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四月もそろそろ終わりに近付いてきた月曜日。


この日、仕事が休みだという奏との練習を終え、リビングでコーヒーを飲みながらくつろいでいる。


「そろそろ申し込み締め切りに近付いてるよね。もう書類は郵送したの?」


「…………あ! まだ申し込み書類、書いてなかった……」


奏が両手でマグカップを包み、苦笑しつつも、『瑠衣ちゃ〜ん頼むよ〜』とツッコミを入れると、瑠衣は書類をローテーブルに持ってきてペンを取り出した。


「危ない危ない……。奏ちゃんが言ってくれなかったら、すっかり忘れる所だったよ……」


必要事項を記入し、返信用の封筒の中に書類を入れて封緘ふうかんし、切手を貼る。


「できた!」


瑠衣が封筒をまじまじと見つめながら、嬉しそうに唇を綻ばせた。


あとは書類を郵送して、本番までしっかり練習するだけだ。


瑠衣と奏は、『本番まで頑張っていこうね』と互いに励まし合った。




いつしか夕刻になり、奏は立ち上がって楽器ケースを持つ。


「じゃあ、そろそろ私、帰るね。今日は怜さん、仕事で遅くなるから迎えに来れないって言ってたから電車で帰るよ」


「なら、新宿駅まで送るね。ここからだと二十分くらい歩くんだよね」


「本当!? ありがとう!」


瑠衣は小さなバッグに貴重品と封筒をしまい、玄関へと向かうと、奏も後に続く。


外に出ると、大分日が延びたせいか、まだ少し明るい。


新宿駅までの道のりを、二人は緩やかなスピードで歩いていく。


「瑠衣ちゃん、ちゃんと封筒をポストに投函しないとダメだよ」


「それは大丈夫!」


「ホントにぃ? さっき、私が言ってくれなかったら書類を書き忘れたままだった、なんて言ってたから、ちょっと心配だなぁ〜」


奏がニヤっとしながら揶揄い混じりに言うと、『大丈夫だし!』と瑠衣が答えた。




大通りに差し掛かる直前、前方に黒ずくめの服装をしてサングラスを掛けた男の集団が目に入る。


一人がスマホの画面と前方を交互に視線をやり、一人が電話を掛け、残りの男らは回りをキョロキョロと周囲を見回している。


瑠衣は何だか物騒だな、と思いつつ、そのまま奏と新宿駅へ向かう。


集団とすれ違う瞬間、そのうちの一人が突然『いたぞ! この女だ!!』と言い、瑠衣の腕をギュッと掴んで引っ張り出した。

もう一度、きかせて……

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