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照への想いを自覚してからも、仕事の時は今まで通り何もなかったかのように振る舞うことができるはずだった。
しかし、楽屋での何気ない時間の中で、照との距離感がどこかぎこちないことに気づいてしまう。
「おいふっか〜、次のリハの準備できてる?」
照の声に、少し遅れて反応してしまう。
「……ああ、すぐ行く。」
翔太が不思議そうな顔で俺を見たが、特に何も言わずに視線を逸らした。
リハーサルの最中も、いつもなら何気なく触れていた肩が、今日は微妙に避けてしまう。
(……この気持ちはどうするべきなんだ?)
照の視線を感じるたび、心が揺れた。
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数日後、メンバーと一緒に撮影があった。
カメラが回る中、メンバーと自然な掛け合いをしていたが、照とはどこかぎこちない距離感を保っていた。
「ふっか、なんか変じゃね?」
佐久間が首を傾げる。
「そうか?」
平静を装ったが、思わず視線を逸らしてしまった。
「まぁ、気のせいか。」
佐久間はあっさり流したが、俺の中で焦燥感が募っていく。
その日の帰り道、照がふいに俺を呼び止めた。
「ふっか、」
静かな夜の街を並んで歩く。
「最近、なんかおかしいよ。ずっと上の空だし、なんか悩みでもあんの?」
照の低い声が、夜風に溶けて消えた。
俺は答えられなかった。
割り切れるはずの関係だった。
けれど、触れた肌の熱が忘れられない。
このまま曖昧な関係を続けるのか、それとも
――**境界線を越えてしまうのか。**