テラーノベル
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一方、その頃。
薄く目を開く。
「……ここは」
ロビンはゆっくりと身体を起こした。
見慣れない天井。
豪華な装飾。
赤い絨毯。
そして目の前には、一人の青年が椅子に腰掛けていた。
アルドだった。
その隣には、腕を組んで立つ銀髪の女性。
セレスティア。
ロビンは周囲を見回すと、小さく笑う。
「おや」
「あなたがここにいるということは……」
アルドを見つめる。
「私の願いは叶った、というわけですかね。」
アルドは肩をすくめた。
「まぁ、そういうことだ。」
ロビンは満足そうに頷く。
「やはりそうでしたか。」
「?」
アルドが首を傾げる。
「何がだ?」
ロビンは微笑んだ。
「以前、城の近くで貴方を見かけたことがありまして。」
「その時から、もしかすると……とは思っていました。」
アルドは額に手を当てる。
「……モロバレじゃねぇか。」
「案外、隠密向いてないのか俺。」
そんな独り言を漏らした、その時だった。
ロビンは勢いよく立ち上がる。
「女神様ぁぁぁ!」
一直線にセレスティアへ駆け寄る。
「頼んでいたこと、ちゃんとやってくださったんですね!」
セレスティアは一歩下がる。
「……近寄らないでくれる?」
笑顔だった。
だが目は笑っていない。
ロビンは全く気にしない。
「そんなこと言わないでくださいよ!」
「私は女神様のことなら何でも知っているつもりなんですから!」
「昔のお姿も!」
「趣味も!」
「好きな食べ物も!」
「寝相まで!」
「……」
セレスティアの額に青筋が浮かぶ。
「死ね。」
一言だった。
ロビンは両手を広げる。
「照れなくてもいいじゃないですか!」
「死ね。」
「もっと仲良くしましょうよ!」
「死ね。」
「女神様ぁぁぁ!」
「近づくなぁぁぁぁ!!」
セレスティアは本気で逃げ始めた。
ロビンは満面の笑みで追いかける。
玉座の間をぐるぐると走り回る二人。
「待ってくださいよ!」
「来るな!」
「お話しましょう!」
「嫌ぁぁぁ!!」
アルドはその様子をぼんやり眺める。
数秒。
そして小さく呟いた。
「……そういう理由ね。」
さっきまでの説明だけでは分からなかったが、ようやく理解した。
(脅されてたんじゃなくて。)
(単純に、この距離感が嫌だっただけか。)
アルドは深くため息をつく。
「おい、ロビンフット。」
返事はない。
「色々聞きたいことがあるんだが。」
「女神様ぁぁぁ!」
「いやぁぁぁ!」
アルドは天井を見上げた。
「……思ってたんとちゃう。」
静かな玉座の間には、ロビンの歓声とセレスティアの悲鳴だけが、いつまでも響き渡っていた。
#SF
チタコロ
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ばたっちゅ
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コメント
1件
ああ、楽しかったです! 目を覚ましたロビンがまさかの女神様ストーカーで、セレスティアが本気で逃げ回るギャグ回になるとは思いませんでした(笑)「♡♡♡」の連発と満面の笑みで追いかける構図が面白くて、アルドの「思ってたんとちゃう」に思わず声出して笑いました。重い展開が続いた後の、この緩急が本当に心地よかったです!