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ちいさな手の、まほうの道

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ちいさな手の、まほうの道

11 - 第3章 空をとびたい! 第11話 とびたいの

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2025年08月16日

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星のおまつりまで、あと四日。村じゅうの空気が、なんだかキラキラしている。

広場では大きな木のてっぺんや屋根の上に、

赤や青、金色の布がひらひらとかけられ、

金色の卵もそのまんなかできらきら光っていた。


わたしは、うっとりしながら見上げた。

あんな高いところに、自分の手で飾りをつけられたら──

きっと、すごくうれしい。


お兄ちゃんにそう話すと、

「ミナは小さいから、届かないよ」って笑った。

その笑いはやさしくて、頭をぽんぽんと撫でてくれたけど、

わたしの心は、むくっと小さな反抗をはじめた。


──わたしだって、とべるはず。

  小さいからって、できないなんて、いや。


その日の夕方、丘の上まで登ってみた。

空はすこしずつ群青に変わって、

西のほうがオレンジ色に染まっていた。

高い空をツバメがひゅんひゅん飛び、

そのあとを小さな虫たちが追いかける。


あんなふうに羽があれば、

星の女王さまのところへだって行けるかもしれない。


「とんでみたいな…」

思わずつぶやいて、両手を大きく広げた。

風がスカートをふわっと持ち上げて、

ほんの一瞬だけ、地面から浮いたような気がした。


そのとき、どこからか光がふわりと舞いおりてきた。

ひとひら、ふたひら…それは雪みたいに軽くて、

でも溶けないで指先に残った。


よく見ると、小さな粉がきらきら輝いている。

金色でも銀色でもない、不思議な色の光。


「…星の粉?」


粉はわたしの手のひらから風に乗り、

空へ戻っていった。

その残り香のような光が、

なんだか「こっちへおいで」と呼んでいるように感じられた。


わたしは胸の中で、小さく決意した。

──紙のつばさを作ってみよう。

  それで、この粉の道を追いかけるんだ。

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