ロサ「ヨースケ!起きなさい!」
「もう朝の8時よ!」
ヨースケ「ママァ〜休みの日くれぇもうちょっと寝ててもいいじゃんかよォ〜ッ」
ロサ「ダメ!ポケモンスクール卒業したからってずっと家でダラダラしちゃって…」
「将来のこととかちゃんと考えてんの!?」
ヨースケ「うるさいなぁまだ決まってるワケないだろ!」
ロサ「開きなおるな!」
「とりあえず朝ごはん食べちゃいなさい!ミヅキちゃんと約束あるんでしょ?」
ヨースケ「まだ30分もあるんだからそんなせっせこしなくてもいいだろ?」
ロサ「あんたねぇ…」
「ピッタリに到着するんじゃダメなの!」
「せめて5分前…よくを言うなら10分前にはつかなきゃ待たせちゃうかもしれないでしょ!」
ヨースケ「あぁもうわァーッたよ!ごちそうさま!」
「ほんじゃ行ってくるわ!」
ロサ「あっ、ちょいまち。」
ヨースケ「もう、なに?」
ロサ「あっちについたら世話してくれるやつがいると思うから」
「そいつにこれ、渡しといてくれない?」
そう言ってロサが渡したのはできたての美味しそうなマラサダだった。
ヨースケ「俺が食べちゃだめ?」
ロサ「たわごと言わないの。」
ヨースケ「へェーへェーッ。」
「ほんじゃ今度こそ行ってきまぁーす。」
ロサ「気をつけてねー」
ヨースケ「ほんじゃ頼んだぞ、ケンタロス!」
ケンタロス「ぶもッ!」
砂煙を巻き上げヨースケを乗せたケンタロスが走り去る。
向かうは親しい友人の住まいへ。
ヨースケ「うし、5分前だな」
ミヅキ「あー…ヨースケであってる?」
ヨースケ「うんばっちしヨースケさんですよ〜」
ミヅキ「ほッ…違ったらどうしようかと思った」
ヨースケ「今日もかわいいッすねェ〜ッ」
ミヅキ「あんまし茶化さないで。」
ヨースケ「ヘイヘイ。」
「そしたら時間も押してるしいくか。」
ミヅキ「うん、よろしく。」
ヨースケ「任された!しっかり背中に捕まってろよ?」
ミヅキを乗せてケンタロスは全速力でミヅキの家から飛び出した。
ヨースケ「サンキューケンタロスおかげで余裕で時間に間に合ったわ。」
ケンタロス「ぶもぉ〜ッ」
ヨースケ「えェ〜っと乗る船はあれでいいよな?」
ミヅキ「ウン、多分あってる。」
係員「では、チケットをお見せください。」
ヨースケ「ういッ」
ミヅキ「なんだか緊張してきたよ…」
ヨースケ「大丈夫だって、俺がついてるんだから。」
「それにお前もうアローラ地方のチャンピオンだろ?」
「怖気付く必要ないって!」
ミヅキ「チャンピオンでも怖いものは怖いの!」
ヨースケ「へいへい。」
ヨースケ達は時間通りに船に乗りこみ、甲板から離れゆくアローラ地方を眺めていた。
ヨースケ「つーかまさかお前俺の帰省について行きたいなんて言うの」
「なんだか珍しい気がするなぁ。」
「お前自分の意見ちっとも言わないしよォ」
ミヅキ「…まぁね。」
ヨースケ「なんか理由でもあンのか?」
ミヅキ「どーしても言わなきゃだめ?」
ヨースケ「いや言いたくないなら一向に構わんよ」
ミヅキ「…ウン」
(この旅で…ヨースケとの距離が縮まるといいなぁ…)
(ヨースケの親…どんな人なんだろう…。)
この物語は過去を清算する男と———
恋に燃える少女の物語。
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