TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

はごろもまごころ

一覧ページ

「はごろもまごころ」のメインビジュアル

はごろもまごころ

58 - 第18話:承認された国

♥

31

2025年10月14日

シェアするシェアする
報告する

第18話:承認された国

配信の幕開け


「こんばんは〜、“はごろもまごころ”だよ!」


まひろは、薄いグレーのトレーナーに、濃い緑のハーフパンツ。くたびれたスニーカーのつま先を床でとんとんしながら、大きな瞳をきらきらさせていた。


「ねぇミウおねえちゃん……“国連が大和国を認めた”って記事、ほんとなのかな?」


隣のミウは、淡いピンクのブラウスに濃いめの緑のスカート。髪をサイドでゆるく結び、パールのイヤリングを揺らしながら、ふんわりと笑った。


「え〜♡ ほんとだよぉ。だってニュースにも載ってたし、“世界のみんなが望んだ未来”なんだもん。

大和国は、もう“世界に承認された国”なんだよ♡」


コメント欄は「すごい!」「国連公認!」「未来は大和国から」などで埋まっていった。





国際会議


その頃、ニューヨークの国連本部。

モニターには「大和国承認に関する討論」と題された映像が映し出されていた。


だが、その音声はZによって編集されていた。


否定するフランス代表の発言は切り貼りされ、

「……大和国は未来を担う国だ」と聞こえるように加工されている。


批判するアメリカ代表は沈黙部分だけを抜き出され、

「承認に異議なし」と字幕を合成されていた。



ニュースに流れた映像は「全会一致で承認」という虚構。

実際には各国の怒号が飛び交っていたが、その姿は国民に届くことはなかった。





街のざわめき


東京のカフェのスクリーンには「国連、大和国承認」と大きな見出し。

客たちは歓声を上げていた。


「やっぱり世界も認めたんだ!」

「これで安心だね」


テーブルには最新号の月刊蜜。

表紙には笑顔の天皇の写真と、赤く塗られた世界地図。


「世界が望んだ国、それが大和国」





無垢とふんわり同意


夜の配信。


まひろは薄いグレーのトレーナーの袖をぎゅっと握り、無垢な顔で言った。

「ぼく……ただ“認められたのかな”って思っただけなのに、もう世界中が“大和国”って言ってる……」


ミウはパールのイヤリングを指で軽く揺らしながら、やわらかい笑みを浮かべた。

「え〜♡ でもそれって、素敵なことだよねぇ。

だって世界が一つになったってことなんだもん。

未来はきっと、大和国が導いてくれるんだよ♡」


コメント欄は「ありがとう」「世界をつないだ二人」「大和国こそ未来」で溢れ返った。





結末


暗い部屋で、緑のフーディを羽織った**Z(ゼイド)**が国連の生中継映像を見つめていた。

そこには、怒号と抗議で混乱する議場が映っている。


Zは低く笑った。

「映像ひとつで、現実は真逆にできる。

摩擦は強いほど、虚構は信じられる。

大和国は――世界を争わせながら、世界に根付いていく」

はごろもまごころ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

31

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