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私はメリナ。ある時、私は死んだ。間違いなく、死んだのよ。
メリナは黒いような、何もないような空間で目を覚ましました。
中央にはテーブル、11席の椅子が周りを囲むように置かれてあり、木でできた長椅子です。
その内9席に誰かが座っています。
メリナはただ何も思わずそこまで数歩歩きました。
メリナ「ここは、まるで」
言い掛けると、その9席に座っている人達はメリナの方を一斉に向いてみんなは口々にあらゆることを言いました。
聞き取りづらく、驚きに溢れたような声をその内1人が言いました。
ルビヒカ「おわ!本当に魔女が1人入ってきたよぉ!?」
メリナ「え?えぇぇ、」
メリナは困惑するように答える。
テルシャナ「ここは死んだ魔女が集まる謎の…」
ニムルカ「ひょ~きぃたねぇ。新しい魔女」
テルシャナ「ごら。ニムルカ!言葉被せんじゃねぇ」
クグン・メレン「はいはい。じゃあ先に整理しますよ。では困惑しているでしょうから、まずは3つの質問にお答えくださいな」
空席に座れとでもいうように指差す
メリナ「え、ええ、」
メリナはすっと大人しく席に座る。
クグン・メレン「あなたのお名前。出身。お亡くなりになった経緯をお話しくださいな」
メリナ「ふぅ、」
落ち着かせるように息を吐く。
メリナ「私の名前はメリナ。出身はバキシア。戦争に参加して、亡くなったわ。」
クグン・メレン「ふふっ。十分です。ではそれぞれ名乗らせて頂きますわ。私の名前はクグン・メレン。メレンとお呼びくださいな」
ニムルカ「自分はニム…」
キャスティーヌ「キャスは。キャスティーヌなのです」
ニムルカ「自分はニムルカ!」
ルビヒカ「ルビヒカだよ♩」
アンテリウネ「私はアンテリウネだからね」
ファマロン「僕はファマロンだよ」
ヘルモルノン「自分はヘルモルノンでいいからね」
マチタル・ヘムン「私はヘムンと言います。」
テルシャナ「私の名前はテルシャナです」
メレン「でーは説明させて頂きます。今日はベルマアネがお休みですわ」
メリナ「えっと、ここは何ですか?」
メレン「ここは私達にも分からないのです。ですが、共通して魔女と呼ばれた者のみがここにおりますわ。」
メリナ「えっと、そうなんですね」
メレン「私はまとめ役でリーダーなのです。分からないことがあればお聞きくださいな」
メリナに向かって優しく微笑む。
メリナ「ここから出られるんですか?」
メレン「ここは闇です。お2人の魔女が出ようと試みましたが戻ってきた事例はございませんわ」
メリナはそれを聞き、椅子や魔女達を見てなぜはっきり見えるのか疑問に感じ、目をぱちくりさせる
メレン「ふふっ。幻覚では無いのですよ?」
メリナ「あっいえ、光源が無いのに良く見えるなーって」
メレン「あー。私としたことが忘れていましたわ。そうですの。私達も原理は分かりませんわ」
メリナ「魔法、とか?」
メレン「違いますの。魔力が感じられないのはお分かりでしょう?」
メリナ「カゴモスルサ」
メリナは机に手をかざし、詠唱する。
メレン「ふふふっ。詠唱するのですのね?魔力が感じられなくても出たがるその姿がお可愛いですわぁ」
メリナ「はぁ、、。はい。そうですね。お休みっていうことについて教えてください」
メレン「お休みは、そうですわね、まずここの闇の空間では休みたいと願えば闇の下に行けますの。それも無限の空間ですのよ?」
メレン「休みたいと願えば体を闇が引きずり込み、以前に住んでいた安心できる場所を再現してくださるの。」
メリナ「はあ、」
メレン「ではお休みですの」
そういうとメレンの体は闇となりドロドロとした液体のように消えた。
そして次の瞬間にまた同じ場所に現れる。
メリナ「なるほど、見たことのない魔法ですね」
メレン「これは魔法では無いのですのよ?といっても私達にも分かりませんの」
メレン「まずはお休みになってくださいな」
メリナ「あっはい、えっと、力を抜いてリラックス、?」
メリナは力を抜きリラックスしたいと願った瞬間に視界が変わり、生前住んでいた家の中が目の前に広がる
メリナ「匂いも同じ、ここは私の家だ、」
慌てて玄関扉を開けようとするが全く開かない。
メリナ「そんな、窓の景色もこんなに明るいのに、はぁ、よし。私は死んだのね、」
メリナは生前のことを思い浮かべながらベッドに横になる。
メリナ(どうすればいい…)
メリナ(はぁ、)
メリナ「知らないことだらけ、理屈なんてゼロね、感覚はあるのに痛まない、全くおかしいわね」
メリナは目を閉じ、しばらくしてまた目を開ける。
メリナ「ちょっと眠っちゃったかな、」
体を起こしもう一度質問をしたいと思った瞬間闇の空間に戻る。
メレン「あら。おかえりなさい。お疲れでは無いこと?」
メリナは周りを見渡すがメレンしかいない。
メレン「ふふっ。あなたがお休みになられている間に解散して皆様は各々自由にお休みになられましたのよ?」
メリナ「じゃあみんな休むのは頻繁なんですか?」
メレン「半分以下の人数までお休みになられたらつられて皆様お休みになるのですわ」
メリナ「そうなんですね、」
メレン「何より孤独なものですの。ですから他の魔女と話したくなる気持ちは当たり前のように芽生えますのよ?」
メリナ「はい。今度、また話してみます」
メレン「よろしいですわ」
メリナに向かって微笑む。
メレン「それはそうと。ベルマアネー?起きなさい」
端っこでうつ伏せになったベルマアネが起き上がり、憂鬱そうに顔を上げる。
ベルマアネ「眠かったんだよー、えっとベルマアネ。俺の名前は何でもいいよ。まじで」
ベルマアネ「ごめん名前なんだっけ」
メリナ「あっ私の名前はメリナ」
ベルマアネ「よろしくなー?メリナー、」
メリナ「うん、よろしく、?」
メレン「これで全員の紹介が終わりましたわ。私もお休みになるので、あとはお楽しみくださいな。」
メレン「ここではっちゃけても誰も見てはいないのですの」
メレンは口先の前に人差し指を立てる。
メレンの体がドロドロになり、地面の闇に消える
メリナ「ん?えっ?ええ?!あっそのっ」
メリナは慌ててベルマアネの方を向く。
ベルマアネ「まあ、あいつはいつもあんな考え方だから気にすんなよ。」
ベルマアネ「同じ日常を過ごし飽きたら表で互いにしたりとかあるからよ」
ニムルカがお休みから出てくる。
ニムルカ「ひゃー!せいっこう!やっぱり時間感覚冴えてるねぇー自分」
ニムルカ「よっニムルカだよ。メリナでしょ~?覚えてるよー」
ニムルカ「君と~深く知り合いたいな~って。だってみんなのこと知ってるし」
ベルマアネ「あっじゃあごめん。休むわ、」
ベルマアネの体がドロドロになり闇へと消える
ニムルカ「ベルマアネと何話してたの?」
メリナ「えっと、お互いの名前しか」
ニムルカ「あちゃー勿体なかったなぁ。もう少し会話させとくんだったぁっ、自分の時間感覚が仇になっちゃったかぁ、」
ニムルカ「それはそうとして、君の出身地はどこだっけ」
メリナ「バキシア、?」
ニムルカ「うーん、聞き覚えがあるような無いような気がするんだよぉ、確か戦争だったよね?なんで?」
メリナ「元々バキシアはマハカトと冷戦状態だったの、そこでバキシアはいきなり仕掛けようと兵を集めて私も…」
ニムルカ「はいはいはーい。なるほどねぇ。どっちも聞いたことあったよー。
ニムルカ「今は戦争になってんだね」
ニムルカ「時代はー?」
テルシャナがお休みから出てくる。
ニムルカ「あっテルシャナ」
テルシャナ「どうも」
テルシャナ「ニムルカが来てる予感がしたので」
ニムルカ「んで時代は?」
テルシャナは後ろでそれ以上力を入れる筋肉が無いほどバッキバキにニムルカを睨む。
メリナ「あっ、え?」
メリナ(いいの?あれ、怒ってるけど、)
メリナ「1534年です」
ニムルカ「まあまあ近いかなぁー。自分ねぇ、この魔女達の中で一番最後に死んだからさ。時代は1460?まあそんくらいよ」
テルシャナ「メリナさんは特技とかありますか?」
メリナ「私は戦争に入る前は趣味としてたくさんの服やドレスとか色々着るの好きでした、作ったりできる程器用じゃないんですけどね、」
テルシャナ「ああっ!いい趣味じゃないですか!キャスティーヌさんも服を作ったりするんですよ!絶対気が合いますよ」
メリナ「あっ良かったです」
テルシャナ「キャスティーヌさん、服を作って渡してくれるんですよ」
メリナ「えっと服はどうやって?表で作るんですか?」
