そうだな
今までに出会った国が優しかっただけ
俺は化け物なんだ
化け物なんだ
「はは…」
俺は王室に戻り自分の体を見る
気味が悪い腕
頭には角
でもいくら壊しても
無くそうとしても
壊れない
無くならない
ただ痛いだけ
また生えてくる様子におかしくなる
俺は否定ではなく認めて欲しかったはずなのに
今では俺も俺という存在を否定している
せめて視界に入らないようにしよう
王冠と眼帯
袖の長い軍服を着る
それでも俺の心は治らない
元父の領土へ来た
国名が兄さんのになっていたので会えるかもしれない
もちろん顔は隠してきた
兄さんも王であり国のはず
王に会いたいといえば通してもらえるだろうか
「すまんそこのお前少しいいか」
兵「なんだ」
「ここの王に会いたい」
「通して貰えるだろうか」
だいぶ口調が変わった気がする
兵「だめだ」
兵「王様は体が弱い」
兵「お前に会わせるほど暇じゃない」
兄さんは体なんて弱くないはず
むしろ俺より元気で、走り回る国のはず
なぜ嘘が出回っている
少し悪いかもしれないが侵入させてもらう
とりあえず周りを歩いていたら裏口らしきものを見つけた
気配を消し中へ入った
広い
兵が多い
今日は無理そうだ
帰ろうとしたら気になる話が聞こえた
兵1「俺王様に会ったことないな」
兵2「当たり前だろ」
兵2「俺らみたいな下っ端が会えるわけない」
兵1「俺さ一目でも見たくて王室の前に行ったんだよ」
兵2「見つかったら王様の父に殺されるぞ」
兵1「でな中からなんか殴る音と叫び声が聞こえたんだよ」
兵2「あそこ防音仕様だろ」
兵1「まあそうだから多分気のせい」
兵2「無駄に時間使わせんな」
殴られる音
兄さんが殴られているのか?
気になる
ただもうこれ以上ここにはいられない
アラカユ王国へ戻ってきた
どうせ顔を見せたら化け物だと言われる
誰にも見られないよう俺は王室へ戻った
episode 6 嘘と心配
コメント
1件
アラカユー!!!みんなが否定してても私は愛してるからな〜〜!!(?)