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「瑠衣。この指輪は、俺と瑠衣だけの夫婦の証だ。これからの人生、瑠衣だけを愛し抜く事を、ここに誓います」


侑と同様に、瑠衣もブラックダイヤモンドの指輪を手にすると、筋張っている左手の薬指にはめていく。


「侑さん。こんな私を好きになってくれて……たくさん愛情を注いでくれて…………本当にありがとう。これからの人生、侑さんだけを愛し抜く事を、ここに誓います」


それぞれの左手の薬指に燦然と輝く結婚指輪。


濃茶の瞳を潤ませて今にも泣き笑いしそうな彼女が、彼にとって愛おしくてたまらない。


侑は繊麗な瑠衣の両肩にゆっくりと手を添えると、顔を傾けながら唇をそっと重ねた。




立川音大で、師匠と弟子として出会った二人。


瑠衣が中学時代から憧れ続け、大学時代の恩師でもあり、愛している男が今、目の前にいる。


侑の門下生でも特に気に掛けていた教え子でもあり、愛している女が今、目の前にいる。


彼女が大学を卒業したと同時に彼がオーストリアへ移住し、別の道を歩み始めてから、二人の間で淡々と刻み込んでいた運命の時計が、ピタリと止まった。


二〇二四年の夏、侑と瑠衣は、かつて赤坂見附にあった娼館で客と娼婦として再会した事で、緩やかに流れ始めた二人の時間。


再び巡り会えた彼と彼女は、この一年以上の間、様々な試練と苦難に翻弄されながらも乗り越え、ようやく本当の夫婦になったのだ。


瑠衣は正々堂々と言える。


侑を愛している、と。


侑もまた自信を持って言える。


瑠衣を愛している、と。


侑の生まれ故郷でもあり、瑠衣が訪れてみたかったオーストリアの地で、一生の愛を誓う事ができて、二人は幸せを噛み締める。




侑が瑠衣の小さな唇をそっと食み、顔を離す。


「瑠衣。誰よりも何よりも…………お前だけを愛してる」


「侑さん。私も…………あなただけを愛してます」


二人は、ひとしきり見つめ合うと、どちらからともなく穏やかな笑みを見せ合う。


彼の腕が自然と彼女の身体を抱き寄せながら、蕩けてしまうほどの甘やかなキスを交わす。


一生愛していくという、誓いの口付け。


互いの唇が重なり合った瞬間、教会の鐘が厳かに鳴り響き、結婚を祝福するように二人を優しく包み込んだ。






——La fine——

もう一度、きかせて……

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