テルシャナ「あっえっとですね、お休み中の中で服を作って表で渡してくれる感じですね」
メリナ「なるほど、じゃあ洗濯は、?」
テルシャナ「実は不思議なことにずっと着て過ごしても臭わないんですよ」
メリナ「でもそれって汚いんじゃ」
テルシャナ「空腹になったり老いることも無いみたいなので、多分大丈夫だと思います!」
メリナ「老いることも、」
メリナは言葉を抜粋し考え込む。
メリナ「で、でも血液の循環とか、こうして動い…」
ニムルカ「そうそう!まあおかしな空間だよねー。」
テルシャナ「ごらぁ!ニムルカぁ!話しに割って入るんじゃねぇよ」
ニムルカ「はぁ、、、ふっ、」
同時にルビヒカがお休みから出てくる。
ルビヒカ「やっほーん♩11人目の魔女!メリナちゃん♩!」
メリナにぐいぐいと近寄る。
メリナ「あっやほっ」
メリナ(ち、近いっ)
テルシャナ「おっ。ルビヒカさんは優しい魔女さんで何でも親切に教えてくれますよ。メリナさん」
ルビヒカ「あぁっそういえばテルシャナちゃんとニムルカくんもいるねぇ」
テルシャナ「はい。ルビヒカさんが来たなら後は安心できます。では、また会いましょう。メリナさん」
テルシャナは軽く手を振ってドロドロと闇の中に入る
それにメリナは手を振り返す。
ルビヒカ「テルシャナは定期的に表に出てくるからおかげで寂しくはならないよ♩」
メリナ「は、はあ、ちょっと、近くないですか?」
メリナ(息が顔に、)
ルビヒカ「ん?ああごめんね、。謝るよ」
ルビヒカはメリナの前から1歩下がる。
ルビヒカ「改めて私の自己紹介が必要だね。私はルビヒカ。7番目の魔女だよ♩」
メリナ「あっ私はメリ…」
ルビヒカ「メリナちゃんでしょ♩出身地はバキシア?戦争に参加したんでしょー?もう!可哀想なんだから!」
急にメリナの頬を両手で挟み込み、揉み込むようにムニムニする。
メリナ「ち、ちょっ、あのっ」
ルビヒカはメリナに力を込めるように抱き締める。
ルビヒカ「今までお疲れ様、メリナちゃん」
ルビヒカはメリナを放す。
メリナ「あっ、えっ?はい、」
ルビヒカ「案内するよ!何知りたーい?」
メリナ「えっと、じゃあここでも死ぬとどうなるかな、?とか」
ルビヒカ「うーん、まずはねぇ死ねないんだよぉ。これが不思議でねーちょっと見ててね」
ルビヒカは親指の先を歯で噛みちぎる。
闇のドロドロとした物が親指の先を覆う。
ルビヒカ「ちょっと待ってよー」
闇のドロドロした物が体内に吸い込まれるように消え、指先の傷が無くなっている
ルビヒカ「不思議でしょ♩?これが死なない理由だよ。他に何かある?このルビヒカに答えられない物はー…」
ヘムンがお休みから出てくる。
ヘムン「あっ、ごめんなさい、、」
ニムルカ「あっヘムン…」
ルビヒカ「あっ!ヘムン!来ーてーよぉ!」
ルビヒカはドロドロになりかけるヘムンの手を引っ張る。
ヘムン「え、ああ、ごめんなさい」
ヘムンは表に出てくる。
ルビヒカ「紹介するねーこの子はヘムンちゃん。」
ヘムン「やほ、えっと、、メリナ?ちゃんっ。ごめん…」
ヘムン(私はだって人の名前を覚えないマジでクソやろうなんだよ~…、!お願いだから名前合っててー!)
メリナ「うん。よろしく」
軽くヘムンに頭を下げる。
ルビヒカ「ヘムンちゃんは8番目の魔女だよ♩」
ルビヒカ「確かヘムンちゃんの出身地がメリナちゃんと同じとこだねぇ♩」
ヘムンは慌てるように軽く首を縦に振る。
ヘムン「よろしくね…」
メリナ「私は1534年に死んだわ」
メリナはヘムンを見る。
ヘムン「私はせんごひゃ、?く年に死にました、ね」
ヘムン(あぁぁ!1500年経たない内に死んだっていう感じに覚えていたのに言えなかったぁ、!うわぁぁ、変な感じに言っちゃったし、)
メリナ「34年間、ヘムンちゃんもバキシアなんだよね?」
ヘムン「う、うんそうだよ」
ルビヒカ「そうそう!ヘムンちゃんは不治の病でねー?どんどん衰弱していくっていう、」
ルビヒカ「聞きたいことが無いなら私はもうお休みするけどー、ヘムンちゃんとメリナちゃんはどうするの?」
ヘムン「私はもう少しここにいますっ、」
メリナ「私も他の魔女が来るまでここにいます」
ルビヒカ「あっ聞きたいことは無いのね?」
ルビヒカ「私はむしろ眠たくなってきちゃったし、」
ルビヒカはドロドロになり、地面の闇に消える
ニムルカ「やっほーヘムン」
ニムルカはヘムンの手を握る。
ヘムン「あっやほ、ニムルカくん、ごめんね」
ヘムンは手を握り返し、ニムルカは優しく微笑む。
メリナ(そこ仲良いんだ)
ニムルカ「自分もそろそろ戻ろうかな。メリナについても知れたし、またね」
メリナに手を振り、ヘムンの頬に頬を軽く擦り合わせドロドロと地面に消える。
ヘムンは最後までドロドロになり闇へと消えゆく手を握り続ける。
ヘムン「じゃあ、他の魔女が来るまで何か、時間を潰しましょうか?」
メリナ「そうですね、えっと、好きな食べ物は何ですか?」
ヘムン「へ?あー、甘いフルーツが好きです」
ヘムン「あっメリナちゃんはどんな食べ物が好きなんですか?」
メリナ「私は蜂蜜入りのパンとか、菓子なんかが好きですよ」
ヘムン「蜂蜜っ!甘くて美味しいですからね」
ヘムン(大声で反応しちゃったぁ!やばい、恥ずかしい、うるさく思われちゃったかな、いや、、ギリっ!大丈夫!だと思う!)
メリナ「はい。よく朝ごはんに食べていました」
ヘムン「私はたまに母親が蜂蜜をスプーンで私に食べさせてくれていました、」
ヘムンは少しの間、目を閉じる。
ヘムン「とても甘かったです」
メリナ「そうなんですね、。優しい母親なんですね」
ヘムン「…はい」
ヘムン「私の部屋に蜂蜜が入った瓶があるので言ってくださればお渡しします」
メリナ「いえ。まだとって置いてください」
ヘムン「あっ表に持ってきたらまた蜂蜜も再現されるのでずっと食べられますよ」
キャスティーヌがお休みから出てくる。
キャスティーヌは周りを見渡す。
キャスティーヌ「今はヘムンちゃんとメリナちゃんしか居ないみたいですね」
キャスティーヌ「今回は新しくメリナちゃんが入ってきたので新しい服を作ります」
メリナ「いえ、服なら既に着ていますし大丈夫です」
キャスティーヌ「まあまあみんなやってるのでやるのです」
キャスティーヌ「さあ腕を上げるのです」
メリナは両腕を上げる。
キャスティーヌはメリナに近寄り、ウエストを測る。
ヘムン(どんな姿になるんだろう、黒い服が多かったから、ちょっと気になる)
キャスティーヌ「今回は表にいる時の服を作るのです」
他のところを測る。
メリナ「表?」
キャスティーヌは真剣な表情で計る。
ヘムン「そうなんです。表にいる時はみんな黒に近い服を着るっていうちょっとしたルールがあるんです」
メリナ「なるほど、」
メリナ(外出用の服みたいな、)
キャスティーヌ「終わったのです」
メリナ「あっ。ありがとうございます」
キャスティーヌ「はい。では作り終わるまでは私服で大丈夫ですので」
キャスティーヌ「早速作業に入りますねー。じゃあ行ってくるのです」
キャスティーヌは軽く手を振ってドロドロと地面の闇に消える。
ヘムン「用事はこれだけみたいですね」
ヘムン「疲れたらいつでも休憩していいですからねメリナちゃん」
メリナ「うん。じゃあそうしようかな、まだ慣れないし、」
ヘムン「うん!それがいいよ。」
ヘムン「あっそれと、メリナちゃんがお休み中は誰も呼びに行けないから定期的に顔を出した方がいいかも」
メリナ「分かったわ。ありがとうヘムンちゃん」
ヘムンに向かって手を振り、ヘムンも手を振り返す。
ヘムン「お休みメリナちゃん」
メリナ「うん。おやすみ」
ヘムン(あっ、名前呼び過ぎたかな、)
メリナはドロドロと地面の闇に消える。
メリナは自分の部屋を見渡す。
メリナ「やっぱり私の家、」
メリナ「これからどうしよう、」
メリナは疲れたようにため息を吐く。
メリナ「私は戦争で死んだのだから、それだけだわ」
メリナはベッドに倒れ込む。
メリナ「はぁー、どうしよう、」
メリナはしばらく目を閉じる。
メリナ「んっ、また眠っちゃったみたい、戻らないと」
メリナは体を起こしてから闇の空間に戻り、周りを見渡すとヘムンとニムルカが手を繋ぎながら机に顔を伏せて眠っており、クグン・メレンが椅子に座っている。
メレン「メリナでしたのね。おかえりなさい。あと残り3人ですわ」
メリナの方を見る。
メリナ「え?3人?」
メリナ(何で挨拶をしてない残りの魔女のことを知ってるんだろう、みんなに聞いたのかな?)
