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3話 イシーを討伐
討伐対象は
そこにあった
丸い石
角もなく
色も地味
どう見ても
ただの石だ
ふっくらが
前に立つ
丸い体
短い腕
指は
むっちりしている
目を細めても
石は石のまま
ふっくらは
一歩近づく
攻撃しない
のか
攻撃できない
のか
自分でも
よくわからない
後ろで
琶が腕を組む
大きな体
重なった鱗
畳まれた翼
尾は地面に
ゆっくり伸びる
顔は落ち着いているが
半分だけ
楽しんでいるようにも見える
ふっくらは
石をじっと見る
石も
ふっくらも
動かない
風が吹く
石は
微動だにしない
琶が
一歩前へ出る
巨大な影が
石の上に落ちる
「……やっぱ石だよな」
ふっくらは
小声でつぶやく
琶は返事をせず
紙を取り出し
爪でさらさらと書きはじめる
字はやけに整っている
【討伐対象:イシー】
【状況:とんでもないオーラを出しています】
【脅威度:たぶん強いと思われる】
【性質:周りには誰も寄せ付けないだろう】
ふっくらが
のぞき込むと
琶は
#初コメ&初見さん大歓迎
すぺーす
72
#一次創作
やわ
3,240
#恋愛
n217(エヌ・ニイナ)
1,753
口元だけで
少し笑う
報告書は完成したらしい
ふっくらは
石に向かって
軽く会釈する
石は
何も返さない
帰り道
ふっくらは
振り返らない
琶は
ゆっくり歩く
討伐は
完了扱いになる
石は
変わらず
そこにあるまま