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星川「ッ………?」
大きな音は鳴り響いたものの、
痛みも衝撃も何も無い
ただ、何かに覆いかぶさられている様な感覚がする
恐る恐る目を開けると、そこには
星川「っえ…?!」
晴君だった
落ちて来たのはどうやら箱だった様で
対して傷がつくものでも無かったが……
星川「ちょっ…なんで庇ったの?!」
星川「痛い所…無い……?」
そう聞いても何も返事が返ってこない
立ててはいるし、ふらついてもいない…だけど……
星川「…」
甲斐田「ぁ”っ…」
晴君の前髪を手でどかして
彼の表情を見る
すると彼は、見ないで欲しかった。とでも言う様に声を出す
星川「うん、傷は無いね…よかったぁ……」
甲斐田「……すみません」
星川「え?」
甲斐田「僕なんかに…触られて嫌でしたよね……」
助けて貰ったのに
なんで、なんでそんな顔するの
星川「嫌じゃ無かったよ」
甲斐田「え…」
なんだか許せなかった
なんでこんなにいい子がこんなに自分を責めちゃうの
人の事助けて、「ありがとう」って言われたら
「ごめんなさい」って言う様にこの子がなっちゃったのが許せない
星川「もっと自分に自信持ちな!君はいい人だよっ!」
甲斐田「……!」
甲斐田「ありがとう、ございます…っ、笑」
彼がニッコリと微笑む
なんだか安心した、彼だって笑えるんだなって
なんだか親みたいになっちゃったな
星川「てかその本さ、「朝方、夕焼け雲」の原作だよね?!」
星川「星川そのアニメ知ってるよ!よければ仲良くしない?」
甲斐田「っ〜…!」
そう言うと嬉しそうな顔で目を輝かせ
こくりと頷き、無邪気な少年の様に微笑んだ
星川「っ…?!」
なんだかそれにドキッとした
ドキッとした自分を殴ってやりたかった
よく知らないし、多分自分は顔で選んでる、だけど
星川「…ふふっ笑」
まぁ、ちょっとくらいはさ、
一目惚れって言う事を体験してみてもいいと思うんだ
星川「そろそろ時間だし行こっか」
星川「ほんとに、怪我無いんだね?」
甲斐田「はい、無いです」
甲斐田「ありがとうございます」
甲斐田「星川先輩っ!」
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甲斐田「んー…あんま覚えてないなぁ……」
星川「えー…まじ?」
星川はこんなに覚えてるのにな
なんて思っても彼はきっと覚えていない
思い出したとしても「あの時避けろよw」なんてくだらない笑い話になってしまう
星川「お前、あの時はカッコよかったよ」
甲斐田「あの時”は”ってなんだよ?!」
星川「別に〜?自分で考えてくださーいっ笑」
あの時”に”恋に落ちたんだよバーカ
今はずっとカッコいいし、可愛いし、大好き
恋愛の価値観…違いすぎるのも分かってるよ
だけど、この気持ちは一年経っても変わらなかったよ
甲斐田「_____笑笑__?」
顔も、性格も、全部全部
大好きだな。
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