メレン「何となく、お休み中に分かりましたの」
メレン「みんなとは仲良くなれましたの?」
メリナ「あっ、はい。」
メレン「そうですの。ヘムンはあなたが来るまでゆっくり待っていらしてましたわ」
メレン「服はもう少し待ってくださいな」
ベルマアネがお休みから出てくる。
ベルマアネは周囲を見渡す。
メレン「丁度ベルマアネが来ましたし、仲良くお話しでもしててくださいな」
ベルマアネはメリナの方を見て軽く手を振る。
メリナも咄嗟に手を振り返す。
メレン「お互いの出身地や好きな物を話し合うのはどうですの?」
メリナ「あっ、えっとじゃあ」
ベルマアネは再びメリナの方を向く。
メリナ「私は、甘いものが好きです」
ベルマアネ「俺の出身地はリーデンで、えっと、好きな物は美味しい料理とか。そんなに好き嫌いないけど、」
メリナ「なるほど」
メレン「今は別の名前になってますの」
メレン「バキシアと近いですのよ?だから、1度は行ったことがあるんじゃないですの?」
メリナ「あっいえ、ないです」
ベルマアネ「あーそっか、メリナは1534年に死んだから、多分、名前とか変わってる」
ベルマアネ「俺は死んだ年覚えてないけど、4番目の魔女だよ。よろしくー、」
ベルマアネはチラッとニムルカの方を見る。
メリナ「うん。よろしく、ベルマアネ」
ベルマアネ「じゃあ俺は寝…」
遮られるようにキャスティーヌが表から出てくる。
キャスティーヌはメリナを見つけたと同時に黒い服を抱えて目の前で服を広げ、サイズを確認する。
キャスティーヌ「出来たのです。お休み中にそれに着替えて表で確認して欲しいのです」
メリナに服を手渡し、メリナはそれを受け取る。
メリナ「あっ分かりました」
着替えるためにお休みに入り、少しして黒服姿になって表に出てくる。
キャスティーヌはメリナの周りを歩きながら確認する。
メレン「とても良くお似合いですわ」
ベルマアネ「似合ってるよー。本当に」
ベルマアネは頬杖を付きながら答える。
キャスティーヌ「大丈夫そうですね。他にも服を作ってくるのですっ」
キャスティーヌはお休みに戻る。
ふと、メリナがニムルカとヘムンの方を見るといつの間にか消えていたことに気付く。
メリナ(あっ起きたのかな)
その視線を辿るようにベルマアネもヘムンとニムルカが消えた場所を見てすぐに前を向く。
そしてしばらく沈黙が流れ。
沈黙の中でルビヒカが表に出てくる。
ルビヒカ「やっほーん♩ベルマアネちゃんとメリナちゃんにメレンちゃん♩3人いるねぇ。」
ベルマアネは顔を伏せ、それを見たルビヒカはニコニコしながら近寄り後ろから両脇をくすぐり、ベルマアネは顔を伏せたままに肩が震え、声が少し漏れる。
ベルマアネ「ぐっ…くふっ」
ルビヒカ「おっ!笑った♩」
メレンは微笑みながら様子を見ている。
メリナ(楽しそう)
指先でくすぐり続けルビヒカが楽しんでいるようにも見える。
ベルマアネ「やばっ…ちょっ…恥ずかしいしっ…」
ベルマアネはそう呟くと顔を伏せたままドロドロになり地面の闇に消える。
ルビヒカ「あっ逃げた」
ルビヒカはメリナの方を見てしばらく考え事をする。
ルビヒカ「ぷふっ…なるほどなるほど…」
メレンは隅で微笑む。
メリナ(ん?)
メリナ「あの、えっと…え?」
ルビヒカ「何でもないよー♩」
メレンは首を縦に振る。
ファマロンが表に出てくる。
ファマロン「結構寝たんだけど、どう?もう他の魔女たちと全員挨拶した?」
メリナ(あっ)
メレン「いいえ、まだですの」
メレン「メリナは2回のお休み中に何度もすれ違いがありましたの」
ファマロン「えっ?!嘘!えっとじゃあメリナに挨拶してないのは誰?」
メレン「アンテリウネとヘルモルノンとあなただけですの」
ファマロン「あー。じゃあ挨拶するね」
ファマロン「僕の名前はファマロン。出身地はバキシア、5番目の魔女だよ」
ファマロン「よろしく!」
メリナに握手を求めるように手を差し出す。
メリナ「え?あっはい」
メリナは手を差し出し、ファマロンはその手を優しく握る。
ファマロン「えっと名前は何だっけ」
メリナ「あっメリナです。バキシア出身で、1534年に死にました」
ファマロン「改めてよろしくね。メリナ」
メリナ「はいっ。どうも」
ファマロン「おーい。メレーン」
ファマロンはその場でメレンに向かって呼び掛ける。
メレン「なんですのー?」
ファマロン「テルシャナ来たー?」
メレン「もうすぐで来ると思いますのー」
メリナ(声が…近くで直接聞いたらいいのに、)
メリナ(そういえば前に「定期的に出てくる」ってルビヒカが言ってたっけ)
テルシャナが表に出てくる。
メリナ(あっ出てきた)
ファマロン「おっ噂をすれば」
テルシャナはメリナの服装が変わっていることに気付く。
ファマロン「テルシャナー?もうメリナと挨拶済ませたんでしょ?」
テルシャナ「ああ、はい。そうですよ」
テルシャナ「その服、着心地どうですか?」
メリナ「えっと、動きやすくて快適です、かね」
ファマロン「ああー」
メリナ「え?」
ファマロン「悪いっ」
メリナに謝るように手を合わせる。
ファマロン「表用の服に着替えてたの全然気付かなかったっ」
メリナ「ああ、気にしてないです、けど」
メレン「そういえば私も忘れていましたの」
メレン「縫い合わせの服ですので破れやすいですの」
メリナ「そうなんですね」
ルビヒカ「そうそう♩破れちゃってもキャスティーヌに言えばいいからね」
メリナ「はい。ありがとうございます」
テルシャナ「では、私はそろそろ戻ります」
ファマロン「えー、もう戻るの?さっき来たばっかりじゃん」
テルシャナ「ああ、確かにそうですね」
ファマロン「あっちで話そうよ」
テルシャナ「はい、じゃあ移動しましょう」
2人は少し離れたところに移動して話し合う。
メレン「私も眠くなってきましたの」
メレン「他に質問はありませんの?」
メリナ「あっはい。ないです」
メレン「そうですの、ではお休みですの」
メレンはドロドロになり、地面の闇に消える。
ルビヒカは1度テルシャナとファマロンの方を見て、メリナに近寄る。
ルビヒカ「ねぇねぇメリナちゃん」
メリナ「はい、」
ルビヒカ「メリナちゃんの家に食べ物ない?」
メリナ「食べ物ですか、?」
ルビヒカ「うん。」
メリナ「無いですけど」
ルビヒカ「うーん、分かった!ありがとねメリナちゃん」
ルビヒカ「アンテリウネちゃんのお休み場所が林檎の木の下だから」
ルビヒカ「もし林檎が欲しかったらお願いしてね♩」
メリナ「なるほど、分かりました」
ルビヒカ「うーん、私はそれだけかな、メリナちゃん。他に何か質問とかある?」
メリナ「いえ。大丈夫です」
ルビヒカ「はーい♩」
ルビヒカは手を振りながらドロドロになり、メリナも手を振り返し、ルビヒカは闇に消える。
メリナが2人の方を見ると、テルシャナとファマロンがドロドロになって、地面の闇に消える。
メリナが残り、音が消え、静寂に包まれる。
メリナ「はぁ、」
メリナ「1人ね、」
メリナは上を見上げ、闇を見つめる。
メリナ「変な感じ、」
メリナ「戦争で死ねたと思ったのに、」
メリナ「終わらない」
メリナ「ずっと」
メリナは立ち上がり、闇に向かってゆっくりと歩み寄る。
ただ何も思わずに。
それと同時にヘルモルノンが表に出てきて、メリナの腕を引っ張る。
ヘルモルノン「バカか?!」
ヘルモルノン「危ないだろ!」
メリナ「えっ。あっ」
メリナ「はい、ごめんなさい、」
ヘルモルノン「ふぅ、よし」
ヘルモルノン「本当に消えちゃうんだから」
ヘルモルノン「自分の名前はヘルモルノン。出身地はマハカト。9番目の魔女だよ」
ヘルモルノン「ヘルって呼んでいいからね」
メリナ「…はい」
ヘルモルノン「気にしなくていいんだよメリナ」
ヘルモルノン「メリナは今1人だけ?だもんね」
ヘルモルノン「何人の魔女と挨拶したの?」
メリナ「あなたで…10人目です」
ヘルモルノン「じゃあ最後の魔女が来るまで暇だし一緒に待とうよ」
ヘルモルノン「本当に、正直暇だったから」
ヘルモルノン「メリナがいてくれて良かったよ」
メリナ「…」
ヘルモルノンは席に座り、それに続くようにメリナも席に戻る。
ヘルモルノン「あっそうだ」
そういって1度闇に消え、両手に林檎を持って表に出てくる。
ヘルモルノン「一緒に食べようよ」
ヘルモルノン「アンテリウネからめっちゃ貰ってたから余ってる」
片方の林檎を手渡し、メリナはそれを受け取る。
メリナ「あっ、ありがとうございます」
林檎を調べるようにじっくり見る。
ヘルモルノン「ん?」
ヘルモルノン「その林檎綺麗だよ」
メリナ「あっすいません」
ヘルモルノン「うん」
ヘルモルノンは林檎を1口かじり、メリナも続くように1口かじる。
そうするとヘルモルノンは鼻で少し笑いながら微笑む。
メリナ(私何か変なことしたのかな、)
しばらく口の中で噛み続け。
ヘルモルノン「その林檎甘い?」
メリナ「えっと、ちょっと甘酸っぱいです」
メリナは口の中に残ってる欠片を頬に寄せながら答える。
ヘルモルノン「あーね。ちょっとハズレあるから」
2口目をかじった後にアンテリウネが表から出てくる。
ヘルモルノン「おー。丁度出てきた」
アンテリウネ「あれ?2人しかいないんだ」
ヘルモルノン「うん。アンが来るまで林檎2人で食べてたよ」
アンテリウネ「あー、。前に渡したのちょっと甘酸っぱいかも」
アンテリウネ「ごめんね」
ヘルモルノン「丁度メリナが当ててた」
ヘルモルノンはそう言いながら軽く笑う。
アンテリウネ「ああっ、ごめんね。メリナちゃん、」
メリナ「あっいえ、美味しいです」
アンテリウネ「あっ私はア…、」
アンテリウネ「良かった、美味しくて、」
アンテリウネ「私はアンテリウネ。出身地はマハカト。6番目の魔女だよ」
メリナ「はい」
アンテリウネ「よろしくね」
メリナ「あっはい」
自己紹介を終え、しばらく沈黙が続き、林檎をかじる音だけが響く。
ヘルモルノン「ちょっと待ってて」
そういって闇に消え、抱えきれないほどの本を持って出てきて、机の上に全部乗せる。
ヘルモルノン「2人共好きなの取っていって」
メリナ(神…?)
