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私は予知夢を見た。前々から、巫女という職業柄から
予知夢を見る事が多かった。
その夢は必ず当たり、私は里の人間からとても感謝されていた。
私は、流行病で幻想郷が滅びる夢を見た。
その夢は当たった。
ただひとつ違う点を挙げるとすれば、流行病だと思ったそれは
幻想郷の外の人間が撒いた毒ガスだった。
外の人間達は、獣より恐ろしい目で私達を見てきます。
私達の幻想を穢して、私達の幻想を蹂躙しました。
やがて私は思いました。
予知夢とは、“起こるかもしれない”出来事を観測する事なのではないか。
シュレディンガーの猫という言葉を知っているだろうか。
棚の中にりんごが入っていたとしても、我々がそれを観測するまでは
棚の中にりんごが入っている事は確定していない。
ないかもしれないし、あるかもしれない。
そのあやふやでぼやけた事柄は、我々が観測する事でくっきりとしたものになる。
予知夢は、その“起こるかもしれない”出来事を観測し、
“必ず起こる”出来事へと昇華させてしまう行為を言う。
私は最後にそう思いました。
幻想郷は…私が滅したんだ。