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ちいさな手の、まほうの道

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ちいさな手の、まほうの道

10 - 第10話 卵の中の星のかけら

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2025年08月15日

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泉でひと休みしたあと、わたしは金色の卵をそっと持ち上げた。冷たい水のおかげで、もうあつあつじゃない。

でも…なぜか、表面の模様が少し変わっていた。


さっきまではただ金色に光っていたのに、

よく見ると、小さな星の形がいくつも浮かびあがっている。

それは、空にある星座みたいに並んでいた。


「ふしぎ…」とつぶやいたとき、

胸の奥に、あのときと同じようなやさしい声がひびいた。


『ミナ、よく守ってくれましたね』


まわりを見ても、やっぱりだれもいない。

でも声は、あたたかくて、包みこまれるようだった。


『その卵には、星のかけらが眠っています。

 それは、あなたが歩く道を照らす光になるでしょう』


星のかけら…?

わたしは卵を胸に抱きしめた。

そのあたたかさは、ただの光じゃなくて、

わたしを信じてくれる心みたいに感じられた。


丘の上のお祭り飾り場に着くと、

みんなが「よく運んだね!」と拍手してくれた。

わたしは卵をそっと台座に置く。


夕暮れになったら、この卵は飾りのまんなかで輝くんだって。

──そのとき、きっと星のかけらも一緒に光るはず。


わたしは胸の中で、そっとつぶやいた。

「星の女王さま…わたし、会いに行くからね」


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