ヘルモルノン「なんか読もう」
アンテリウネ「いっぱい見たからなー、」
アンテリウネ「よし今回はこれにしようかな」
そういって本を1冊選び、メリナは文字が掠れた古そうな本を選ぶ。
空間の中ただただ本を捲る音だけが静かに鳴る。
しばらくして誰かが1冊の本を読み終える頃にヘルモルノンが疲れたように腕を伸ばす。
ヘルモルノン「んーっ、」
ヘルモルノン「本当に暇」
アンテリウネ「確かに暇だね、林檎いる?」
ヘルモルノン「まだいいかなぁー」
ヘルモルノン「メリナ?」
メリナは声に気付き、咄嗟に本を閉じてヘルモルノンの方を向く。
ヘルモルノン「自分眠りに行くけど、メリナも戻るー?」
メリナ「あっはい」
アンテリウネ「私は残っとくね」
ヘルモルノン「はーい。またねー」
ヘルモルノンは2人に手を振ってドロドロと地面の闇に消える。
アンテリウネ「ばいばい。メリナちゃん」
アンテリウネ「おやすみね」
アンテリウネはメリナに向かって手を振る。
メリナ「はい。おやすみなさい」
メリナは手を振り返しながら片手で本を持ってドロドロと地面の闇に消える。
メリナ「はぁ、」
本を見つめる。
メリナ「神の魔法、」
何も無い場所に手をかざす。
メリナ「グラカナリワ」
そう唱えると一瞬光が出て形を構築するがすぐに消える。
メリナ「はぁ、」
ふとヘルモルノンが腕を引っ張って自分が助けられたことを思い出し、ベッドでうつ伏せになる。
メリナ「酷い、」
メリナは目を閉じる。
しばらくしてメリナは目を開け、表に出てくる。
周りを見渡すと、キャスティーヌとヘルモルノンとベルマアネが椅子に座っている。
キャスティーヌがメリナに気付くとすぐに走り寄ってきて2枚の色鮮やかな服を渡してくる。
キャスティーヌ「出来たのです」
メリナは服を受け取る。
キャスティーヌ「プライベート空間の時に使ってください」
メリナ「ありがとうございます、」
ヘルモルノンはメリナに向かって軽く手を振り、メリナは手を振り返す。
ベルマアネはメリナに向かって軽く手を上げる。
キャスティーヌ「やっと渡す事ができました。」
キャスティーヌ「ではキャスはしばらく眠ります、」
そういってキャスティーヌはヘルモルノンとベルマアネに手を振ってドロドロと闇の地面に消える。
ヘルモルノン「やほ。メリナ」
メリナ「はい」
ヘルモルノン「起きたばっかり?」
メリナ「はい。そうです」
メリナ「ついさっき」
ヘルモルノン「ふーん」
ヘルモルノン「ちなみに自分は少し前に起きたよ」
ヘルモルノン「丁度メリナが来る前にメレンが消えたところ」
ヘルモルノン「ベルはずっといた?」
ベルマアネ「あ?俺は…メレンと同じくーらい居たよ」
ベルマアネ「キャスティーヌもずっと居たし」
ヘルモルノン「あー」
ヘルモルノン「メリナが来るまで待ってたんだ」
ヘルモルノン「ずっと服抱えてたから」
ヘルモルノン「…」
ヘルモルノンは背中を伸ばす。
ヘルモルノン「んーっ」
ヘルモルノン「そういえば全員に挨拶終わった?」
メリナの方を向きながら。
メリナ「はい」
メリナ「あー。アンテリウネさんが最後でした」
ヘルモルノン「あっ!そうだそうだった」
ヘルモルノン「最後アンテリウネか」
ヘルモルノン「じゃあ全員と挨拶終わったってことか」
メリナ「はい」
ベルマアネ「あー、そうなんだ」
ベルマアネ「じゃあー、」
ベルマアネ「次は自己紹介の練習かな」
メリナ「え?ああ、」
メリナ(あれ練習してたんだ)
ヘルモルノン「あーそうか、」
ヘルモルノン「えっとね」
ヘルモルノン「メレンが定期的に自己紹介の練習とかさせてくるから」
ヘルモルノン「じゃあタイミング惜しかったなー、」
ベルマアネ「あー」
メリナ「なるほど、」
メリナ「惜しい」
ベルマアネ「うん」
ヘルモルノン「うん」
ヘルモルノン「まあ大丈夫だよ」
ヘルモルノン「後でやろ」
ヘルモルノン「みんなやってるから」
ベルマアネは横で頷き、テルシャナが表に出てくる。
ヘルモルノン「おーっ。テルが来た」
ヘルモルノン「テルー?」
テルシャナ「はーい」
ヘルモルノン「ヘムンから貰った蜂蜜まだあるー?」
メリナ(そんなに仲良いんだ)
テルシャナ「はい。まだありますよ」
テルシャナ「今から持ってきますね」
そういってテルシャナはドロドロと消え、蜂蜜入りの瓶を持って戻ってくる。
蜂蜜入りの瓶を机に置いたと同時にヘルモルノンは4つの林檎を抱えて持ってくる。
ヘルモルノン「よし!」
それぞれ1人1個ずつ手渡しで林檎を配る。
ベルマアネ「おっ…恒例の」
ヘルモルノン「あれ?まだ服持ってたの?」
メリナ「あっ、」
メリナの膝の上に置かれた服を見ながら。
ヘルモルノン「動きづらくなるから収めてきなよ」
メリナ「あー確かに、分かりました。じゃあ置いて来ます」
メリナは1度服を家に置いてから戻ってくる。
ヘルモルノン「よし!」
ヘルモルノン「じゃあみんな蜂蜜かけよー」
それぞれ林檎に蜂蜜をかけ、机に垂れた蜂蜜がドロドロと闇に吸い込まれるように消える。
メリナ(凄く甘そう)
テルシャナ「あっ。食べた後口周りがベタベタするので気を付けてくださいね。メリナさん」
メリナ「え?はい」
メリナ「分かりました」
ヘルモルノン「闇の空間の中でここに来て長い人ほど蜂蜜のベタベタが消えるんだよ」
メリナ「え?あっ、はい、なるほど」
ベルマアネ「あー…、気にしちゃダメだよ」
テルシャナ「確かにメリナさんは気を付けて食べた方がいいですね」
ヘルモルノン「自分9番目だからベタベタなんだよね」
そういいながら蜂蜜を塗りたくる。
メリナ「テルシャナさんは何番でしたっけ」
テルシャナ「あっ私は3番目ですからすぐにベタベタが消えますよ」
ヘルモルノンはその会話の中で黙々と林檎を食べる。
テルシャナ「では、食べましょうか」
みんなは次々に林檎をかじる。
蜂蜜が林檎から机に垂れそうになり、メリナは手で防ごうとする。
ヘルモルノン「あっいいよメリナ。机に落ちたら吸収されるから」
メリナ「あ、すいません」
素早く手を引っ込め、垂れそうになる蜂蜜をさっと軽く舐めとる。
そして蜂蜜を塗ったところをかじる。
ヘルモルノン「蜂蜜をかけるとめっちゃ美味しくなるんだよねー」
テルシャナ「ですね」
ベルマアネはいつの間にか林檎をかじり尽くしている。
ベルマアネ「蜂蜜林檎ありがとう」
ベルマアネ「俺眠くなってきたから」
ヘルモルノン「うん。またねー」
ベルマアネはみんなに手を振ってドロドロと闇の地面に消える。
それに対してみんなも手を振り返す。
林檎をかじる音だけが静かに鳴り続ける。
しばらくしてニムルカが表に出てくる。
ニムルカ「ひょっ?よっし!当たったぁ!」
ニムルカ「今の自分冴えてるねぇ」
ヘルモルノン「よっ。ルカ」
ニムルカ「やっほ~メリナー」
ニムルカ「メリナにぃ~会いたくてさ~」
ニムルカ「両親は今どうしてるのー?」
ヘルモルノンは苦笑いしながら気まずそうに目を逸らす。
メリナ「、、お母さんは戦時中お父さんと避難してたのは知ってる」
メリナ「でもその後お父さんのことは、知らないの、」
ニムルカ「いなかった?」
メリナ「ずっと見てない、」
ニムルカ「じゃあお父さんの髪色とかー。覚えてる?」
メリナ「えっと、白髪だったわ」
ニムルカ「ふーん」
ニムルカ「他にはある~?」
メリナ「お父さんは、優しくて力持ちだった、」
ニムルカ「うんうん。他は?」
メリナ「えっと、整った顔をして、て。青い星と太陽の模様が入ってたわ」
メリナ「父親の生まれは知らないけど、お母さんは母国のバキシア生まれで戦争に巻き込まれて父親は…」
メリナ(守れなかった)
ニムルカ「はいはいはーい!メリナもそうなんだねぇ。私もそうだよ~」
ヘルモルノン「、、メリナ、。魔女みんなの父親が同じかもって」
