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読了しました。第3話、グッときました。 試合に負けたあと「人生をかけてない」って言い放つシーン、すごくいいですね。まだ認められる段階じゃないと自分に言い聞かせる感じがリアルで。美雪に名前呼び捨てした照れ隠しのやり取りも、思春期の空気が詰まってた。 「敗北」を受け入れてなお、野球が好きになったと確信するラスト。この成長の描き方、好きです。続きも楽しみにしてます!
野球部に入ってからかなり時間が経った。
過去1番長く何かを続けたかもしれない。
でも、自分的にはそこまで時間が経った感覚はなかった。
野球部では先輩は優しい。
練習も楽しく思えてきた。
僕には才能があったのか分からないがピッチャーになることができた。
それでも、先輩の方がいい球を投げるし、先輩の方が上手い。
自分より上の存在を認めたのもこれが初めてだった。
入って2週間、野球部に入ってよかった。
心からそう思えた。
7月14日、3年生の最後の大会が始まった。
僕は1番ライトでスタメン出場した。
1回、僕は三遊間への内野安打で出塁した。
しかし、打線が続かず0点、その裏に3点入れられてしまう。
相手は県内でも有数の強豪だった。
僕は勝てるわけが無い。
少しそう思ってしまった。
しかし、初回の3点以降先輩は完璧に抑えてくれて7回まで3対0。
中の下のこの高校が強豪にコールド負けしないのはそれだけで誇れることだった。
僕はこのまま抑えれば….と思っていた。
しかし、それは点を取ることを考えていなかった。
そして、先輩を見た。
全員勝つ目をしていた。
本気であの強豪に勝とうとしていたのだ。
その執念に答えるようにグラウンドの魔物たちが相手チームに襲いかかった。
イレギュラー、パスボール、デッドボール、ヒット。
繋いで繋いで繋いで。
僕たちは2点を取ることに成功した。
それでも3対2まだ勝つには2点足りない。
8回、僕は三振してしまった。
しかし、4番の先輩がホームランを打った。強豪のエース、最速148キロの人からホームランを打った。
打球が上がってすぐ、場内は静かになった。、そして、コンッ、ホームランゾーンにあるベンチのような場所に当たったような音がした。
その瞬間、会場が沸き立った 。
8回の表ついに追いついたのだ。
しかし、次僕が気づいた時には試合が終わっていた。
前で先輩たちが泣いていた。
9回の表1点をとり、逆転していた。
しかし、9回裏。
先輩が疲れてきて、僕に交代した。
先頭をサードゴロ、次のバッターにヒットを打たれてしまう。
しかし、その次のバッターはファーストフライで打ち取った。
勝った。
僕はそう思った。
カキーーン!!
強烈な音が響き渡った。
その打球は野球素人の僕が見てもとても綺麗な放物線を描いていた。
確信だった。
打ったバッターは打った瞬間喜びを爆発させ、相手ベンチも盛り上がった。
先輩の夏が終わった。
僕のせいで、僕のせいで負けた。
ものすごい消失感にかられた。
あれだけ当たり前のようにいた先輩がいなくなってしまう。
5対4。
中堅校と強豪校の差それはたった1点だけだったかもしれない。
しかし、スポーツにおいては最悪と言っていいほどの1点だった。
美雪「今日のあんたかっこよかったよ。誇っていい。」
美雪も泣いていた、先輩たちも優しい言葉をかけてくれた。
僕はその瞬間ようやく敗北をした、そう思った。
涙が溢れてきて止まらなかった。
最後のミーティングが終わり、挨拶をして帰る、そのタイミングで止めた。
#異世界転移
花月夜れん
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「先輩たち、今までありがとうございました。来年は絶対甲子園言ってみせます!!」
自分の口からそんな言葉が出てくるとは思っていなかった。
美雪「あんたのこと部員って認めてあげる。今日は良かったよ」
教時にそう言って貰えた、それだけでとても嬉しかった。でも、同時に悔しさもあった。
「まだ認めるな。人生をかけてない。まだかけてない。僕を認めるのは公式戦で勝ってからにしてくれ 」
そういうと教時は黙って頷いてくれた。
それで十分嬉しかった。
初戦敗退、敗者の夏は絶望するくらい長い。
負けてすぐ夏休みだった。
「もうすぐ夏休みだな〜」
美雪「夏休み、練習サボっちゃダメだからね。」
「言われなくてもわかってるよ。」
美雪「なら良かった。」
セミの鳴き声がどこからでも聞こえてくる。たまにセミのせいで会話ができなくなりそうなくらいうるさかった。そう感じた。
終業式が終わりついに夏休みに入った。
練習は多くも少なくもない。
あまり本気でやるほどのものではないのだ。
ただ、僕のせいで負けてしまった。
そんな悔しさを人知れず持っていた。
課題もそれなりに出ていた。
多くも少なくもない、真ん中、平均。
そんな言葉が似合う学校だった。
ただ、僕は確実にこの学校が好きになっていた。
教時のお陰でクラスの輪にも入れるようになった。
教時には感謝してもしきれない。
美雪「あんた、最近変わったよね」
終業式の帰り、少し嬉しそうな顔をして言ってきた。
「はぁ?なんも変わってないし」
変わった、その言葉が少し嬉しかったのか照れ隠しで少し
美雪「私のことマネージャーって呼ばなくなったし、人に優しくできるようになったよね。」
「….。」
美雪「どうかした?」
「変わらなきゃいけないと思ったんだ。このままじゃダメって、思った。いや、思えるようになった。 」
ありがとな!美雪!
7月21日、終業式の帰り、人生で二回目というレベルの少なさ。
名前呼び捨て。
それを美雪にした。
どんな顔をしていたのか、恥ずかしくてみていない。
でも、怒ってはいなかった。
それで十分だった僕にはその顔を見るに値しない人間だ。
次呼ぶ時はその顔を見れる覚悟をしてからにしよう。
文字通り教時に人生をかけれる覚悟を持ってからにしよう。
そう心に決めた。
美雪「ばーか」
実際言っていたかは分からないが後ろからそう聞こえたような気がした。
恥ずかしがるような声で、そうあって欲しいという僕の幻覚、そう思うことにした。
「夏休み、一緒に遊びいこうぜ。」
美雪「話変わりすぎだよ!」
終業式終わりの帰り道、ふたりで笑いあって帰っていた。帰り道が同じというのもあり一緒に帰ることが増えていった。
夏休みの最初は練習が多かった。
でも、苦じゃなかった。
むしろ頑張れた。
練習が足りないくらいだった。
僕は、野球が好きになってる。
そう、確信した。