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「サボろう」
彼にそう言い出すのは簡単な事だった
だけど、なんでここまで時間が掛かっちゃったんだろう。と思う
だけど理由は分かりきってる
星川「で?サボる?」
甲斐田「………まー、たまにはいっか笑」
そうやって笑う君が
好きだからだ
星川「よっしゃ〜!正直1人だとする事無いんだよな〜笑ここ」
キミといれて嬉しい、なんて言える訳無いから
暇じゃ無くて嬉しいって言う嘘をつく
暇ならこんな所居ないよ
ねぇ甲斐田
星川「…」
ちょっとは察してよね
エアプがよ
星川「ねぇ甲斐田」
甲斐田「ん?」
星川「初めて星川に会った時の事覚えてる?笑」
それは明るくてちょっと暗めな
だけどそんな日々が
甲斐田「ぁ…えっ、と……こんに、ちは…、」
輝き続ける日々に変わって行った
春の日の事だった
学校説明の日
新2年生が、新1年生に学校を案内すると言うもの
星川「ん〜、こんちわ!君、甲斐田晴…って名前だよね?」
正直めんどい
3年がやれよ、とも思うが来年以内からここで会ってもって事なんだろうな
甲斐田「………、」
彼は黙ってコクリと頷く
正直第一印象はあまり良く無かった
the.陰キャって感じで、あまり得意じゃ無い
星川「んじゃあ、晴君って呼ぶね!よろしく晴君!」
甲斐田「あー…ぇっ、と…呼び方…………は、?」
星川「あー…じゃあ……」
星川「星川さん、でいいよ!」
甲斐田「わかり、ました…」
甲斐田「星川さん」
星川「っ!」
彼はそう優しく微笑む
メガネと前髪でよく見えなかったがイケメンだ…と思ってしまう
さっき陰キャとか言っといて、罪悪感が凄い
星川「よっ…よろしくっ!」
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星川「んで…ここが家庭科室だよ!先生怖いから気を付けな!」
甲斐田「ぁ…はい……!」
なんだかんだ言って
この子が可愛い後輩に見えて来た
きっとコミュニケーションは得意では無いだろうが
頑張って返事をして来れている姿を見ると可愛く思えて来る
星川「んふふ…笑」
ふと笑みを溢してしまうと、
彼が不安そうな表情になって聞いてくる
甲斐田「あれっ…なんか……変な、所…………」
星川「っえ?!」
星川「いやいや大丈夫っ!晴君って可愛い後輩だな〜って思ってさ!」
甲斐田「え”ッ……」
真実を伝えると顔を真っ赤にして顔を手に埋めてしまう
よく耳を傾けると小さい声で「ありがとうございます」と言っている
星川「……」
え、可愛い〜
正直可愛い、だいぶ可愛い
星川「んふふっ笑、どういたしましてっ!次図書室いくよ〜!」
甲斐田「ぁっ…はい……っ」
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星川「はい、ここ図書室!ちょっとだけ本読んでいいってさ」
甲斐田「っ!…やったぁ……」
星川「ふふ…」
喜んでくれてよかったな
めんどくさいって思ってたけど…案外楽しいな
ガラガラッ
図書室のドアを開けるとひんやりと涼しい空気が肌を伝う
後ろの彼がなんだか辿々しくしてる気がするから
星川「時間になったら呼ぶから、自由に見て来な」
と言うと
目を輝かせながら頷き、中に入って行った
星川「本、好きなんだなぁ……笑」
時間になったら呼ぶと言ったが
ここが最後だし、まだ時間もある。それなりに暇だ
星川「晴君の所行ってみよっかな…」
この学校の図書室デカいし
本の種類多いんだよな〜…恋愛漫画とかあるもん。教育にいいん?あれ?
星川「あ」
晴君を見つけると声がもれる
すると晴君がこちらを向き本を閉じようとするので
星川「まだ大丈夫だよ」
と言うと、安心した様な顔を見せて
また本に目をやる
星川「……?」
なに見てるんだろう…
小説……?
星川「…っ?」
読んでる本が気になっていて
他の所に目をやれずにいた
それが、好きなアニメの原作だって気づいた
嬉しかった
だけどそれと同時に何かに足をぶつける
ガンッ!!
星川「えっ……」
甲斐田「ッ、?!」
思わず上を向いた
物体が、目と鼻の先にあった
思わず目を閉じた
腕で顔を覆った
声も出なかった
ガンッ!!!
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