめの坊ちゃん?目が覚めたんですね」
蓮は左眼を抑えながら隼人を見ていると、蹴りを喰らった八岐大蛇は口の中に溜まった血を吐き出す。
「何だ、お前」
「お前に名乗る名前はねぇよ、お前が聖に呪いを掛けた八岐大蛇か。テメェの勝手な理由で、聖達の右脚を奪いやがって…。ふざけんなよ!?」
「貴様っ、大蛇様に何をする!!」
「フンッ!!」
雪女が隼人に向かって、氷の矢を飛ばしだいだらぼっちは岩の刃を飛ばした時、あたし達の前に空間に歪みが生じた。
キンキンキンッ‼
雪女の放った氷の矢とだいだらぼっちふが放った岩に刃が、見えな速さで刀によって弾かれる。
「ほっほほー!!若い者は元気があって、良い良い」
歪みの中から最初にで出来たのは、お洒落な格好をしたお爺さんと傷だらけで腹を押さえている楓と、気を失っている先生達だった。
八岐大蛇に狙われていた楓が歪みの中から現れ、鴉天狗が下ろしてくれたので、あたしは慌てて楓の元に駆け寄る。
「楓っ無事だったの⁉良かった…って、すごい怪我っ」
「姉ちゃんだって、怪我してるじゃん…。遅くなってごめんね」
申し訳なさそうな顔をしてる楓の事を抱き締め、楓が無事にあたしの所に帰ってきた事が嬉しかった。
泣きそうな顔をして楓は、あたしの背中に手を回して抱き締め返す。
花先輩みたいに化け物の姿になってない、あたしが知ってる楓の姿だ。
「姉ちゃん、八岐大蛇が向かってきてる。早く逃げないと、姉ちゃんの呪いが進行し…って、総司さん?な、何でここに?」
「何でも何も、この男が八岐大蛇だったんだよ。封印を解いたのも、コイツだ」
隼人の事を聞いた楓は、総司さんの事を見て固まっていた。
謎のお爺さんが先生達の事を連れてきてくれたけど、田中先生は腕を斬り落とされてかなりの重症だ。
「先輩達の姿が見えなけど…、何かあったの?」
「姉ちゃん、あの二人は八岐大蛇の仲間だったんだ」
「えっ?」
楓と話していると、八岐大蛇はお爺さんの事を睨みつけながら口を開く。
「ぬらりひょん、貴様はまたしても邪魔を」
「おいおい、坊主の腹を刺して颯爽と姿を消した主が言うか?殺したと思ったんじゃろうが、死んではないぞ?坊主は」
「玉藻前と大嶽丸はどうした」
玉藻前と大嶽丸も封印されていたが、八岐大蛇が復活して封印が解かれたって聞いてたけど…。
犬山先輩と玉村先輩の二人が、大嶽丸と玉藻前だったんだ。
「「大蛇様!!」」
八岐大蛇の背後に出来た歪みの中からボロボロの二人が現れ、視線を向けているとお爺さんに声を掛けられた。
「よぉ、桜よ。久しいのー、百年ぶりに会ったが、変わっていないのう。鴉も、役目を果たして何よりじゃ」
「爺さん、来るのが遅いんだよ。桜が八岐大蛇に連れてかれてたら、どうすんだよ」
「仕方がないじゃろ、坊主だけを連れて来る訳にはいかんじゃろ」
「あの、楓の事を助けてくれたんだよね?ありがとう、ぬらりひょん」
鴉天狗と話しているぬらりひょんにお礼を言うと、ぬらりひょんは優しく微笑んだ。
あ、この感じ、久しぶりに感じる。
どこかで、こんなような会話をしたような気がする。
「申し訳ありません、大蛇様!!御子柴楓の事を仕留めきれませんでした」
「お前達が無事ならそれで良い」
二人は八岐大蛇に膝を付き、謝罪をするが八岐大蛇は二人の事を簡単に許し、視線は再びあたしに向けられる。
カチャッ。
八岐大蛇があたしの事を見ている事に気付いたようで、刀と銃を構えて始めた。
「さーてと、どうするかのぉ?八岐大蛇よ、桜を連れて行く気なら、わしが相手になるぞ」
「今回は引いとけ、大蛇」
謎の男の声が聞こえると、八岐大蛇の背後から再び歪が生まれ、中から現れたのは酒呑童子だった。
酒呑童子とも約十年ぶりに姿を見たけど、あの時と変わらない強い妖気を放っている。
「酒呑、お前まで来てどうした」
「いやぁ、面白そうな状況だったから見に来た。アイツ等の体を見たのか?玉藻前達も怪我をしている。万全の体勢でやり合った方が良い、それにもう手に入ったんだろ?」
酒呑童子が八岐大蛇の二人の会話を聞いていて、何かを手に入れたようだが、一体何を?
八岐大蛇の手には紫色の煙が纏った蓮の瞳が浮いていて、酒呑童子が言っていた言葉の意味が分かった。
「あぁ、紫乃の左眼を手に入れた事だし、今回は失礼するよ」
ドンッ!!
八岐大蛇が手を振り上げると、大きな飛乗物が現れ酒呑童子達が乗り込んで行く中、八岐大蛇だけが残る。
「愛しい、桜。今度は最高の舞台で君を迎えるよ。だから。待っていて」
そう言って、八岐大蛇達は消えて行った。