テラーノベル
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静かな、静かな密室
そこに一人の少女は隔離される
「…」
何日、何時間…いや、それどころでは無い
何年かは、この密室にいた気がする
1面真っ白で、無機質で、部屋の両隣から聞こえるまるで呻き声のような、まるで壊れた機械のような音が、少女に生きているという感覚を植え付ける
外界と絶たれた白い部屋
少女は次第に動き回ることすらやめてしまった
壁を叩いても、助けを求めようと両隣に向けて叫んでも、それには誰も気が付くことがなかった
娯楽一つ存在しないこの部屋で、少女はずっと硬い床に寝転がり、思考だけをし続けていた
あの夢の結末を変えられていれば
あの日の事件で行方不明となった親友に
出会っていなければ
自身が苦しかったにも関わらず、他人の苦しみに、過剰に共感していなかったら
あの夜に、魅せられていなかったら
あの事件で、得られたものはなんだったのか_
白い部屋に閉じ込められる前の、最後の記憶をずっと_
「…」
「娘は…娘は、助かったんですか…?」
静かに眠る1人の少女を見て、少女の母は涙を溜めながら医者に聞く
医者は険しい顔で
「手術は成功しました、命に別状はありません」
「ですが…」
医者の言葉に、母の震えは強くなる
「…娘さんの脳の損傷が深刻であり、現代の医療では_非常に申し訳ないのですが、意識を取り戻させてあげられる事が不可能です。」
「…う、そ_」
「_娘さんを大事に思っているのであれば、声を、かけてあげてください」
「…もちろんです、先生」
「この子は、たった一人の、私の娘です」
「私は、この子の為ならば…………」
「_!██たu…」
「…」
「また呻き声…気持ち、悪い」
「████ぁぉ…█ぇ…」
「…」
「いい加減…いい加減殺してよ_」
【死向少女は眠れない。】
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