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#ざまあ
#裏切り
#モテテク
留置所の冷たいコンクリート壁に囲まれ、俺は膝を抱えていた。
硬い床の冷たさが、全身に染み渡る。
会社、実家、そして陽太……。
すべてを失った。だが、俺はまだどこかで、ほんの少しだけ期待していた。
「莉奈だけは、本当は俺を愛していたんじゃないか。あいつも追い詰められて、あんな酷いことを言っただけじゃないのか」と。
いつか、あいつが俺を助けに来てくれる。
そんな淡い幻想を捨てきれずにいた。
そんな俺のもとに、一通の手紙が届いた。
差出人は、莉奈。
「……莉奈。やっぱり、あいつ……」
震える手で封を切る。中には、一枚のカラー写真と、短いメッセージが入っていた。
写真は、豪華な結婚式場。
そこには、恰幅の良い年上の男と腕を組んで、幸せそうに微笑む莉奈の姿があった。
『直樹さんへ。無事に刑務所行きが決まりそうで安心しました。あなたから頂いた「手当」のおかげで、狙っていた資産家の彼と無事に結婚できました
式場は、あなたと不倫旅行で行ったあの旅館の系列ホテル。
あそこ、内装は最高だったから。
あなたの奥様が言っていた通り、あなたは本当に「使い勝手のいい財布」でした。
あ、借金の督促が莉奈のところに来ないように、あなたの署名入りの借用書、警察に提出しておいたから。
一生かけて、塀の中からでも返してね。さようなら、無能な元上司さん』
「……ぁ……っ……あああああああああ!!」
喉が裂けるような叫びが、留置所の廊下に虚しく響いた。
唯一の「戦利品」だと思っていた莉奈からも、俺は最初から最後まで、ただのゴミとして利用されていた。
それどころか、あいつは俺に「借金の肩代わり」という消えない呪いの鎖まで嵌めていったんだ。
俺が、詩織を檻に閉じ込めて、家計簿の一円単位で支配していたつもりだった。
だが、今の俺はどうだ?
一円も持たず、鉄格子の檻の中で、一生かかっても返せない借金の計算に明け暮れる。
詩織は……あいつは今、俺の手の届かない場所で、自分の力で光の中を歩いている。
俺が「無能」と決めつけ、踏みにじってきた女は、もう俺のことなど一欠片も思い出さないのか。
檻の中に残されたのは、俺だけだ。
暗闇の中、俺はただ自分の犯した罪と
救いようのない愚かさに、血の涙を流し続けるしかなかった。
【残り82日】