テラーノベル
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美沙の話を聞き、焔垂は腕を組んでしばらく考え込んだ。
「うー・・・ん」
やがて、小さく首を傾げる。
「それだけだと、まだ何とも言えないですね」
「確かにそうだよね・・・」
茜も同意するように頷くと、さらに美沙へ問いかけた。
「他には何かないんですか?」
「あと最近だと、こころクリーニングの
PV撮影があったんだけど」
美沙の表情がわずかに曇る。
「その現場でも不可解な事が起きたの」
「こころクリーニング?」
聞き慣れない言葉に、美月が首を傾げた。
「TAMAYAの代表曲だよ」
茜はそう言うと、すぐにスマホを取り出す。
「これ!」
画面を操作し、LIME MUSICで『こころクリーニング』を再生した。
◇ ◇ ◇
曲名 こころクリーニング
作詞・作曲 TAMAYA
こころの中には 部屋がある
それはこころを 具現化した部屋
楽しい思い出や 辛い日々
いじめの影も 全て仕舞い込み
荒れ果てた部屋
命を絶ち 別れを告げた
少女の前に 現れる魔法の扉
それは少女を 救う救済の扉
天使が現れ こころを洗う
拭いきれない闇 全て洗い流す
こころクリーニング 綺麗に輝く
過去のトラウマ すべて飛び立つ
新しい命と 喜びの歌
心の傷は もう消えてるかな
こころの掃除道具は光
負の感情を全て拭い去る優しい手
天使は少女の涙を晴らしに来る
命の輝きを取り戻すため
天使の羽根が 光る奇跡
闇と苦しみ 全て取り去る
希望の灯火 胸に灯して
新しい未来 さあ歩き出そう
こころクリーニング 綺麗に輝く
過去のトラウマ すべて飛び立つ
新しい命と 喜びの歌
心の傷は もう消えてるから
こころクリーニング 綺麗に輝く
希望に満ちた未来へ さぁ飛び立とう
新しい命と 旅立ちの歌
心の傷は もう消えたんだ
もう大丈夫 笑顔で行こう
◇ ◇ ◇
その歌は、心の奥底にある傷やトラウマを癒やし、未来へ向かって歩み出すための救済をテーマにした楽曲だった。
曲を聴き終えた美月は、感心したように小さく頷いた。
「へぇ~・・・良い歌詞ね」
そして、タイトルの意味を噛みしめるように呟く。
「こころって部屋を
クリーニングするって発想が斬新ね」
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
159
「この曲がキッカケで、TAMAYAは
爆発的に人気を獲得したんです」
美沙の説明を聞きながら、焔垂は先ほどの話へと意識を戻した。
「で、この曲のPV撮影で何かあったと?」
「ええ・・・そうなの」
「具体的にはどんな?」
美沙は当時のことを思い返しながら、ひとつずつ語り始める。
「照明が急に消えたり、映像に変なノイズが混じったり
ポルターガイスト的な事が起きたり」
そこまで言うと、美沙の表情に不安の色が浮かんだ。
「もう、霊的な何かの存在を
疑いたくなる事ばかり起きてるの」
美月は少し考え込む。
「スタジオがいわく付きとかじゃなくて?」
「確かにその可能性はあるかもしれないですけど──」
美沙は静かに首を振った。
「それだったら、他のアーティスト
でも同様な現象があるはずですよね?」
「まあ、それはそうね」
「けど、それが無いんですよ」
焔垂が眉を寄せる。
「TAMAYAの時だけって事ですか?」
「そうみたいなのよ・・・」
話を聞いていた焔垂は、隣にいる茜へ視線を向けた。
「どう思う?茜」
「確かに霊が特定の人間を
狙うケースは前にもあったけど」
「ああ・・千歳さんの件か?」
「うん・・・」
茜は頷いたものの、すぐに難しい表情を浮かべる。
「でも、この話だけだと断言は出来ないよね」
「やっぱ白縫さんに頼るか?」
「それしかないね」
二人のやり取りを聞いていた美沙が、不思議そうに首を傾げた。
「白縫さん?」
美月が彼女へ説明する。
「怪異探求倶楽部の部員で
霊感があって霊視や除霊ができる子なの」
「そんな子が居るんですか!?」
美沙の表情が一気に明るくなる。
「どうする?連絡してみる?」
「お願いします!」
美月は茜へ視線を向けた。
「菅生さん、お願いできる?」
「はい!わかりました!」
茜はすぐにスマホを取り出すと、信愛へ電話をかけた。
コメント
1件
読了です!今回は「こころクリーニング」の歌詞がめっちゃ心に響いた…!「心の部屋を掃除する」って発想、すごく優しくて泣ける😭💕 TAMAYAの撮影現場で起きてる不可解な現象も気になるし、白縫さん登場でどう動くのかマジで続き待ちきれない!! 美沙さんの不安そうな表情の描写がリアルで、早く解決してほしいなって思っちゃった〜✨