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防音室で、コンクールの候補曲『トランペットが吹きたい』と『トランペットラブレター』の練習を、数度に渡って練習し続けている瑠衣と奏。


『トランペットラブレター』の練習で、前半の転調で曲が盛り上がる部分を演奏している時、瑠衣が楽器を口から離し、顔を俯かせている事に奏が気付いた。


やがて瑠衣が崩れ落ちるようにしゃがみ込み、身体を小さく震わせている。


「ちょっ…………瑠衣ちゃん!? 大丈夫!?」


「かっ…………奏ちゃ……ごめん……」


「いいよ。一旦休憩しよう?」


「奏……ちゃ…………本当に……ごめっ……」


奏がグランドピアノから離れ、瑠衣に近付いた。


目線に合わせるようにしゃがみ込み、瑠衣の顔を覗いてみると、静かに涙を頬へ伝わせている。


涙を拭い鼻を啜る瑠衣に、奏がゆっくりと背中を摩りながら、どこか様子がおかしいと感じた彼女は逡巡した後、遠慮がちに瑠衣へ声を掛けた。




「瑠衣ちゃん…………何かあった?」


奏の気遣う声音で問い掛けられ、瑠衣の瞳の奥がジンジンと痺れていくような感覚が襲う。


「奏ちゃん…………本当に……ごめん……なさ……い……」


先ほどから謝り続けている瑠衣に、奏が疑問に思う。


「……え? 瑠衣ちゃん…………どうして謝るの?」


言いづらいな、と瑠衣は思う。


目の前の美しい女性を羨ましく感じた事に。


あんなに愛し愛されて、幸せを溢れんばかりに怜に抱きしめられている奏を見て、嫉妬してしまった事に。


奏は、黙ったまま瑠衣の背中を撫で続けていて、何だか申し訳ない、と思ってしまう。


瑠衣は震わせながらも大きくため息を零す。


「今から私が言う事……奏ちゃんが聞いたら…………きっと私を……嫌な女だと思うよ……」


瑠衣は胸に手をやり、心を落ち着かせながら、掠れた声で胸の内を奏に伝えた。


「私…………奏ちゃんを羨ましいって思ったし…………奏ちゃんの事……嫉妬してた……」


瑠衣の言葉に、漆黒の大きな瞳が更に丸みを帯びた。

もう一度、きかせて……

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