テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
重々しい空気の中、三人は北の遺跡最深部へと進む。 空は異様な黒雲に覆われ、街には次第に混乱が広がりはじめていた。
剣士少女(顔を伏せて):「街のみんなが不安に押しつぶされそう……」
獣人少女(必死で笑顔を作り):「うちらが絶対守るって決めたもんね!まだ負けてない!」
レイ(心で確かめるように):「ああ……俺たちの旅も、もう終わりが近い」
遺跡の最奥、巨大な扉の前で三人は足を止めた。
扉の中心には例の“黒煙の紋章”が輝いている。
運命の扉 —レイへの問いかけ—
扉が静かに開き始め、黒煙が立ち昇る。
その奥からヴァイスが現れ、不敵な笑みを浮かべる。
ヴァイス:「ついに来たな、レイ。継承者よ……“終焉の書”の扉を開く覚悟はできたか?」
剣士少女(剣を抜き):「ヴァイス!あなただけは絶対に許せない!」
獣人少女(爪を立てて):「レイに変なことさせたら、この爪が黙ってないからな!」
ヴァイスは冷淡に二人を一瞥し、レイをまっすぐに見据える。
ヴァイス:「選べ。扉を開けて力を手にするか、ここで無力のまますべてを失うか……。
さあ、お前の――運命の選択だ」
その時、扉の魔力が暴走し、体が引き寄せられる。
レイの心に、過去の声と記憶の断片――“もうひとりの自分”のささやきが鳴り響く。
影の声:「どちらを選んでも、誰かが犠牲になる……それでも、お前に進む覚悟はあるのか?」
絆の証明
剣士少女がレイの手を力強く掴む。
剣士少女:「迷わないで、レイさん。何があっても、私たちは――帰る場所を守る!」
獣人少女も傍らで叫ぶ。
獣人少女:「うちたち、もう一人じゃねぇ!誰も置いてかねぇ!全部、三人で進むんだ!」
重なり合う手、混じり合う思い。
黒煙の紋章が、三人の心を確かに繋げるよう微かに脈打つ。
レイ(強い目で):「……ヴァイス。俺の選択は――自分で決める。お前の思い通りにはならない!」
ヴァイス(ニヤリと):「ならば……見せてみろ。“世界”を変える、その選択を――!」
終焉の書、その真実
扉の中、祭壇には古びた黒革の書物が浮かぶ。
突然、遺跡全体が激しく揺れ、崩壊が始まる。
剣士少女:「レイさん、早く!」
獣人少女:「外が……もう、魔獣が大量に溢れてる!」
ヴァイスは“終焉の書”へと魔力を注ぎ込む。
ヴァイス:「見よ、これが『終焉の書』――。継承者の魂と共鳴すれば、世界すら更地になる力だ……!」
黒煙が世界を覆い、崩壊と混乱が広がる中で――
レイはついに“終焉の書”に指先を伸ばす。
決意の言葉(次回への伏線)
レイ(静かに):「……俺は――この力に負けない」
剣士少女:「闇に飲まれそうになっても、絶対戻ってきて!」
獣人少女:「うちも、絶対レイについてくからな!」
世界の希望と絶望が交錯する最中、三人の運命が大きく動き出す――。