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第3話 揺れる地図
オアシスの内側で
地面が息をしている
水色に近い水面が
一定の形を保たない
根はまだ細く
岩は落ち着いていない
チョップは
立ち止まらない
筋肉の張りを保ったまま
重心を低く
踏み替えは最小限
道具は出さない
触れない
壊さない
イチョウは
一歩遅れる
視線が揺れる
足先が迷う
この根は踏めるか
この石は崩れないか
判断の間に
水位が変わる
奥で
空気が歪んだ
そこに
一つだけ
形が生まれている
光りすぎない
主張しない
だが
確かに存在している
お宝
チョップは
一直線に行かない
遠回りで
地形を確かめ
近づく
イチョウは
最短を考えて
足を止める
その瞬間
地面が沈む
森が
警告する
奥で
ドラギが見ている
小さな体
未完成の翼
息はまだ弱い
この場所が
壊れた未来
守られた未来
どちらも
想像している
チョップの背
イチョウの迷い
その差を
ドラギは
静かに覚える
息を使う未来を
まだ
決めずに