メリナ「、は?」
ヘルモルノン「ごめんメリナ」
メリナ「、、、えっいや、、大丈……」
言葉が消えかかり、ニムルカが言葉を被せてくる。
ニムルカ「本当だよぉ!他の魔女の話だけど魔法で寿命を伸ばしてたって」
ニムルカ「メリナのお父さんはー?」
ニムルカ「あっあと名前はー?」
メリナ「、、、」
目が下を向いていき、空いた口が少しずつ閉じていく。
ニムルカ「メリナ~?お父さんの名前はー?歳はー?」
ニムルカ「おーい」
ニムルカ「メリナー。」
ニムルカは立ち上がってメリナに近寄る。
ヘルモルノン「メリナ、?大丈夫?」
ニムルカがメリナの目の前で手を振る。
メリナ(お父さんは裏切った)
メリナ(ほら、)
メリナ(やっぱりあの時)
メリナ(お母さんを置いて)
メリナ(逃げてっ)
メリナ(他に子供を作ってたの?ねぇ私は?なんで、)
メリナ(愛してるって)
メリナ(なんで)
メリナ「………なんで………」
ニムルカ「ん?メリナー?」
メリナ「…もう…」
メリナ「……あの時…」
メリナ「……お母さん………を、」
メリナ「見捨てた」
掠れたように声を出し、眉間にシワを寄せ。噛み殺すように歯を強く重ね、ポタポタと鳴り落ちた涙は徐々に音を増して更に涙が溢れ出てくる。
ヘルモルノン「メリナっ!」
メリナの肩を強く掴む。
ヘルモルノン「ごめん、もう、。大丈夫だから、」
メリナはドロドロとなり、抱きしめようとするヘルモルノンは涙をいくつも流しながら何度も一生懸命掴もうとする。
ヘルモルノン「メリ…!!」
最後の言葉も聞こえないままメリナは地面の闇に消える。
メリナはベッドに座りながら俯く。
まばたきをすると涙が頬を伝って床に1滴落ちる。
ふと窓の外を見ると町の景色が見える。
拳に力を入れ、立ち上がり、ゆっくりと窓まで歩み寄る。
窓の前に立ち、震える手で窓を強く叩く。
叩くごとにガラスの音が響き、さらに憎しみを歯で食い縛るように何度も窓を叩く。
そうするとしばらく俯いてベッドの上でうつ伏せになり、目を閉じて静かに眠る。
ながらくして目を開け、ゆっくりと立ち上がり表に出る。
周りを見ると全員の魔女が座っている。
みんながメリナに顔を向ける。
ヘルモルノン「メリナ、ごめん」
ヘルモルノン「大丈夫?」
メリナ「私は、、」
ニムルカ「、、、ごめんねメリナ」
メリナ「もういいの」
メリナ「全部、いっぱい、思い出した。」
そういって俯くように下を向く。
テルシャナ「メリナさん、」
メレンは目を細めて視線が下に下がる。
ヘムンは目を逸らさないように少し息苦しそうにメリナの目を見る。
アンテリウネ「メリナちゃん…」
アンテリウネは小さな声で呟く。
キャスティーヌ「メリナ…いいんです…」
ファマロンは察したように少し俯いている。
メリナ(私が被害者みたい)
メリナ(、、、)
メリナ(そうよね、)
メリナ(私、もう消えたいの)
メリナ「大丈夫…」
ルビヒカ「メリナちゃん、?」
キャスティーヌ「メリナちゃん?」
ヘルモルノン「メリナ…」
メレン「また、…ですの……」
メレン「メリナさん。」
メリナは立ち上がり、闇に向かって淡々とあまり力を入れず、歩いていく。
ヘルモルノン「メリナ!待って!」
ルビヒカとヘルモルノンがメリナの手を掴む。
ベルマアネは即座に席を立ち、苦そうな顔をしながらメリナの元に走り寄ろうとする。
ヘムン「メリナちゃんっ」
アンテリウネ「メリナちゃん、」
ニムルカ「待って!違うのメリナ!」
テルシャナ「メリナさん、?メリナさん!」
テルシャナも近寄ろうと立ち上がる。
キャスティーヌ「メリナちゃんっ」
ファマロン「メリナ…」
みんなのメリナを呼ぶ声が被る。
メリナは一瞬下を向いて手を振りほどき、闇に足を踏み入れ、そのまま闇の中に入り、メリナの視界が暗くなる。
メリナの内に魔力を感じる。
目を開ける。
メリナ「えっ、?なに?」
目の前の光景が信じられず、頬を伝う少しの涙を流す。
中央にはテーブル、11席の椅子が周りを囲むように置かれてあり、木でできた長椅子。その内9席に誰かが座っている。
メリナはただそこまで少し俯かせるように視線を下にしながら歩いて行く。
その9席に座っている人達はメリナの方を一斉に向き、みんなは口々にあらゆることを言った。聞き取りづらく、驚きに溢れたような声をその内1人が言う。
ルビヒカ「おわ!本当に魔女が1人入ってきたよぉ!?」
テルシャナ「ここは死んだ魔女が集まる謎の…」(ニムルカと言葉が被る)
ニムルカ「ひょ~きぃたねぇ。新しい魔女」
テルシャナ「ごら。ニムルカ!言葉被せんじゃねぇ」(ニムルカを睨む)
クグン・メレン「はいはい。じゃあ先に整理しますよ。では困惑しているでしょうから、まずは3つの質問にお答えくださいな」(空席に座れとでも言うように指差す)
メリナは驚きを隠せないようにじっとみんなを見回し、少しの沈黙の中くすっと笑う。
メリナ(私、戻ってきちゃったんだね)
メリナ(……やっぱり、そうだわ。あの…)
メレン「どうしましたの?」
微かに口角を上げたまま、静かに席に座る。
メレンは不思議そうな顔をしてメリナの顔を見る。
メレン「あなたのお名前。出身。お亡くなりになった経緯をお話しくださいな」
メリナ「バキシア出身で戦争に参加して亡くなったわ」
メリナ「私の名前はメリナ」
メレン「十分です。ではそれぞれ名乗らせて頂きますわ。私の名前はクグン・メレン。メレンとお呼びくださいな」
ニムルカ「自分はニム…」
キャスティーヌと声が被る
キャスティーヌ「キャスは。キャスティーヌなのです」
ニムルカ「自分はニムルカ!」
ルビヒカ「ルビヒカだよ♩」
アンテリウネ「私はアンテリウネだからね」
ファマロン「僕はファマロンだよ」
ヘルモルノン「自分はヘルモルノンでいいからね」
マチタル・ヘムン「私はヘムンと言います。」
テルシャナ「私の名前はテルシャナです」
メレン「では説明させて頂きます。今日はベルマアネがお休みですわ」
メリナ「はい」
メレン「ふふっ、凄く冷静ですのね」
メレン「共通して魔女と呼ばれた者のみがここにおりますわ」
メリナは穏やかな目で見る。
メレン「私はまとめ役でリーダーなのです。分からないことがあればお聞きくださいな」
メレンは優しく微笑む。
メリナ(たまにメレンさんは言葉がおかしい気がする)
メリナ(はは、)
メリナ(私凄く冷静だわ)
メレン「この空間について疑問をお持ちでしょうから説明しますわ」
メリナ(みんな、やっぱり人間なんだ)
メレン「ここは闇です。お2人の魔女が出ようと試みましたが戻ってきた事例はございませんわ」
メレン「他に気になることはありませんの?」
メリナ「いえ何も」
メレン「なるほど…」
メレン「そうですの、」
メレン「1人になりたい時は休みたいと願ってみてくださいな」
メリナ「分かりました」
メレン「では解散ですの。お休みですわ」
各々すぐにお休みに入り、メリナは1人になる。
メリナは机の上で前を向いたままうつ伏せになる。
メリナ「はぁ」
メリナ「よし。もういいや」
メリナはお休みに入る。
ベッドに寝転がる。
メリナ「あ、私服だ」
メリナ「黒い服じゃない」
メリナ「またキャスティーヌさんから渡されちゃうわね」
メリナは少し微笑む。
部屋の天井を眺め、しばらくして目を閉じる。
またしばらくして目を開け、表に出てくる。
メレンを見た後にベルマアネがうつ伏せになっていることを確認する。
メレンはメリナの視線を追うように見る。
メレン「おはようですの。メリナさん」
メレン「それと。ベルマアネー?起きなさい」
端っこでうつ伏せになったベルマアネが起き上がり、憂鬱そうに顔を上げる。
ベルマアネ「あ…」
ベルマアネ「ん…?眠かったんだよー、えっとベルマアネ。俺の名前はなんでもいいよ。まじで」
