丁度太陽が頭上を通り 、
近くの小学校からチャイムと同時に騒がしい程の愉しげな声が聴こえてくる 。
其処らの人からしたら唯の平凡な平日の昼間
私達は公園のブランコにふたり並んで座っていた 。
時々金属の結合部分が軋む音だけが鳴る 。
互いに何も口にしようとはしない只管に静かな空間だった 。
嗚呼 、 サボってしまった 。
そんな罪悪感と優越感が同時に沸き起こる 。
「 学校サボっちまったな 笑 」
君は静かな空間にひとつ言葉を零した 。
悪びれる様子も無く 、 唯思った事を口にした様なそんな顔で 。
「 怒られちゃうかな 、 笑 」
「 いいじゃねーか 、 偶には 。
なんか今日は行きたくなかったんだろ ? 」
何だか今日は気分がノらなくて 、
どうしようも無く
君と2人きりになりたかった 。
そう 、 其れだけ 。
「 うん 、 杜真と居たかった 。 」
右隣から愉しそうな 、 でも何処か優しく包み込んでくれる様な笑い声が聴こえた 。
「 急に可愛いこと言うなよな 」
口では真面目そうな癖して顔は綻んでいた 。
「 なあ 、 羽優
高ぇとこ迄 、 一緒に漕ごうぜ 」
君はブランコを後ろに下げて僅か悪戯に口角を上げていた 。
「 いいよ 、 勝負ね ? 」
「 負けたらどうする ? 笑 」
「 勝った方の行きたい所に着いて行く ! 」
「 上等だ 、 俺がデート誘ってやる ! 」
ふたり同時に勢い良く漕ぎ出した 。
空を切って 、 切って 、 切った 。
唯 、 只管に漕ぎ続けた 。
君に追い付けるように 、
君をデートに誘えるように 、
君との想い出が褪せないように 、
「 ねえもうギブ ! 笑 」
徐々に勢いが弱まってゆく私のブランコ 。
君のは未だ高くて手も届きそうになかった 。
「 俺の勝ち ! 笑 」
漕ぐのを辞めて揺れるブランコの上で嬉しそうにピースサインを魅せている 。
「 来週の日曜楽しみにしとけよ ! 」
君は本当 、 眩いな 。
「 可愛くして行く ! 」
「 動きにくいのは却下な 笑 」
もう時期 、 皆は授業を終えて部活に励んだり友達と帰ったりするだろう 。
でも其の頃 、
屹度 、 私達はブランコに乗り夕陽を眺めては時々交わす会話に心を揺らしている 。
未来予知とかでは無く
そうなのだ 。
「 空って同じ時が無くて良いよな 。 」
君は脈略無く話し出す事が多い 。
そして其れは 、
私の心を静かに熔かしてゆく 。
「 うん 、 私も空好き 」
君の次にね 。
なんて言いかけてしまったのは 、
君の横顔が目が眩む程に綺麗だからだ 。
コメント
7件
わ、もう叫びます大好きです 小説っぽいとかいう次元じゃなくて、小説すぎますよこの話 二人でブランコ漕ぐ描写とか、尊すぎてまじやばいです。 デートするために二人とも頑張ってるとか可愛すぎじゃないですか!?
たはー良いね好き 想い合ってる2人の可愛い恋見れてにやにやしてる自分がいる(( 其れと此の連載のサブタイトル夢系多いよね、?漫然もぼんやりしてるみたいな意味でサブタイトル好き 走馬灯も夢みたいなイメージあって関係あるのかなとか考えると次回以降楽しみすぎる