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#普通
野々さくら
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ありあ
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信愛は静かに口を開いた。
「お母さんが言ってましたよね?」
皆の視線が信愛へ集まる。
「イザナギとイザナミは、日本を
造ったとされてる神々の名前で──」
少し言葉を選ぶように間を置く。
「自分の中にある荒魂と和魂を
うまく制御出来ていたからこそ
『国産み』と呼ばれる創造神になれたって」
「ああ、そうだったな」
龍河が頷く。
信愛はそのまま続けた。
「また、荒魂か和魂どちらかに傾いていたら
創造神どころか、その逆、破壊神や
厄災神になっていた可能性もあるって」
「ちょっと待って」
ひなたが口を挟む。
「なんで急に神の名前が出てくるわけ?」
信愛はひなたを見つめ返した。
「私、教団の人間に誘拐されたって言いましたよね?」
「ええ・・・」
「その時に、私を誘拐した目的を聞いたんですよ」
ひなたの目が鋭くなる。
「それで?ヤツらは何て言ったの?」
信愛は小さく首を横に振った。
「話そうとした人を、別の人が
『喋りすぎだ』って止めたんで
全部は聞けませんでした」
それでも、確かに耳にした言葉がある。
「けど──」
信愛はゆっくりと息を吸った。
「『イザナギ』と『イザナミ』の『荒魂』
って・・・確かにそう言ってたんです」
ひなたはその言葉を反芻する。
「イザナギとイザナミの荒魂ね・・・」
沈黙が流れる。
ひなたは腕を組み、目を閉じた。
頭の中で点と点がゆっくりと繋がっていく。
イザナギとイザナミ。そして荒魂。
なぜ荒魂だけなのだろうか。
和魂は必要ないという事か。
それにナワバリ様。
もしかして、ナワバリ様は器なのか。
そうと考えたら、自ずと答えは出てくる。
ひなたは勢いよく顔を上げた。
「もしかしたら、教団の目的は
『この世界を滅ぼす事』かもしれない」
「え!?滅ぼす!?」
信愛が思わず声を上げる。
銚子が静かに尋ねた。
「どういう意味ですか?」
ひなたはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「ヤツらは、この世界を一度『失敗作』
として葬ろうとしてるんじゃないかしら?」
そして、確信を深めるように呟いた。
「つまり・・・『修理固成』よ」
「しゅり・・こせい?」
信愛は聞き慣れない言葉に首を傾げる。
龍河も不思議そうな顔をする。
「何ですかそれは?」
銚子が静かに説明を始めた。
「修理固成と言えば 古事記に
出てくる言葉でしたよね?」
銚子の言葉にひなたは頷く。
「そう、壊れたり乱れたりしたものを
一旦壊して、ちゃんとした形に作り直し
それを安定させる事、それが修理固成」
そう解説しながら続ける。
「『おさめ、つくりかためなせ』
って言ったりもするんだけど
それにイザナギとイザナギの荒魂を
合わせて考えるなら──」
一瞬の沈黙が流れ、ひなたがゆっくりと口を開く。
「国産みの力を破壊に利用しようとしている
こういう解釈ができると思う・・」
信愛は息を呑む。
「は、破壊・・・」
ひなたはゆっくりと皆を見回した。
「要するに、この日本を造った神々の荒魂のみを
ナワバリ様という器に顕現させてこの日本という国を破壊しようとしている」
その場の空気が一気に張り詰める。
ひなたはさらに言葉を重ねた。
「さらに噛み砕いて言えば──」
一拍置き、はっきりと言い切る。
「この日本という国を、無かった
事にしようとしているという解釈になるわ」
「日本を・・・無かった事に?」
龍河が信じられないという表情で呟く。
信愛は疑問を口にした。
「でも、なんでナワバリ様が器になるんですか?」
ひなたは頷く。
「四肢ってのは人間にとって生きる上で必要なもの」
静かだった声に、少しだけ力が宿る。
「それを縄で縛って、自由と尊厳を奪う事で
顕現させた神の荒魂を封じ込めようとしてる
そう考えればナワバリ様は器として
その役割を果たしてると言えるかもの」
「なるほど・・・」
信愛は納得したように頷く。
すると銚子が静かに口を開いた。
「なら、イザナギとイザナミを破壊神として
顕現させようとしているという事ですか?」
「そうなるわ」
ひなたは即座に答えた。
「まぁ、聞いた話から推理した結果
今の話が辻褄が合うって事なんだけどね」
そう付け加えたひなたの表情には、まだ確証には至っていないという慎重さが滲んでいた。
その言葉を聞いた信愛は、青ざめた表情のまま小さく息を漏らす。
「は、破壊神・・・」
コメント
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×××さん、こんばんは、みぅです🤍🥀 「修理固成」の解釈、すごく怖かったです……。神様の名前を出して「日本を無かったことにする」って、あまりにも大きくて冷酷な目的で、読んでて背筋がゾッとしました。ひなたの推理の組み立て方が丁寧で、信愛の青ざめた表情まで目に浮かぶようでした。続きが気になって仕方ないです……!