この作品はいかがでしたか?
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(前回までのあらすじ 新しい絵画教室に来たモデルの小鳥遊さん。でも、そこはマンションの1階で、カーテンを開けると道路から丸見え。私、ヌードモデルなんですけど……。と、そこに下校中の子ども達が通りかかってきた。子どもたちは無邪気に応援してくれるけど、は、恥ずかしい……。しかも、それだけで終わりじゃなくて……)
やがて子供たちはいなくなってしまった。でも、今度はさっきよりももっとたくさんの人が来てしまった。しかも今度は大人の男性ばかり。男の人たちに囲まれて、なんだかいやらしい気分になってしまう……。
「へー、これがヌードのモデルか」
「すげぇー」
男の人たちは感心したように言う。そしてしばらく私のことを見つめていたけれど、私は丸裸で立っていることしかできなかった。
「少しポーズを変えてみましょうか」
先生がそう言って、私のそばにやってきた。
「今度は、そうですね、こっちの足を上げて、椅子の上に置いて」
言われた通りにする。でも、このポーズだと、道路に向けてアソコが丸見えになっちゃう……恥ずかしすぎる。
「じゃあ次は、こうやって前屈みになって」
「はい」
「そうそう、そのままじっとしていてね」
「はい……」
「じゃあ、次のポーズいきますよ」
先生が別の指示を出してくる。でもその度に、私に向かって男性の視線が集まっていくのを感じる。恥ずかしくてしょうがない。私はもうどうしたらいいかわからなくなってきていた。
するとその時、先生がとんでもない行動に出た。なんと先生が私のお尻を触ってきたのだ。「きゃあっ!?」突然の出来事に、私は悲鳴を上げてしまう。
「あ、ごめんなさい。手が滑った」
「先生、何しているんですか」
周りの男性が先生に注意した。
「すみません。ちょっとポーズの修正をしようと思って。このポーズ、おしりもう少しこっちで」
「えっ、は、はい……」
「あ、そうです。そんな感じ」
「あ、あの……先生、あまりそこばっかり触られると、恥ずかしいというか」
「ああ、そうだね。悪かった」
先生は謝ると、後ろに下がっていった。先生、少々触ってもいいんで、カーテン閉めてくれませんかね……。
モデルを始めてだいぶ時間が経ったので、辺りはすっかり暗くなっていた。だけど、部屋の中は明るいから、ますます外から丸見えに……。私は恥ずかしさで死にそうだった。
「はい、じゃあこれで終わりにしましょう。みなさん、お疲れ様でした。ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。では、終了!」
先生の声で、みんなは散っていった。
「それじゃ、モデルおつかれさまでした」
「あ、はい、どうも……」
今までにないくらいたくさんの人に裸を見られて、なんだかいつも以上に疲れちゃった。でも、お金のためだもん、仕方ないか……。そう思いながら、服を着て帰ることにした。
でも、外に出ると、ヌードを見ていた人たちが話しかけてきた……。やめてぇ~
「どうでしたか? モデルの方は?」
「すごく綺麗でしたね。モデルになる人って、やっぱり美人が多いんですか?」
うっ、この人たち、まだ残っていたんだ。ほめてくれるのはうれしいけど、ちょっと、やだ。
「いえ、そんなことはないですよ。ただちょっと人より肌が白いだけです」
「なるほど、そうですか。あ、そうだ。記念に写真を撮らせてくださいよ」
「写真?」
「ええ、ヌードの写真ってなかなか手に入らないから」
「い、いや、それはちょっと」
「いいじゃないですか。せっかくだし」
「で、でも……」
「いやぁ~、モデルになる人はみんなきれいだから羨ましいなぁ」
うっ、そんなこと言われたら、断りにくいじゃない……もう、早く帰ってくれないかな。
「じゃあ、一枚だけなら……」
「やった! じゃあ早速撮りますよ。はい、チーズ」
パシャッ。フラッシュが光る。
「うわあ、いいですね。最高です」
男は満足げに言った。
「あ、でも顔が写っちゃいましたね。まあいいか」
「そ、それより、もう帰りたいんですけど」
「ああ、すみません。つい夢中になっちゃって。それじゃ、今日はありがとうございました」
「はい、こちらこそ」
私はやっと解放されてほっとした。今日はゆっくり休もう。
……小鳥遊帰宅後の絵画教室
なぜか、道路を通りかかった男たちがいた。
「いやぁ、先生、おかげでいいもの見れましたよ。これ、少ないけど、とっといて。お礼だよ」
「や、こりゃどうも。……これでモデル代ぐらい、すぐ貯まりますね。そしたら、また……」
(終り)
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