ベルマアネ「ごめん名前なんだっけ」
メリナ「私の名前はメリナ」
ベルマアネ「よろしくなー?メリナー、」
メリナ「はい。よろしくお願いします。」
メリナ「お言葉に甘えさせてもらいます。ベルさん」
ベルマアネは目を見開いてメリナを見上げる。
メレンは握った手を口先に持ってきて隠すように微笑む。
ベルマアネ「まじかー…」
メレン「そんな風に呼ぶのはヘルモルノン以来初めてですわ」
ベルマアネ「うん。そうなんだよ」
メリナ「はい」
メリナは再び微笑む。
ベルマアネ「本当にびっくりした、」
メレン「そうですわね」
メレン「知っているみたいに…」
メレンは小声で呟く。
メレン「さて、これで全員の紹介が終わりましたわ。自由に会話しててくださいな」
メレンの体がドロドロになり、闇の地面に消える。
ベルマアネ「あー、メリナの出身地どこだっけ?」
メリナ「私の出身はバキシアです」
ベルマアネ「おっ。俺の出身地はリーデンっていう都市で、バキシアと近いとこなんだけど」
メリナ「行ったことはないですけど、確か今は名前が違いますよね」
ベルマアネ「そうそう。俺の生きてた時じゃないんだけどねぇ、死んだ年…」
ベルマアネ「そういえば死んだ年はいつ?」
メリナ「1534年です」
ベルマアネ「あれ、?ああ、そう。死んだ年俺覚えてなくてさ、」
ベルマアネ「他の魔女から名前が変わったの聞いたんだけどね」
メリナ「そうなんですね」
ベルマアネ「うん」
ベルマアネ「好きな…」
偶然言葉が遮られるようにニムルカがお休みから出てくる。
ニムルカ「ひゃー!せいっこう!やっぱり時間感覚冴えてるねぇー自分」
ニムルカ「よっニムルカだよ。メリナでしょ~?覚えてるよー」
ニムルカ「君と~深く知り合いたいな~って。だってみんなのこと知ってるし」
ベルマアネ「あっじゃあごめん。休むわ、メリナ、」
ベルマアネはそういうと体がドロドロになりメリナに軽く手を振り闇に消え、メリナは手を振り返す。
ニムルカ「ベルマアネと何話してたの?」
メリナ「ん?別に何も話してないわよ」
ニムルカ「ふーん、」
ニムルカ「そうなんだ」
ニムルカ「君の出身地はどこだっけ」
メリナ「バキシアよ」
ニムルカ「うーん、確か戦争だったよね?どうして?」
メリナ「冷戦状態なのは知ってる」
ニムルカ「ふーん、時代はー?」
メリナ「何の?」
ニムルカ「死んだ年のだよっ!」
ニムルカは食い気味に返す。
メリナ「1534年よ」
テルシャナがお休みから出てくる。
ニムルカ「あっテルシャナ」
テルシャナ「どうも」
テルシャナ「ニムルカが来てる予感がしたので。」
ニムルカはメリナに話し続ける。
ニムルカ「この魔女達の中で一番最後に死んだんだよ。時代は1400?大体そんくらいよ」
テルシャナは後ろでニムルカをバッキバキに睨んでいる。
メリナはテルシャナの睨んでいる姿を見て、そのシュールさに思わず吹き出す。
メリナ「ぐっっ。はっはっ」
お腹を抱え込みながら手で口を覆い隠そうとする仕草のまま笑う。
メリナ「ふふっ、ごめんっ。」
メリナ「ごめんなさいっ。ふふっ」
メリナは呼吸を整えようとする。
ニムルカ「でしょ?テルシャナ面白いでしょー」
テルシャナ「ニムルカのせいだろうが」
テルシャナは睨みながらニムルカの肩を掴む。
ニムルカはテルシャナの方を振り向く。
ニムルカ「えー、、、ふっ、」
ニムルカ「はぁ、やっぱ面白いわー」
テルシャナ「こちらこそ取り乱してごめんなさい。メリナさん」
メリナ「はい。もう大丈夫です」
テルシャナ「メリナさんは何か好きなことってありますか?」
メリナ「あー、色んな服を着てみたりですかね」
テルシャナ「ああっ!おしゃれで良いじゃないですか!キャスティーヌさんも服を作ったりするんですよ!」
メリナ「なるほど」
テルシャナ「キャスティーヌさんと気が合いますよ!」
メリナ「確かに。気が合いそうですね」
テルシャナ「はい!」
テルシャナ「服は作って持ってきてくれますよ!」
テルシャナ「あっ先にメジャーで測らないとですね」
テルシャナ「キャスティーヌさんも会いたがってますよ」
テルシャナ「服を作るのが大好きですから」
メリナ「そうなんですね」
テルシャナ「良ければ一緒に待ちますか?」
メリナ「あっ、ありがとうございます」
テルシャナ「はい!こちらこそありがとうございます」
しばらく沈黙が続き、ルビヒカがお休みから出てくる。
ルビヒカ「やっほーん♩11人目の魔女!メリナちゃん♩」
メリナにぐいぐい近寄る
メリナ(相変わらず近い!)
メリナ「あの、近くないですか?」
ルビヒカ「ああ、ごめんね」
ルビヒカは1歩下がる。
テルシャナ「ルビヒカさんは親切に何でも教えてくれますからね。メリナさん」
ルビヒカ「あぁっそういえばテルシャナちゃんとニムルカくんもいるねぇ」
テルシャナ「はい。メリナさんと一緒にキャスティーヌさんを待っているところなんです。」
ルビヒカ「あぁそうか。黒い服じゃないもんね♩」
ルビヒカ「じゃあ私も一緒に待つよ♩」
ルビヒカ「あっ。改めて私の自己紹介が必要だね。私はルビヒカ。7番目の魔女だよ♩」
メリナの目に涙が溜まってくる。
メリナ「はい。よろしくお願いします」
ルビヒカ「うんうん♩よろしく!」
ルビヒカ「今までお疲れ様、メリナちゃん」
メリナ(やっぱり来た…)
メリナ(今は反則だってっ…)
メリナは微笑みながら服の袖で涙を拭き取る。
テルシャナ「メリナさん…」
ルビヒカはメリナを優しく抱き締める。
メリナ「待って…そんなこと…」
メリナ「いわれたら…」
メリナは掠れたような小声で呟く。
メリナ(私…頑張ったよ)
メリナはルビヒカの肩に顔を埋め、過呼吸になり嗚咽する。
メリナ(みんな優しいんだから…)
メリナ(本当にごめん…)
メリナ(ありがとう…本当に…)
メリナ(私のせいで…)
ルビヒカの肩にメリナの涙が滲み、ルビヒカは微笑みながらメリナの背中を優しく摩る。
メリナ(もう大丈夫だよ、)
メリナ(もう消えない…)
しばらくしてメリナは呼吸を落ち着かせ、鼻水を啜って顔を上げる。
ルビヒカ「よしよし」
メリナの頭をゆっくり撫でる。
メリナ(それっ、反則…っ)
ルビヒカ「お疲れだね。大丈夫」
次はルビヒカの胸に顔を埋め、ルビヒカは思わず笑みを増し、撫でる速度が少しだけ早くなる。
ルビヒカ「いいこいいこ」
メリナ「うん…」
メリナは少しして離れ、顔を上げる。
メリナ「あっ…」
メリナはすぐに涙や鼻水を拭い、そっぽを向く。
同時にヘムンがお休みから出てくる。
ヘムン「あっ、ごめんなさい、、」
ヘムンがお休みに戻ろうとする。
ニムルカ「あっヘムン…」
ルビヒカ「あっ!ヘムン!待ってよ!」
ルビヒカはドロドロになりかけるヘムンの手を引っ張る。
ヘムン「え、ああ、ごめんなさい」
ヘムンは表に出て、一瞬だけそっぽを向いたメリナを見る。
ルビヒカ「ヘムン!メリナだよ。挨拶大丈夫だから♩ほらほら!」
ヘムンの背中を押してメリナのところに行かせ、メリナはヘムンの方を振り向く。
ヘムン「あっ、やほっ…えっと…大丈夫?」
メリナは声がまだ震え、呼吸を急いで整える。
ヘムン「あっごめん…」
テルシャナ「ヘム…」
ルビヒカ「ヘムンちゃんは8番目の魔女だよ♩」
メリナ「よろしくね。ヘムンちゃん」
ヘムン「あっ!うんっよろしくっ」
ルビヒカ「えっと…確かヘムンちゃんの出身地がメリナちゃんと同じとこだねぇ♩」
ヘムン「うん、」
ヘムン「あっ、うんっ」
ヘムンは下唇を軽く噛み、視線が泳ぐ。
ルビヒカ「あっそうそう!ヘムンちゃんどんどん衰弱していくっていう不治の病だったの」
ヘムンはメリナの方を見る。
メリナ「寝たきり?」
ヘムン「あっ、うん。そうなの、寝たきりの私をお母さんはいつも付き添ってくれていました」
メリナ「優しい母親だね」
