テラーノベル
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あるところにきまぐれねこのアリスちゃんがいました。
今日、アリスちゃんはとってもごきげん。
おともだちの家に遊びに行けることになったのです。
おともだちの名前はねずみのチルノちゃん。
種族はちがうけど、アリスちゃんのだいじなおともだちです。
「チルノちゃーん!」
家の窓をこんこん叩くと、チルノちゃんがぴょこっと顔を出します。
待ってたよー!と言わんばかりに上半身を乗り出し、一生懸命手を振ってくれました。
窓からおへやに入るのはひじょうしきなので、かしこいアリスちゃんは
玄関を開けてもらって玄関からおへやに入りました。
おへやの中はぽかぽかしていて、ふわふわといい匂いもします。
チルノちゃんはアリスちゃんをおへやに入れたのは初めてなので、
なんだか恥ずかしくてもじもじしているみたい。
「チルノちゃん、なにしてあそぶ?」
「ん!」
チルノちゃんが指さしたのは、オセロという
人間があそぶゲームでした。
ルールを見てもよくわからなかったので、まるいものを重ねてあそぶことにしました。
「あっ、くずれちゃった!」
「わ!」
しばらくあそびましたが、まるいものを全部重ねられたのはチルノちゃんでした。
アリスちゃんはいつもさいしょのほうでくずしちゃいます。
ちゃんとまるいものを箱に戻しておかたづけ。
きれいになったら、次は何で遊ぼう?
チルノちゃんはもう決めていたようで、これまた人間が遊ぶゲームの
ドミノというものを持ってきました。
「ルール、しってるの?」
「んん」
チルノちゃんは首を横にふりました。
先程とちがってルールが書いてある紙もないので、やっぱりあそぶ方法がわかりません。
しかたないので、たくさんのしかくくてひらべったいものを
重ねてあそぶことにしました。
まるいものとちがって持ちやすいかたちをしていたので、
今度はアリスちゃんもいっぱい重ねることができたみたい。
「わぁ、たかい!」
「わわ!」
たかく積み上げられて嬉しいアリスちゃん。
でもそのうち飽きてしまったので、また別のあそびを始めます。
次にチルノちゃんが持ってきたのは、トランプという人間があそぶゲーム。
どうやらチルノちゃんのおへやには動物用のゲームがなかったみたい。
「すうじがかいてあるね!いち、にい、さん、し、
ご、ろく、しち、はち、きゅう… あとはしらなーい。」
「じゅ!」
「しってるの?すごーい!」
またまたあそぶ方法がわからなかったので、トランプは
すうじをおぼえるための教材になりました。
つぎのテストは満点取れるといいね!
日が暮れて、おそらはマーマレードジャムみたいなおいしそうな色になってきました。
アリスちゃんもチルノちゃんも、まだまだあそびたりないみたい。
けどご主人様におこられるといけないので、ちゃんとおかたづけをして帰る準備をします。
ちいさいリュックを背負って、アリスちゃんは玄関に向かいます。
ねこなので、くつは履いていません。
「チルノちゃん、またあそぼうね!」
「ん!」
2匹はさみしさを紛らわすように、元気に手を振り合っています。
けど大丈夫、また来週あそべるからさみしくないよ。
コメント
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食べたりしないよ…本当に食べたりしないのだろうか… 真偽は藪の中です(唐突なホラー)