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#普通
野々さくら
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ありあ
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龍河がひなたに、天縁教団の真の目的を解いただそうとすると、刑事が割って入る。
刑事が龍河へ鋭い視線を向ける。
「おい馬場?」
刑事の言葉に龍河は、我に返ったように顔を上げた。
「そのナワバリ様の話は
今回の件に関係あんのか?」
「あ、いや──」
言い淀んだ瞬間、刑事は冷たく言い放つ。
「悪いが、この面会は終わりにさせてもらう」
「あ、すいません。もう少し──」
刑事は龍河に弁解の余地を与えずに続ける。
「悪いが、俺には今回起きた誘拐事件に
そのナワバリ様ってのが関係してるとは思えない」
するとひなたが、信愛を指差しながら異を唱えた。
「誘拐された彼女が『ナワバリ様として』
磔にされてたかもしれないわよ?」
その一言に、部屋の空気が張り詰める。
「そ、それは・・・」
刑事は返答に詰まる。
ひなたは静かに畳み掛けた。
「そう考えたら無関係とも言えないんじゃない?
いいの?刑事が事件の可能性を感じていながら
面会を終わらせたりなんかしちゃって」
言い淀む刑事にひなたは畳み掛ける。
「もっとも、今の貴方に『無関係だ』って
言えるだけの証拠があるなら話は別だけどね」
真っ直ぐな視線が刑事を射抜く。
「あるの?無関係だと
証明出来るだけの確固たる証拠」
長い沈黙が流れる。
やがて刑事は視線を落とし、小さく呟いた。
「それは・・・無い」
ひなたは満足そうに微笑む。
「なら面会を続けても問題ないわよね?
だって関係してないって言い切れない訳だし」
刑事は観念したように肩を落とした。
「わ、わかった・・・続けてかまわない」
ひなたはいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「貴方が話が通じる人で良かったわ❤︎」
そう言って、刑事へ軽くウインクを送った。
◇ ◇ ◇
「た、助かりました」
龍河は胸を撫で下ろしながら頭を下げる。
「アンタのおかげで首の皮一枚繋がった」
ひなたは苦笑した。
「まぁ、とは言え、私は教団の
真の目的までは知らないんだけどね」
「え!?」
龍河が思わず素っ頓狂な声を上げる。
ひなたは肩をすくめた。
「あ!今『だったら面会を
続ける意味なかっただろ』って顔した」
「あ、いや」
龍河は慌てて否定する。
「いいや、今の顔はそう言う顔だった」
ひなたは龍河を蔑んだ目で見つめる。
「わかってる?私が機転を利かせなかったら
今のこの話だって聞けなかったんだからね?
アナタそこんとこ理解してんの?」
「あ、いや、それは、もちろん」
龍河は素直に頷いた。
信愛は腕を組み、考え込む。
「でも、なんなんだろ?真の目的って・・・」
「それよね・・・」
ひなたも小さく息をつく。
「『神を誕生させる為』ってのが
『ブラフ』だとして、その逆って考えたら・・」
龍河の疑問に銚子が静かに口を開いた。
「神は一般的に救いを与える
存在とされていますから
その逆と考えたら・・救いの逆」
信愛の口から、一つの言葉が零れ落ちる。
「『荒魂』」
その瞬間だった。
全員の視線が、一斉に信愛へ向けられる。
ひなたの表情が変わる。
「あんた・・・今、なんて言った?」
突然問い返され、信愛は戸惑いながら答えた。
「え、今ですか?えっと、あ、荒魂って」
ひなたは身を乗り出す。
「荒魂って、あれよね?神の側面を表すヤツ
若いのに、よくそんな言葉知ってるわね?」
「あ、いや、お母さんから聞いたんです
神には荒魂と和魂ってのがあるって」
「でもなんで急に荒魂なんだ?」
龍河が疑問をぶつける。
コメント
1件
×××さん、第270話読み終えました。 ひなたの刑事との掛け合い、本当に痺れましたね。「無関係だと言える証拠があるの?」と詰めるあの冷静な切り返し、彼女のしたたかさと頭の回転の速さが一気に出た印象的シーンでした。そして「荒魂」のキーワードが信愛の口から出た瞬間、空気が変わったのが伝わってきて、一気に核心に迫る予感がしました。 伏線の回収が始まっている感じがして、続きが気になります。面会室という限られた空間で、ここまで緊張感を高められるのがさすがです。