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『おはよう~』
『おはようございます』
『おはよう!』
『あれ、ケインとミックスだけ?』
『トピオさんとジョシュアさん、JDさんは早めに寝ましたね。芹ちゃんは今日は起きてきませんし、ランドさんは忙しいらしいですよ』
そうなんだ、珍しいな。今日も絶好の犯罪日和だ。今日もきっと…
「幸せ、ね…」
38歳のおじさんが思うのもなんだと思うが、最近“幸せ“ということを考えている。とりあえず寝ないようにと珈琲をずず、と一口飲んだあとに、ホットドッグを売ろうとレギオンに向かう。
「ふあ…」
まだ眠いな、とも思いつつも市民にホットドッグを売っていく。今日は比較的人が少ないな、と思っていると
「堕夜じゃーん」
「どうも、レダーさん」
堕夜がにこりと不吉な笑みを浮かべ、いつもの下さいとホットドッグを買っていく。
「犯罪の方は順調ですか?」
「まあ、ぼちぼちですかね」
SRホットドッグを頬張りながら、雑談をする。なにかを探っているようにも感じれるが、今日はいいやとも思いつつうとうとする。
「眠いんです?」
「まあ、はい。今日はそろそろ寝ようかな」
「ええ?起きたばっかりなんじゃないんですか?」
「…まあ、そうですけど」
「最近見てないので、疲れてそうですね。レダーさんいないときは色々と事件もあったのに」
「事件?」
「あー、確か…
__ニット帽の謎の人物・らっだぁ歪み事件ですね」
「ふーん…どんな事件なんです?」
「確か、らっだぁと呼ばれる人物が餡ブレラアジトで暴れたらしいですよ?その“らっだぁ“って人?は歪みで生まれたらしくて」
「へぇ…歪みか」
「それで、警察の方々は「らっだぁは元の場所に戻った」やら、「きっと今は幸せ者になってるよ」やら…よくわからないことばかりを言っているんですよ」
幸せ、ね。そのらっだぁってやつは、きっとつらいことがあったのか?まあおれには関係ないけどな
「なるほど、情報ありがとう」
「いえいえ、ではこれで失礼しますね」
「まいど~また来てね」
ふー、と息を吐いて、その場に座り込む。ホットドッグを頬張って頭をぽりぽりとかいて、また息を吐く。
「こっのクソ主が…」
おれには関係ないけど、らっだぁがバカなやつもいうことはわかる。幸せ?そんなのねぇってと思ってたんだろうなとも思う。そして、ふと無線に話しかける。
『けいーん、ミックス~』
『何ですか?』
『ん?』
『…やっぱなんでもない』
『なんやねん… 』
…夕コ、最近起きないなあ。
「しあわせ、か」
ロスヨントスから逃げてきて、ギャングして、笑って、
「…おまえなら、どうするんだろう」
豪邸の中に入り、ソファーに寝る。また深呼吸をして、吐いて…
「……起きてこいよ、夕コ
淋しいからさ」
お前がいたら、もっと楽しいだろうに。
「店長」
「んー…?ケインか」
「疲れたなら寝たらどうですか?」
「いや疲れてないよ…だけど寝ようかな」
「いいですよ、膝枕します」
「そんなおじさんが…」
「いいんです」
「…はーい」
また、いっしょに…
夕コと犯罪、したいなあ…w
「…、す…」
「…寝ましたか。店長…」
「ん… 」
「(あなたは…)」
__淋しいからさ
きっと、間違えて無線をいれてしまって、気付いていないのだろう。私も、もちろん会長も気付いていた。最近わかっていた、店長が悩んでいるのも。きっと、何かを待っていることも。
店長の頭に手を乗せる。
「…きっと、あなたは幸せですよ。いや、
…あの人は、かならず起きてきますから」
「ゆ、こ…」
「…良い夢見てくださいね」