テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

そこへ岳大と保坂も戻って来た。二人は井上から話を聞いていたようでニコニコしながら翔真の前に来た。


「初めまして、佐伯です。いやーお会いできて嬉しいです」


岳大からの歓迎を受けて翔真は少し緊張気味に言った。


「初めまして大和です。先日は新作ウェアをありがとうございました。あと丁寧な直筆のお手紙までいただき感激でした」

「いえいえこちらこそ。テレビでうちのブランドを褒めていただき感謝しかないですよ。それにしても今日はどうしてここに? お仕事ですか? それともプライベートで?」

「急に休みが取れたのでちょっとドライブついでに寄ってみました。ちょっと外観だけでも見て帰ろうかなと思ったら佐伯さんがいらっしゃると聞いたのでびっくりしました」

「それはグッドタイミングでした。いやーお会いできて良かった」


岳大は本当に嬉しそうに笑った。


「俺、小学生の時に観た佐伯さんのK2アタックのドキュメンタリー番組に感動して登山を始めたんです。あと佐伯さんの山の写真も好きで写真集全部持ってます。毎年カレンダーも買ってます。それがきっかけで俺も一眼レフを買ったのですが佐伯さんのような写真は全然撮れませんでした」


翔真はペロッと舌を出して恥ずかしそうに笑った。その笑顔はとてもチャーミングだった。

テレビの中の落ち着いた翔真とは違い今日は憧れの人を前にして少し興奮しているようだ。


「佐伯ファンはいろんな年代にいるんだねぇ。あ、失礼! 僕はテレビニッポンの保坂と申します。今日はお会いできて光栄です」


保坂は名刺を取り出すと翔真に渡した。


「テレビニッポン様にはドラマやバラエティでいつもお世話になっております」


翔真は笑顔で言うと保坂に向かってお辞儀をした。その礼儀正しさに保坂も思わず目を細める。

そして翔真が保坂に聞いた。


「今日は何の撮影なんですか?」

「『ネイチャーストーリーズ23』の密着でね。去年からずっと佐伯さんを追っかけているんですよ」

「へぇー凄いなー、一流の著名人しか出ない超有名番組じゃないですか! あの番組は俺も毎回観ています。よかったら僕も今日ちょこっと出してもらえないかなー?」


翔真が真顔で言ったので保坂は驚く。


「えっ? 出演していただけるのですか?」

「はい、ギャラはなしでOKです。佐伯さんと一緒に出られたら一生の記念になりますからねー」


翔真の言葉に保坂と岳大が思わず顔を見合わる。


「ありがとうございます。でもあなたほどの有名人だとそう気安く出てもらう訳にも行きません。マネージャーか事務所の方と今お電話でお話しできますでしょうか?」

「あ、いいですよ、ちょっと待ってくださいね」


翔真はポケットから携帯を取り出すとマネージャーへ電話をかけ始めた。そして状況を説明した後保坂に電話をかわる。

そこで保坂とマネージャーの鈴木が話を始めた。

その時岳大が翔真に声をかけた。


「翔真君、良かったら店内を案内しますよ」

「はい、ありがとうございます」


二人は店の奥へと消えて行った。



岳大達がその場からいなくなるとスタッフ達が一気にざわついた。

まさかここに人気俳優の大和翔真が来るとは思ってもいなかったからだ。


「実物の方がスラッとしていて更にイケメンだなぁ」

「凄い礼儀正しい青年で好感度が上がったな」


皆は口々にそう言った。


その後マネージャーからの許可が取れたので、岳大は翔真をゲストに迎えて急遽対談する事となった。

休憩を終えるとすぐにその撮影はスタートした。


岳大と壮馬の対談はとてもいい雰囲気の中で進んで行った。

二人の会話を見つめていた保坂は確かな手ごたえを感じていた。


そしてその日の夕方、撮影は滞りなく無事に終了した。

水面に落ちた星屑

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

301

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