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(——『カイルは相当追い詰められている!』)
残留思念から意識が戻り、目前に迫る状況を再度理解した頭で、私はゲームのナレーションみたいにそう叫びそうになった。
これ、回避出来ないやつだ!
いったい彼は、今この瞬間を何年待ちわびたんだろう?
どのくらいお預けをくらっていたのだろうか?
初めては『発情期じゃないから』と断られて行為が出来ず、今回は見た目で『まだ子供なのか』と思って諦めていたのに、『実は大人ですよ』とか言われたら、プツンと我慢の糸が切れるのは当然だ。
(だからって、受け入れられる話じゃ無いんだけどね!)
「イレイラ…… ねぇ、僕を受け入れて?触れさせて?いい加減にもう、君を抱きたいんだ」
甘い色のある声で囁く声が耳に近い。意識が飛んでいたうちに、距離はほぼ無くなっていて、ヘッドボードを使って壁ドンされているみたいになっていた。
カイルの吐息でキュッのお腹の中が疼く感じがして頰が熱を持つ。ヤバイ、体が勝手に受け入れ態勢に入っている気がする。そんな中、耳を甘噛みされ、体が快楽に震えた。
「気持ちいい?こんなに震えて、可愛いねイレイラ」
カイルはクスクスと笑い、私の耳を撫でる。頰をぺろっと舐められ、小さなキスをそこに何度もしてきた。
「好きだよ、どんな姿だって君が愛おしい…… 」
指で顎を軽く持ち上げられ、カイルの口が近づく。このままでは私のファーストキスが奪われてしまうと思うのに、近過ぎる距離に抵抗が出来ない。
「あ、ま……—— 」
待って!の言葉が、カイルの口の中へ消えていった。完全に私達の唇は一つとなり、彼の少しザラついた舌が私の中へ入ってくる。ニュルッと舌を他者に絡め取られる感じに、腰のあたりがざわつく。歯茎を丁寧に舐め、“人間”よりも長い舌が上顎まで届いてそこを愛撫しだした。
その行為のせいで思考が停止し、もっとと強請るようにカイルの白いシャツにしがみついてしまう。そんな私にカイルは、ご褒美をくれるみたいに全身を撫でてきた。
マッサージするみたいな撫で方じゃない。相手に快楽を感じさせる為の愛撫をされていると、ハッキリわかるいやらしさがその手にはある。何処を撫でれば私がどう反応するのか、調べるみたいに上から下へと全身を丁寧に丹念に。年季の入った手の動きに私の体はアッサリ陥落してしまい、ビクビクと震える事で彼に自分の弱い箇所を自ら教えてしまう。
「ココがイイんだ?そう…… じゃあココも?」
普段の彼からは聞いた事が無い低い声で問われ、ゾクっと体が震えた。彼の声にすら未経験の何かを感じてしまう。
普段の、羊の角持ちのクセしてダメ犬感の半端ない彼が完全に身を潜めていて、捕食者と化している。首に鎖骨…… 背中や二の腕にと、全身が性感帯になったみたいに悶える私を、カイルはギラつく目で口元に弧を描きながら見つめていた。
こんな彼は、知らない——
私が困惑していると、ゴリッと脚に当たる大きなモノに体が強張った。夜着のはだけた私の素脚に、彼が着る夜着の中に潜む獰猛そうな猛りを擦りつけてきたのだ。
「ふあぁっ」
圧倒的存在感のソレに驚き、私が変な声をあげてしまうとカイルはニヤッと微笑んだ。
「早く、挿れたい…… 」
呼吸の乱れた率直な呟きに、気が動転してしまう。
(ど、どうにかしないと、本当にこのまま奪われる!)
でも頭が動かない。撫でる手が気持ちいいし、啄むように落としてくるキスが堪らなく心地いい。
「ふっ…… んっ…… 」
口元を引き結び、必死に甘い声をこらえても、喘ぎ声がもれてしまう。
「声、我慢しなくていいのに、僕らしかいないよ?」
(む、無理です!恥ずかしいです!)
羞恥で瞼をギュッと強く閉じる。すると彼が瞼にまで優しくキスをしてくれた。
「ココ、もう触ってもいい?」
コ、ココって何処…… 。息も絶え絶えな状態で、虚ろな視線を下に落とす。すると、カイルの大きな手が私の脚の間まで、周囲を撫でながら近づいてきていた。
ショーツの上からカイルがクイッと秘部を擦る。困った事にそこはもうすっかり湿っていて、布が触れる感触が少し気持ち悪かった。かといって脱がされたくも無く、自分では逃げるつもりで体を動かしたら、カイルの指を自分から、ひっそりと隠れる肉芽に擦り付ける感じになってしまった。
「んあぁっ!」
「そんなにもう欲しかったんだ?…… 本当に可愛いね、イレイラは」
嬉しそうに指を動かし、カイルはショーツ越しに、そのままソコを愛撫し始めた。しっとりと濡れる秘部からはグチュグチュと水音がして、何だかとても卑猥だ。
「だ、ダメそんな…… ぅくっ…… 」
「ダメ?こんなに濡れているのに?」
カイルはショーツを軽く避け、たっぷり溢れ出ている蜜を指に絡めると、それを陰裂のナカにツプッと沈めようとしてきた。
「ひゃぁぁ!」
初めての感覚に驚き、変な叫び声が出る。それと同時に私は、思いっきりカイルの体を押した。全身全霊と言えるくらいの力を入れて。
「こ、これ以上は——無理っ!」
私の言葉に呼応する様に、カイルに触れた私の手が一瞬強い光を発し、パンッ!と鈍い音がした。そして次の瞬間——
彼の体は、その場にグッタリと倒れてしまったのだった。