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頭だけになった澄を、私達はただ見つめていた。その鉄のような臭いが充満し、気持ち悪かった。頭が死を理解してからは、動揺のあまりふたりを残し急いで倉庫を出ていってしまった。


❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️


叫ぶ菖蒲のとなりには、失禁し膝から崩れ落ちた真宵がいた。その反応は、死体を目撃したことによるショック…じゃなかった。その死体、血の臭いで、思い出してしまったのだ。自身のすべてを、過去にした過ちを。


「ち、違う。そんなつもりじゃなかったの…!」


そう呟いた真宵を、菖蒲は過呼吸になりながら心配そうに見つめていた。菖蒲の視界がうつしたのは、最悪の光景だった。

謎の布が真宵を包み初め、きつく縛った。その時、悪寒がした。あまりの寒気に、菖蒲は倒れこんでしまう。上半身で必死に後退していく。まともに動かない足は氷のようだった。

画像


菖蒲「ま、真宵ちゃん!!なにこれぇ…意味わかんんないぃ!!」

その雪だるまのような業の塊。異形は菖蒲の首元へ、その布を伸ばし強く締めあげた。

菖蒲「っっう、ま、真宵ちゃっ」

苦しそうに顔から血の気が引く。足は新鮮なエビが泳ぐようにバタバタと動いた。


…動いた。


…動いた。


…動いた。


…動いていた。


ばたりと力なく倒れ込み、死体となった。異形は檻のような体を引きずって、倉庫を出ていった。


❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️


私は急いで近くにいた蘭々に声をかけた。澄が死んでしまっていたことを伝える。私と彼女は一緒に倉庫へと走った。その事実をその目にうつさせるために。廊下を急カーブし、倉庫へとめの焦点を合わせる。出会ってしまった。その異形。自身より少し背の低い雪だるまのような化け物。冷たさを感じるその不気味さに、私達は背筋が固まってしまった。

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