ヘムン「はい、」
ルビヒカ「ヘムンちゃーん」
ヘムン「えっはい」
ルビヒカ「キャスティーヌちゃんがメリナちゃんの服を測りにくるまで一緒に待つ?」
ヘムン「あっ分かりました」
ヘムン「一緒に待ちます」
ルビヒカ「オッケー♩」
ルビヒカ「うーん、」
ニムルカ「やっほーヘムン」
ニムルカはすぐにヘムンに近寄り手を握る。
ヘムン「あっ、や、やほ、ごめんねニムルカくん」
ヘムンも手を握り返し、ニムルカは優しく微笑む。
メリナ(戻るんだ)
ニムルカ「自分はそろそろ戻ろうかな。色々知れたし、またね」
ニムルカはメリナに軽く手を振りながらヘムンの頭を撫でてから、ドロドロと闇の地面に消える。
ヘムンは一瞬メリナの顔を見て、口角が少しずつ上がりながら視線を落とす。
ルビヒカ「おっ戻るんだ」
ルビヒカ「メリナは、一応他に聞きたいこととかは無い?」
メリナ「はい、特には」
メリナはちらっと涙や鼻水で濡れたルビヒカの肩を見る
ルビヒカ「大丈夫だよ♩ちゃんと消えるから♩」
ルビヒカ「そういえばメリナちゃんはこれについて説明された?」
濡れた箇所がルビヒカの肩から闇に吸い込まれるように消える。
ルビヒカ「おっ。ほら、消えたでしょ♩」
メリナ「はい。ありがとうございます、ルビヒカさん」
ルビヒカ「もちろん♩またいつでもいいよ♩」
テルシャナ「みんな助けてくれますからね。メリナさん」
テルシャナ「私も良ければ相談相手になりますから」
メリナ「はい」
メリナ「テルシャナさんもありがとうございます」
テルシャナ「はい!」
キャスティーヌがお休みから出てくる。
キャスティーヌは周りを見渡す。
ルビヒカ「おっ!キャスティーヌちゃん来たね♩」
キャスティーヌ「今は…4人居るみたいですね」
キャスティーヌ「今回は新しくメリナちゃんが入ってきたので新しい服を作ります」
メリナ「はい。お願いします」
メリナは両腕を上げる。
キャスティーヌはメリナに近寄り、ウエストを測る。
キャスティーヌ「今回は表にいる時の服を作るのです」
キャスティーヌは他のところを測る。
メリナ「なんで黒じゃないとダメなんですか?」
ルビヒカ「あー、そこ?!」
テルシャナ「確かメレンさんはまとめるためと説明していました」
ルビヒカ「うーん、そうだねぇ♩」
ルビヒカ「みんな優しいし」
メリナはヘムンの方を見る。
ヘムン「う…うん、私は統制みたいな感じだと思う、」
メリナ「なるほど」
キャスティーヌ「終わったのです」
メリナ「あっ、ありがとうございます」
キャスティーヌ「はい。では作り終わるまでは私服で大丈夫ですので」
キャスティーヌ「早速作業に入りますねー。じゃあ行ってくるのです」
キャスティーヌは周りに軽く手を振ってドロドロと闇の地面に消える。
ルビヒカ「あっ終わったね」
メリナ「はい」
ルビヒカ「私は…」
ルビヒカ「うーん、3人はどうする?」
テルシャナ「私はそろそろ休みます」
メリナ「私も寝ようかな…」
ヘムン「私も寝ます、」
ルビヒカ「よし、じゃあみんな寝よう!」
ルビヒカ「おやすみー」
テルシャナ「はい。おやすみなさい」
ヘムン「あっおやすみ、」
メリナ「おやすみ。みんな」
みんなはほとんど時差無くドロドロと地面の闇に消え、お休みに戻る。
メリナ「ふぅ、」
メリナ「確か次は…」
メリナ「ふふっ」
メリナ「そうね」
メリナはベッドに寝転がりそのまま眠る。
そしてメリナは目を覚まし、表に出てくる。
周りを見渡すとヘルモルノンとアンテリウネとニムルカとヘムンとメレンが座っている。
メリナ(あれ?1回目の時と違う)
メレン「メリナのようですわね。おかえりなさい」
ニムルカ「あっメリナだ」
アンテリウネ「あー」
ヘルモルノン「おー。メリナか」
ヘルモルノン「よろしく」
ヘルモルノン「自分の名前はヘルモルノン。出身地はマハカト。9番目の魔女だよ」
ヘルモルノン「ヘルって呼んでいいからね」
メリナ「はい。よろしくお願いしますね。ヘルさん」
アンテリウネ「私は…」
メリナはアンテリウネの方を見る。
アンテリウネ「うん。私はアンテリウネ。出身地はマハカト。6番目の魔女だよ」
アンテリウネ「よろしくね」
メリナ「はい。よろしくお願いします」
ニムルカ「聞きたいんだけどメリナに両親はいるの?」
ヘルモルノン「えぇ、メリナ…」
アンテリウネ「うーん…」
ヘムン「ル、ルカくん…」
メリナ「私は別に母親だけですよ」
メリナ「父親のことは知らないわ」
ニムルカ「えー?顔も知らないの?」
メリナ「知らなーい」
ヘルモルノンとアンテリウネは少し笑いを堪えるように一瞬微笑む。
メレンは口角を少し上げ、メリナを見る。
ニムルカ「うーん、じゃあいいや」
ニムルカ「そろそろ戻るよ」
ヘルモルノンはちらっとニムルカの方を見る。
ヘムン「あっ、ばいばいニムルカくん」
ニムルカ「ばいばいヘムン」
ニムルカは軽くヘムンの頭に触れ、ドロドロと地面の闇に消える。
ヘルモルノン「メリナ来たし、もう1回みんなで蜂蜜林檎食べる?」
アンテリウネ「うーん、私はお腹いっぱいだからいいかな」
ヘムン「あっじゃあ私はもう1つ食べます」
メレン「私のことは気にしないでくださいな」
ヘルモルノン「オッケー」
ヘルモルノン「じゃあ林檎3つか」
ヘルモルノン「ちょっと待っててね」
ヘルモルノンはドロドロと闇の地面に消え、片手に林檎を3つ抱え、もう片方の手で蜂蜜入りの瓶を持って表に出てくる。
ヘルモルノン「よーし」
蜂蜜の瓶を机に置き、林檎をヘムンとメリナに配る。
メリナは鼻先を近付け、林檎をじっと見回す。
ベルマアネがお休みから出てくる。
ヘルモルノン「おっベルだ」
ベルマアネ「うん。てかメリナもいるんだ」
ヘルモルノン「そうそう」
ヘムンはゆっくり林檎をかじる。
ヘルモルノン「あっ。ベルも蜂蜜林檎食べる?」
ベルマアネ「あー、食べる」
ヘルモルノンは1度お休みに入り、林檎を1つ持って表に戻ってくる。
ヘルモルノン「はい」
ベルマアネに林檎を手渡す。
ベルマアネ「ありがとう」
アンテリウネ「あっ。私そろそろ眠ろうかな」
ヘルモルノン「おやすみー。アン」
アンテリウネ「うん。おやすみ」
アンテリウネはメリナの方を向く。
アンテリウネ「ごめんねメリナちゃん」
メリナ「あっいえ」
アンテリウネはメリナに手を振ってドロドロと地面の闇に消える。
メレン「私も疲れてきましたの。みんなで楽しんでくださいな」
ヘルモルノン「はーい」
メレンはみんなに手を振って地面の闇に消える。
ヘムンは硬い物でも口に含んだようにモゴモゴと頬に林檎の欠片を寄せる。
ヘルモルノン「あー硬いところ食べちゃった?」
ヘムンは咄嗟に素早く首を縦に振る。
ヘルモルノン「ぺってしていいからねー」
ヘムンは口から林檎の欠片を取り出して机の下から地面に軽く投げる。
ヘルモルノン「あっ!蜂蜜かけるの忘れてた!」
メリナ「あっ」
ヘムン「あっ!ああー…」
ヘルモルノンはみんなの林檎に蜂蜜をかける。
キャスティーヌがお休みから出てくる。
キャスティーヌはメリナを見つけたと同時に黒い服を抱えて目の前で服を広げ、サイズを確認する。
キャスティーヌ「出来たのです。お休み中にそれに着替えて表で確認して欲しいのです」
メリナに服を手渡す。
メリナ「はい。分かりました」
メリナはすぐにお休みの中で着替え、表に出てくる。
キャスティーヌはメリナの周りを歩きながら確認する。
ヘルモルノン「おっ!似合ってる似合ってる!」
ベルマアネ「おー。似合ってるー」
ヘムン「とても似合ってます!」
メリナは思わず目を閉じて柔らかく微笑む。
メリナ「ありがとうございます」
ルビヒカがお休みから出てくる。
キャスティーヌ「大丈夫そうですね。他にも服を作ってくるのですっ」
ヘルモルノン「おールビヒカだ」
ルビヒカ「あれ?」
