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放課後の教室。
夕日が窓から差し込み、教室を橙色に染めていた。
窓際に立つ信愛は、腕を組んだまま黙って外を見つめている。
その横顔はどこか険しく、茜が何度呼びかけても耳に入っていないようだった。
「ねえ? 信愛?」
返事はない。
茜は首を傾げながら、もう一度声を張る。
「信愛ったら! ねえ!」
ようやく信愛が我に返り、ゆっくりと振り向いた。
「あ、茜・・・」
茜は苦笑いを浮かべる。
「ずっと上の空だよ?」
「あ、う、うん・・・」
気まずそうに視線を伏せる信愛を見て、さくらが優しく尋ねた。
「やっぱり美月ちゃんが心配?」
「そう・・だね・・・」
信愛は小さく頷く。
すると茜は、少し思い切ったように口を開いた。
「そんなに心配なら私たちだけでやってみる?」
「え?」
「霊貴冥孤だよ!霊貴冥孤!」
茜は信愛の目を真っ直ぐ見据える。
「私たちだけで会ってみない?」
「で、でも・・・」
信愛はためらいを見せる。
「だって許せないんだよね?」
「そうだけど・・・」
茜は悪戯っぽく笑うのではなく、真剣な表情で言葉を続けた。
「悪いけどね・・霊貴冥孤が許せないのは
私たちも一緒だからね?」
「え?」
信愛は驚いたように目を見開く。
茜はゆっくりと仲間たちの名前を挙げた。
「佳苗や千歳さんにおじろくおばさ、そして絹さん」
一人ひとりの顔を思い浮かべるように続ける。
「私たちも信愛と一緒に、色んな人や霊を見てきた」
茜は拳を握る。
「それを利用してお金儲けしてる霊貴冥孤が
許せないのは私たちも同じだから」
「茜・・・」
信愛の声が小さく震える。
さくらも穏やかに微笑みながら頷いた。
「そうだよ、信愛」
「さくら・・・」
信愛は二人を見つめ、胸の奥が少しだけ熱くなるのを感じていた。
すると教室に焔垂と朝陽が入ってくる。
焔垂が腕を組み、力強く頷いた。
「悪いけど俺もだ」
信愛は思わず彼を見つめる。
「八乙女くん・・・」
すると朝陽も一歩前へ出て、勢いよく手を挙げた。
「僕もです!」
そのまま考えを口にする。
「もしかしたら、お母さんが霊貴冥孤の
標的になってたかも知れないんですから!」
「朝陽くん・・・」
信愛の胸に、仲間たちの想いが少しずつ染み込んでいく。
焔垂は口元に不敵な笑みを浮かべた。
「やろうぜ!俺ら怪異探求倶楽部で!」
そして拳を握り締める。
「詐欺師の化けの皮、剥がしてやろうぜ! な?」
「うん・・・そうだね」
信愛はゆっくりと頷いた。
しかし茜はすぐに現実的な問題を口にする。
「でもさ?まずは霊貴冥孤が何処に居るか
それが一番重要じゃない?」
「確かにそうだね・・・」
信愛も同意する。
さくらは腕を組みながら首を傾げた。
「この中で誰一人、霊貴冥孤に
会った事ない訳だしね」
その言葉に、焔垂がすぐさま反応した。
「いや、一人いるだろ」
「え? 一人?」
信愛が目を丸くすると、朝陽が何かを思い出したように声を上げた。
「あっ!そっか!」
教室中に響くほどの声に、さくらが驚いて振り向く。
「何? 急に大声出して?」
朝陽は興奮した様子で答えた。
「お母さんですよ!僕のお母さん!」
焔垂も力強く頷く。
「その通り!」
信愛もようやく思い出したように表情を明るくした。
「あ!そうだったね!絹さんは
霊貴冥孤に会った事あるんだったね!」
「あ! 確かに!」
さくらも納得したように手を打つ。
朝陽は期待を込めて言う。
「お母さんなら霊貴冥孤の居場所知ってるかも!」
信愛はすぐに決断した。
「なら明日! 学校休みだから
朝陽くんの家行って良い?」
朝陽は嬉しそうに大きく頷く。
「もちろんです!」
焔垂は拳を握り、笑顔を見せた。
「よし!決まりだな!」
茜も明るく笑う。
「明日だね!」
教室には、さっきまでの重苦しい空気はもうなかった。
霊貴冥孤へたどり着くための最初の手掛かりが、ようやく見つかったのだった。
コメント
1件
いやー、今回のエピソードめっちゃ熱かった!信愛が仲間たちに背中を押されて「私たちだけでやる」って決意する流れ、ガチでグッときたわ。茜の「許せないのは私たちも一緒」ってセリフ、重みあるよね。焔垂の「詐欺師の化けの皮剥がそうぜ」も最高に痺れた。そして絹さんって新たな手がかり!次回、朝陽ん家でどんな話が聞けるのかマジで気になる。みんなの結束が固まって、いよいよ動き出す感じがたまらん🔥
#普通
野々さくら
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ありあ
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