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ーーーこれは夢か?
濃い霧のなか、笑い合って立っている俺と、銀の髪の巫女と思われる少女、ふわりとした赤髪丸メガネの少女。頭には犬のような耳がついている。
(なんなんだ、この夢)
俺は霧のせいでモヤのかかった3人を、ただ呆然と見ているだけ。
最近よく見るただの夢だ。でも、前と違う。龍がいるのだ。白く輝く鱗、長い髭。俺の周りにまとわりついているその龍は、見ているだけだった俺に近づいてきて、、、、、、、、、
「はっ!」
自室のベットの上だった。
いつも思う。夢だとわかっているのに、覚めた瞬間とてつもなく安心するのは何故だろう。
寝汗をかいている体は汗ばんでいて気持ち悪い。風呂に入ってから会社に向かおう。
そんなことを考えながら起き上がる。寝坊はしていないようだ。
シャワーを浴びて、スーツを着る。朝ご飯は食べない。
さっさと家を出ると、駅へ向かう。横断歩道に差し掛かった時
「にゃーあ」
猫か、と思い振り返った瞬間。
『キキーー!!!!』
大型トラックが突っ込んできた。あのまま足をすすめていたら、、、考えるだけで恐ろしい。
「なんなんだ、、、?」
車に警戒しながらも駅へ着く。ホームで電車を待っていると
『とんっ』
背中を押された。そのままよろけてレールに倒れ込みそうになる。
「危ない!」
その瞬間、腕を強く引っ張られ、なんとか落ちずにすんだ。
「大丈夫ですか?」
助けてくれたのは、女性。
「ああ、ありがとうございます。大丈夫です」
「もしかして、飛び込もうとしてましたか、、、?」
「そんなわけないじゃないですか!いきなり背中を押されて、、、」
女性はとても申し訳なさそうな顔をして、「すみません」と謝ってきた。
「じゃあ、私はこれで」
そう言って去っていく女性の背中を見送り、電車に乗り込む。
電車に乗り込む瞬間、
「残念、助かったな」
小さな声で、でもはっきりと、誰かの呟きが聞こえた。