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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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翌朝海斗は事務所に顔を出した。

するとマネージャーの高村が興奮した様子で海斗に言った。


「海斗! 新曲の『earthshine(地球照)』が日本宇宙開発機構の公式テーマソングに決定したぞ」


新アルバムのデモテープは出来上がるとすぐに広告代理店や企業に配られそれを機にCMやドラマの主題歌に決まる事が多い。

今回の新アルバムも既に各方面へ配られていた。

そしてその中の一曲がアメリカの月面有人宇宙飛行計画に合わせた日本宇宙開発機構のテーマソングとして採用されたのだ。


「すごいな。そんな所で使ってもらえるとは光栄だよ」

「ああ、こんな名誉なことはないぞ」


高村は更に言った。


「他の曲もほぼ全てCMや映画のテーマソング、ドラマの主題歌に使いたいと打診が来ている。今回のアルバムは相当ヒットを飛ばしそうだぞ」

「仕上がった時にかなり手ごたえを感じていたが、ここまで反応があると嬉しいな」


海斗は嬉しそうに言った。


事務所を出て駐車場の車に乗った海斗はすぐに美月にメールを送った。


【『earthshine(地球照)』が日本宇宙開発機構の公式テーマソングに決まったよ】



その頃美月は職場にいた。今日は早番で午前の教室を担当した後今は昼食を食べているところだった。そこへ海斗からメールが来た。

メールを見た美月はびっくりして涙が出そうになる。

野外ライブで聴いたあの壮大な曲は月への旅にぴったりのイメージだ。だから選ばれたのは必然のような気がする。

美月はすぐに返信した。


【日本宇宙開発機構のテーマソングに選ばれるなんて凄い事よ! おめでとう】




海斗は美月から来たメールを見て嬉しそうな笑顔になる。

これから海斗は今年最後の一大イベントでもある全国ツアーに向けての練習が始まる。


「もうひと頑張りしますか!」


海斗は気合を入れると車のエンジンをかけた。



それから二週間ほど海斗と美月は会えない日々が続いていた。

美月は海斗からこれからしばらくはコンサートに向けてのリハーサルが続くので忙しくなるという事を聞いていた。

だからなるべく邪魔をしないようにと気遣いメールもなるべく送らないようにしている。

美月も仕事に打ち込む事で会えない時間の空白を埋めるようにしていた。


そしてこの日美月は遅番の仕事を終えて午後10時過ぎに家に戻った。

夕食は職場で済ましていたのでシャワーを浴びた後ミルクティーを入れていつものように天体写真グループのサイトを覗く。

美月がこの前の旅で撮った天の川の写真を自分なりに画像加工を加えてサイトにアップした。すると仲間達からはもうちょっと手を加えればもっと天の川をあぶり出せるだろうとのアドバイスを貰う。

早速美月はアドバイス通り画像に修正を加えてみた。すると天の川はぐんと濃くなりとても臨場感のある美しい写真に仕上がった。

もちろんすぐにその写真をアップした。すると仲間達が褒めてくれた。美月は満足するとノートパソコンを閉じる。

そしてふと窓際に飾ってある桜貝の入った小瓶と天使のガラス細工が目に入った。天使はこの間の旅行で海斗が買ってくれたものだ。

その天使の置物を見つめながら美月は楽しかった旅の事を思い返していた。そこへタイミング良く海斗からのメールが届いた。


「急で申し訳ないんだけれど明日一日休みを貰えたので俺の実家に一緒に行って貰えるかな?」


あまりにも突然なので美月はびっくりしたが、すぐに返事を送った。


「もちろん喜んで。大磯までのドライブ楽しみ」

「じゃあ明日午後2時にアパートの前で」


美月はいよいよ海斗の家族に会うのだと思うと少し緊張してきた。

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