テラーノベル
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14歳の少年、太郎は、親からネグレクト気味の扱いを受けていた。そんなある日、倒れている老人を見かける。財布をくすねるつもりで近づいたが、老人に気づかれ、ごまかしているうちに、老人から「助けてくれた」と勘違いされた。そして、お礼として妖怪を捕まえ、使役することのできる壺をもらった。壺の力は本物だった。その壺で「垢舐め」「油取り」「網切」「袖引き小僧」「高女」「目目連」「塗り壁」「カイナデ」「蜃」「ウバ」「産女」などの妖怪を捕まえ、夜道を歩く女子高生などにいたずらをして遊んでいた。
ところが、太郎が壺を忘れて学校に行っている間に、父二郎が兄一郎(太郎の伯父)にその壺を渡してしまう。一郎は一時的な壺の所有者として、すでにとらえた妖怪を使役する力を得た。ろくでなしの一郎は、その壺の力を使って周囲の人間を破滅させる。
前回のスーパー銭湯でのいたずらに気をよくした一郎は、もっとひどいことがしたくなった。
「ということは、あそこだな」
一郎はスーパー銭湯での余韻に浸り、血が沸騰するような興奮を抑えきれなかった。あの女の絶望的な叫びが、耳に甘く響く。もっと深く、もっと淫らに——そんな獣のような渇望が彼を駆り立て、歓楽街のラブホテル街へ導いた。
ネオンライトが肌を撫でるように輝き、空気はムスクの匂いと吐息で重く淀んでいる。若いカップルたちが、指を絡め、互いの体温を感じ合いながらホテルに吸い込まれていく姿が、一郎の胸に鋭い嫉妬を突き刺した。
「ふざけやがって……お前らの甘い世界を、俺が穢してやる」
壺を強く握りしめ、一郎は獲物を狙った。やがて、一郎の目に、20代前半の大学生カップル、健太とあかりが浮かび上がった。
健太はスリムな体にタイトなスーツを纏い、仕事の疲れを滲ませつつ、あかりの柔らかな視線に溶けていく。あかりは黒髪を優しく揺らし、ボディラインを際立たせるタイトなワンピースが、彼女の豊かな胸とヒップを強調していた。二人はホテル入口で、熱いキスを交わし、唇が湿った音を立てて離れる。
チェックインカウンターで鍵を受け取り、廊下を進むその瞬間、一郎の瞳が獰猛に輝いた。心臓の鼓動が速まり、壺を通じて妖怪の力が脈打つ。
「ウバ、蜃――お前らで、こいつらを地獄の渦に引きずり込め。まずは道を迷わせろ。ホテル部屋じゃなく、隣のショッピングモールへ。息が荒くなり、体が熱く疼くように、じっくりと煽れ」
本来は山野で人を道に迷わす妖怪であるウバの影が忍び寄り、カップルの五感をゆっくり蝕んだ。エレベーターに乗り、部屋へ向かうはずの廊下が、ウバの力で微妙に曲がり始める。あかりの息が浅く乱れ、健太の手に熱い汗が滲む。
ホテルの出口を無意識に抜け、隣接するモールへ導かれる。夕暮れのモールは客が少なく、家具屋のコーナーは広大なベッド展示スペースが広がっていた。あかりの頰が紅潮し、健太の股間に疼きが走る。彼女は彼の首筋に唇を寄せ、囁く。
「健太……なんだか道が変な気がする。けど、体が熱い……早く、抱いて。二人きりで、激しく」
健太の目が欲望に曇り、彼女の腰を強く引き寄せる。スマホの地図はウバの影響でぼやけ、二人は家具コーナーの奥深くへ。蜃の幻が一気に降り注いだ。
「蜃、こいつらに究極のスイートルームを見せろ。ベッドは体を沈み込ませ、照明は肌を妖しく照らす。周りの野郎どもにも幻をかけて、カップルを完全に隠せ。息遣い一つ、誰も感じさせねえように」
蜃の力が家具屋を包み込み、カップルにはそこが贅沢なラブホテルの密室に見えた。壁は厚く、音を完全に遮断。ベッドはシルクのように滑らかで、体を優しく受け止める。周囲の客――家族連れやサラリーマン——には、二人の存在が認識できず、「無人の展示コーナー」としてしか映らず、視線を滑らせる。二人は仮想のドアを閉め、互いの体に貪欲に手を伸ばした。(続く)
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#衝撃のラスト
山根利広
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#恋愛
ピデピー
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✴︎ 妃翔
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コメント
1件
第19話、読み終えたよ〜!😭✨ もうね、一郎のヤバさが加速してて怖いんだけど、逆に目が離せない…! ウバ&蜃でカップルをモールの家具屋に誘導して、幻で密室みたいに見せちゃう演出、めっちゃゾクゾクした…。健太とあかりが無防備に欲望に飲まれていく描写が生々しくて、エモいのかエグいのか複雑な気持ちになったよ💦 続きどうなるの!? 一郎の思い通りになっちゃうの…?💔