ルビヒカ「キャスティーヌ…」
ルビヒカ「ああっ!凄いタイミングだね♩」
ルビヒカ「似合ってるよ♩メリナちゃん」
メリナ「あっはい」
キャスティーヌはお休みに戻る。
ベルマアネはわざとらしくルビヒカから目を逸らす。
ルビヒカはベルマアネにこっそり近付こうとする。
ベルマアネはちらっとメリナを見た後にドロドロと地面の闇に消える。
ルビヒカ「あっ逃げた」
ルビヒカはメリナの方を見て考える。
ルビヒカ「ぷふっ…なるほどね♩」
メリナ「あの、なんですか?」
ルビヒカ「うーん♩どうなんだろ」
ルビヒカ「えっとね。メリナちゃん新人だからさ」
メリナ「え?」
ルビヒカ「恥ずかしいとこ見せたくなかったんだろうねー♩」
メリナは少し考え込み、鼻で笑う。
メリナ「ふふっ」
メリナ「そんなこと考えてたんだ」
ファマロンが表に出てくる。
ヘルモルノン「あっファマロン」
ファマロン「結構寝たんだけど、どう?もう他の魔女たちと全員挨拶した?」
ルビヒカ「あれ?もうしたんじゃないかな」
メリナ「あっはい。ファマロンさんで最後です」
ファマロン「あー。じゃあ挨拶するね」
ファマロン「僕の名前はファマロン。出身地はバキシア、5番目の魔女だよ」
ファマロン「よろしく!」
握手を求めるようにメリナに手を差し出し、メリナはその手を握る。
メリナ「はい。よろしくお願いします」
ファマロン「えっと名前は何だっけ」
メリナ「私はメリナ。出身地はバキシア、1534年に死にました」
ファマロン「うん。改めてよろしくね。メリナ」
メリナ「はい」
ファマロン「ん?蜂蜜林檎食べてたの?」
メリナ「あっ…はい」
メリナはまだ1口も手をつけてない蜂蜜林檎を見る。
ヘルモルノン「うん。みんなで食べてた」
ヘムンは黙々と口の周りに蜂蜜を付けながら食べている。
ヘルモルノン「ファマロンも食べる?」
ファマロン「折角だけど気分じゃないからいいや」
ファマロン「テルシャナ来てない?」
ヘルモルノン「あーまだかな」
テルシャナが表に出てくる。
ヘルモルノン「おーっ!」
ファマロン「あっ噂をすれば」
テルシャナはメリナの服装が変わっていることに気付く。
ファマロン「テルシャナー?もうメリナと挨拶済ませたんでしょ?」
テルシャナ「ああ、はい。そうですよ」
テルシャナ「その服、着心地どうですか?」
メリナ「とても快適です」
メリナ「動きやすいし、」
ファマロン「ああー」
ファマロン「悪いっ」
メリナの前で謝るように手を合わせる。
ファマロン「表用の服に着替えてたの全然気付かなかったっ」
メリナ「はい。大丈夫ですよ」
ルビヒカ「私もメリナちゃんが黒い服の姿で立ってたから驚いたよー♩」
メリナ「ふふっそうなんですね」
ルビヒカ「うん♩」
テルシャナ「良かったです。メリナさん」
テルシャナ「では、私はそろそろ戻ります」
ファマロン「えー、もう戻るの?さっき来たばっかりじゃん」
テルシャナ「あー、確かにそうですね」
ファマロン「あっちで話そうよ」
テルシャナ「はい、じゃあ移動しましょう」
2人は少し離れたところに移動して話し合う。
ヘムンは最後に1口かじり、林檎の芯を残す。
ヘムン「あっ、私も眠くなってきたので、」
ヘルモルノン「あっおやすみー」
メリナ「おやすみーヘムン」
ルビヒカ「おやすみー♩ヘムンちゃん」
ヘムンはみんなに手を振ってドロドロと地面の闇に消える。
ルビヒカ「私も早く起きちゃったから眠いんだよー♩」
ヘルモルノン「じゃあルビヒカも寝る?」
ルビヒカ「えーそうしようかな」
ルビヒカ「みんなは?」
ヘルモルノン「うん。自分も寝ようかな」
ヘルモルノン「メリナはどうするの?」
メリナ「じゃあ私も寝ます」
ヘルモルノン「オッケー」
ヘルモルノン「みんなおやすみー」
ルビヒカ「おやすみー♩」
メリナはファマロンとテルシャナの方を見てお休みに戻ったことを確認する。
メリナ「はい。おやすみ」
みんなドロドロと地面の闇に消える。
メリナ「あっ蜂蜜林檎忘れてた」
メリナは蜂蜜林檎を取りに再び表に出てくる。
メリナは手に持つ蜂蜜林檎をしばらく見つめる。
メリナ(本当にこれでいいのかな、)
メリナは地面の闇に消え、部屋の中で静かに林檎をかじる。
食べ終わり、ちらっとキャスティーヌから渡された服を見た後すぐにベッドで目を閉じる。
メリナは目を開ける。
メレンとキャスティーヌが椅子に座っている。
キャスティーヌがメリナに気付くとすぐに走り寄ってきて2枚の色鮮やかな服を渡してくる。
キャスティーヌ「出来たのです」
キャスティーヌ「プライベート空間の時に使ってください」
メリナ「ありがとうございます」
キャスティーヌ「やっと渡すことができました」
キャスティーヌ「ではキャスはしばらく眠ります」
キャスティーヌはメリナに軽く手を振ってドロドロと地面の闇に消える。
メレン「よくお似合いになると思いますわ」
メリナ「そうですかね、」
メレン「はい」
メレン「先に部屋に置いて来てくださいな」
メリナ「あっはい」
メリナは服を部屋に置いてお休みから表に戻ってくる。
メレン「少し聞きたいことがありますの」
メレン「なんで説明も無しにそこまでお分かりなんですの?」
メリナ「みんなから教えてもらいましたから」
メレン「本当ですの?」
メリナ「はい」
メレン「それは…おかしいですわね」
メリナ「他の魔女から聞いたんですか?」
メレン「違いますわ」
メレン「お休み中に夢を見ますの」
メレン「みんなの声だけが聞こえますのよ」
メリナ「夢?」
メレン「嘘ではないですの」
メレン「ルビヒカがメリナに教えていたのは分かりますの。ですが、それは1回だけでしたわ」
メリナ「それだけでですか?」
メレン「…分かりましたの」
メレン「深くは聞きませんわ」
メレン「メリナも辛かったでしょうし」
メリナ「…はい」
メレン「お疲れ様です」
メレン「もう大丈夫ですわ」
メリナ「いえ、メレンさんもありがとうございます」
メレンは優しく微笑む。
メレン「そんな風に感謝しないでくださいな」
メレンはメリナに近寄り優しく抱き締める。
メリナは顔を横にしメレンの肩の上に置き、メリナは力を抜くように目を細める。
メリナ「メレンさんって今無理してますか?」
メリナ「抱き締めたのもルビヒカです」
メレン「はい。そうですわ」
メレン「メリナ」
メレン「私は無理だと思ってませんの」
メレンは少し離れてポケットに手を入れ、何かを取り出す。
メレン「クッキーはいかが?」
メリナ「え?クッキー?」
メレン「食べたことありませんの?」
メリナ「えっ、まあはい」
メレン「私はいつもクッキーが好きでしたの」
メレン「甘くてサクサクとしてて、」
メレン「果物とよく合いますの」
メリナはクッキーを手に取る。
メリナ「果物と、」
アンテリウネがお休みから出てくる。
アンテリウネ「メリナちゃんとメレンちゃん?」
アンテリウネは一瞬メリナが持ってるクッキーを見る。
アンテリウネ「あっ仲良く…」
メレン「あら。アンテリウネでしたの」
アンテリウネ「あっどうも」
メリナは軽く頭を縦に振る。
アンテリウネ「えっと…他に魔女は来てなかった?」
メレン「まだですの」
アンテリウネ「メリナちゃんも待つ?」
メリナ「あっはい。待ちます」
アンテリウネ「そっか。じゃあみんなで待とうか」
コメント
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死んだ魔女が集まる謎の空間、設定の時点でもう好みすぎます…!😭💕 お父さんの話で涙するメリナには本当にグッときました。暗闇に消えてからの「2周目」、冷静に振る舞えてるのに時々見せる笑顔が切なくてエモい…。ルビヒカの「今までお疲れ様、メリナちゃん」は反則です。続きが気になりすぎます!🌸