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ゆーかり🌿.⋆。 お休み中
#闇
ruruha
807
夜雲.
2,101
ruruha
672
『うっ……う〜〜〜ん………』
ハンスが重い瞼を開けて目を覚ますと、
そこは病室のベッドの上
横にはロスが丸椅子に座り
リンゴの皮をナイフで剥いていた
『おっ、やっと目を覚ましたか…ハンス』
『ロス……!あの眼帯のおっさんは……』
丁寧に皮を剥いたリンゴを皿に置き
ロスは灰皿で山になった吸殻を咥えて言う
『死んだ……特に有益な情報も出さずにな』
ロスは縮み切った吸殻にライターで火をつけた
肺の奥まで吸い込まれた青白い煙が、
やがて天井へ向かって這い上がっていく
『ただ、ひとつ────』
『「神を作る」だの言ってたな』
誰9話【禁忌の石”アニマ・クルシス”】
その集まりは薄暗いバーで行われていた
スーツを着こなした男女、それぞれ三人ずつ
合計六人
そして、全員の額に同じく刻まれる
赤い蛇の紋章────
『やっと良い獲物を見つけたようですね?蛇顎旅団の皆様……』
バーテンダーの細身の男がそう言うと
カウンターに座った豊満な女が口角を上げる
『ええ、私にピッタリな良ィ男の子よ……』
『ほう…良い男………』
バーテンダーはグラスを拭きながら、
しばらく考え込んで言う
『ロス・タンカー……とか?』
すると、女はさっきとはどこか違う笑みを見せ
カクテルのグラスの縁を中指でなぞって言う
『違うわよ〜……あんな足が速いだけの男』
前髪に隠れた女の赤眼がギラリと光り
薄暗い部屋を一瞬だけ赤く灯す
『私が欲しいのは優れた異能……それ以外の実力だの称号だのはぜェ〜んぶいらないの』
拭いたグラスを棚に戻したバーテンダーは
カウンターへ振り返って
『では───誰を狙っているんですか……?』
それを聞いた女はさらに笑みを深くして
バーテンダーの顔を見上げ、言い放つ
鼓膜に響くような、甘い声で
『───ハンス君よ』
『ハンス……?あの金髪の子供ですか?』
『ええ…あの子なら”神”を作れるもの』
女が上機嫌にバーテンダーと話している中
テーブル席に座った小柄な少年が口を開く
『それでェ……ボクらはいつ動き出すの?』
女はカクテルを一口飲み、
ゆっくりと振り向いて肩越しの五人へ言う
『そうねェ……死人が動き出してから、かしら』
『死人───てことは、石を使うつもり?』
『んー?いいえ……もう使ってるわ』
禁忌を宿す石────
”アニマ・クルシス”
血を彷彿とさせるように赤黒いその小石は
持つ者の【異能の本領】を増幅させる
ラスクの異能は”静電気”であるが
努力の末、落雷にまで進化をしたように
その石は努力なしで異能を強制強化させる
よって、現在アニマ・クルシスの所有は犯罪
しかしその石は────
今、女の手の内に握られていた
『蛇顎旅団は、誰一人欠けちゃいないわ』
コメント
1件
第9話、読み終えました! ロスの煙草とリンゴの皮むき——あの静かな仕草に「語らない男」の心情が滲んでいて、一瞬で引き込まれました。新たに「蛇顎旅団」と禁忌の石が登場して、物語の広がりが一気に加速しましたね。女が「神を作れる」とハンスを狙う台詞も不気味でゾクゾクしました。次が気になって仕方ないです……!