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「でも・・・・・」


私は独り言を呟いた



しかし、父が死んだとして・・・・美鈴が徹と二人っきりになりたいとて、いったいどうやって邪魔者の私を追っぱらうつもりなのだろう



あの女がうっとうしい義理の娘に愛人を取られたまま、父の未亡人で一生を終わるはずはない。そして前にも言ったように、金を手にしたからといって徹と駆け落ちをするなどという外聞の悪いことを果たしてするのだろうか・・・



なんたって美鈴は大会社の社長夫人と言う社会的立場を気に入ってるのだから


とうとう環状線を降りてトボトボと家に向かって歩いた、実際さっき環状線で考えていたことは後になってから私の心を苦しめた、二人のことを知った直後に私の心を占めたのはこの先、あの三人にどんな態度で接したらいいかという事だった




父の顔を見るのも怖かった。父は私が幸せでないのを表情で読み取ってどうしたのかと聞くだろう




とにかく冷静にあの三人の様子を見よう・・・・






そう考えていた矢先来週から父が出張でまた広島に行くことになった




広島の第二工場をさらに拡大するという事業だった。今回は数か月と言うよりもっと長くなりそうだった、そして美鈴は体調が悪いと言って父には着いて行かなかった



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