翌朝目を覚ました雪子は自分が見慣れない部屋で寝ている事に気づいた。
そうだ、昨夜は俊の家に泊まったのだ。
時計を見ると時刻は午前6時半を少し過ぎていた。
隣に俊はいなかった。
見ると窓辺の椅子の上に雪子の服と下着が綺麗にたたんで置かれていた。俊が置いてくれたのだろう。
雪子は慌ててベッドから起き上がると服を着てすぐに寝室を出た。
リビングへ行くと俊は朝食を作っている最中だった。部屋に入って来た雪子を見ると俊は微笑んで言った。
「おはよう。ぐっすり眠っていたね」
「おはようございます。ごめんなさい、寝坊しちゃった」
「気にしないで、俺が疲れさせちゃったんだから。シャワーを浴びる?」
俊は既にシャワーを浴びたようで髪の毛が少し湿っていた。洗いざらしの白のカットソーにジーンズを履いた俊はとても爽やかだ。
「ううん、今日は仕事だしシャワーは帰ってからにするわ」
「そっか、じゃあ顔を洗っておいで、歯ブラシは出してあるから。それから朝食にしよう」
俊はそう言って朝食作りに戻った。
雪子はバッグから化粧ポーチを取り出すと洗面所へ向かった。
昨晩は化粧をしたまま寝てしまったからきっと酷い顔をしているだろう。
雪子は洗面所へ行くとすぐに鏡を見る。
すると思っていたほど酷い顔はしていなかった。逆に肌が艶々と輝いている。
(あれ? なんか肌が綺麗になってる?)
雪子は不思議に思いながら昨日の化粧をしっかり落とすように丁寧に顔を洗ってから歯を磨いた。
そして化粧ポーチの中にあるものだけで簡単にメイクをする。ナチュラルメイクのはずなのになぜかいつもより肌が綺麗に見えた。
(一晩中汗をかいたから代謝が上がったのかしら?)
そう思いながら雪子はリビングへ戻った。
テーブルの上にはすでに朝食が並んでいる。スクランブルエッグにフレッシュ野菜のサラダ、そしてフランスパンとヨーグルトに淹れたてのコーヒー。部屋にはコーヒーの良い香りが漂っていた。
今朝も至れり尽くせりだ。
「すみません、朝食まで用意していただいて」
「いや、昨夜は運動したから腹が減ったろう? さ、食べようか」
二人は向かい合って朝食を食べ始めた。
テレビにはニュースが流れている。
俊の家で向かい合いテレビを見ながら朝食を食べているのがなんだか不思議だった。
雪子は離婚後初めて男性の家に外泊をした。それがなんとなく新鮮なような? 気恥しいような? とにかく今まで感じた事のない感覚だ。
窓の外には昨夜は暗くて見えなかった景色が見えている。
庭の落葉樹は美しく紅葉していた。庭のウッドデッキには真っ赤なもみじの葉が何枚も落ちている。
窓から差し込むやわらかい光が心地よい。今日も天気は良さそうだ。
ここにこうして座っているとゆったりと時間が流れていく。まるで高原の別荘にでもいるようなこの家は本当に居心地が良かった。
「仕事に出るのは8時半頃だよね? 間に合うかな?」
「大丈夫です。帰ってすぐに支度をしますから」
雪子は俊が作ったスクランブルエッグを口に入れる。
「美味しい! なんかふんわりしてホテルの朝食みたい」
「ハハッ、ありがとう。これくらいなら作れるんだよ」
「朝食を男の人に作ってもらうのって初めてです。なんかちょっと感動しちゃいました」
「前の結婚の時は共働きで忙しい夫婦だったから、俺も時々作ったりしていたんだよ」
雪子は俊の説明を聞いて納得したようだ。
食後雪子が片づけをしようとすると俊に止められた。
「今日は仕事なんだから少しでも早く帰って身体を休めてから仕事に行った方がいい」
俊はどこまでも優しかった。あまりにも優し過ぎるので雪子はくすぐったい気持ちになる。
雪子は近いから歩いて帰ると言ったが俊は送ると言って聞かなかった。結局雪子が折れて車で送ってもらう。
雪子を家の前で降ろすと俊の車は走り去って行った。
家に戻った雪子はすぐにシャワーを浴びて仕事に行く準備を始める。急いで支度したので家を出る時間まではまだ30分ほどあった。
せっかくなのでその時間は紅茶を入れてのんびり寛ぐ事にした。紅茶を飲みながら昨夜の出来事を思い出し雪子は思わず頬を染める。
成り行きでそうなってしまったが雪子は後悔はしていなかった。俊のお陰で雪子は女としての自信を取り戻せたのだ。
昨夜の俊の男らしい動きを思い出すと雪子の心臓がドキドキと高鳴り始める。
(これから仕事なのに)
雪子は両手で頬をピチッと叩くと紅茶のカップをシンクへ持って行った。
そして時間になると家を出て職場へ向かった。
一方、俊は雪子を送った後家に戻ってから食器の片付けをする。その後もう1杯コーヒーを飲んでから車で東京へ向かった。
今日は場の最終チェックをしに行く。この仕事が終われば年明けまでゆっくりできる。
軽快に運転を続けていると車はやがて高速へ入った。
俊は運転しながら昨夜の事を思い返していた。
俊はすっかり雪子の虜になっていた。雪子の身体、声、匂い、そして吸い付くような肌の感触、しなやかな身体……
その全てが俊を夢中にさせる。
今まで付き合ってきた30代~40代の女性達の方がはるかに若くて美しいはずなのに、彼女達とは比べものにならないくらい雪子とのセックスはとても興奮し満たされるものだった。
歳を重ねた女性の凛とした美しさ、包み込むような母性、そして雪子にはとても50代とは思えない初々しさがある。
そんな雪子の魅力に俊は翻弄されていた。たった一晩で俊は雪子の身体を手放せない身体になってしまった。
今も雪子が身をよじる姿を思い出しただけで心が高ぶる。雪子の匂いを思い出しただけでいきり立ってくる。
雪子の喘ぎ声を思い返しただけで身体中が熱くなる気がしていた。
とにかく昨夜は俊にとってはいい意味でのショッキングな夜だった。雪子の事を考えているだけでいつまでも興奮が収まらない。
(参ったな……)
俊はそう呟くと、気を引き締めてハンドルを握り運転に集中した。
コメント
3件
俊さんとの愛溢れる一夜で雪子さんも女としての自信を取り戻し、内面も外見も艶々と美しい女性に変身ですね⤴️⤴️👩✨ そして俊さんも雪子さんの美しく瑞々しい身体と初々しい心の虜になって、アラ還とは思えないほど欲情して愛し合って満たされて〜👩❤️💋👩💘❤️ これからますます2人の愛が盛り上がりそう❤️❤️❤️
俊さんに愛され心も身体も満たされ、女としての自信を取り戻した雪子さん。 お肌も艶々、これからもっともっと美しくなれるね👩✨ そして、アラ還とは思えないイケオジ俊さん.... 雪子さんと愛し合うことで、更に元気が漲り 若さが溢れてきそうですね~😎💪 二人でゆっくりと愛を育みながら、第二の人生楽しんでね💏💖
雪子さんそれは心身ともに満たされて俊さんの愛で潤ったから𓂃 .·˖**⑅୨୧⋆✩ きっと職場の同僚達も気付くと思いますよ😊 お互いもう離れらない、でも急がずゆっくり愛を紡いで行くんだろうな♡₊˚ 🎀・₊✧