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5 - 第3話 「碧族の生き方」

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2025年02月11日

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第3話 「碧族の生き方」




🚀 シーン1:碧族の隠れ家


暗い路地を抜け、然(ぜん)とナヴィスはボロボロのビルに足を踏み入れた。

そこは、表向きは廃墟に見えるが、碧族たちの隠れ家となっている場所だった。


「ようこそ、碧族のアジトへ」


ナヴィスが腕を広げると、然の前に広がったのは意外にも整った空間だった。

壁の一部にはモニターが埋め込まれ、碧いデータが流れる。

テーブルにはコードが剥き出しの端末や、ライフカードが並べられている。


「……思ったよりまともな場所だな」


「そりゃそうだろ? 碧族は“生きるため”に動いてんだからな」


ナヴィスは肩をすくめながら、長椅子にドカッと座った。

然は部屋を見渡しながら、深く息を吐いた。


「で、これから何をするんだ?」


「まず、お前に碧族としての基礎を叩き込む」


ナヴィスはポケットから1枚のカードを取り出した。

それは、名刺サイズの半透明なカードで、青白い文字が浮かび上がっている。


「……これがライフカードか?」


「正解。お前の寿命はここに記録されてる」


然は慎重にカードを受け取る。

**《残存寿命:365日》**と表示されている。


「1年しかないのか……」


「ま、碧族になったばかりなら普通だ」


ナヴィスはカードを指で弾きながら言う。


「それを増やすには、どうするか知ってるか?」


然は答えなかった。


ナヴィスは軽く笑いながら言った。


「簡単な話だ。碧族を“保護”すればいい」


「……つまり、他の人間を碧族にすれば?」


「そういうこと」


然は無意識に拳を握った。


「……そんなの、ただの命の奪い合いじゃないか」


ナヴィスは然の顔をじっと見つめた後、軽く笑った。


「安心しろ。無理に誰かを碧族にしなくても、やり方はいくらでもある」


「どういうことだ?」


「それも含めて、お前に教えてやるよ」


ナヴィスの明るい碧い瞳が鋭く光った。





🚀 シーン2:碧族の基礎


「まず、碧族として必要な知識を叩き込むぞ」


ナヴィスは端末を操作し、壁のモニターにデータを映し出した。

そこには**「フラクタル基礎理論」**と書かれている。


「フラクタルは、簡単に言えば“プログラム”だ」


ナヴィスは指をスライドさせ、さらに説明を続ける。


「簡単なコードなら寿命をあまり消費しない。だが、複雑なものほど寿命を喰う」


「……俺の《オーバーライド》はどうなんだ?」


然は自分の左腕を見つめる。


「相手のフラクタルを改変する能力……か」


ナヴィスは顎に手を当て、少し考え込むような仕草を見せた。


「正直、お前の能力はまだ使いこなせてねぇ。でも、使い方次第じゃ最強のチート能力になりうるな」


「……チートね」


然は苦笑しながら腕をさすった。


「ま、ゆっくり学んでいけ。お前には時間が——」


その時——


「侵入者発見!ヴェール・バインドの追跡信号を確認!」


すずかAIの冷静な声が室内に響いた。


「……ったく、休む暇もねぇのかよ」


ナヴィスは舌打ちしながら立ち上がる。


「ゼイン、戦う準備はできてるか?」


「……然だ」


「いや、ゼインだ」


ナヴィスはニヤリと笑い、然の肩を叩いた。


「いいか、ここが“碧族の世界”だ。お前の名前なんざ、もうどうでもいい」


然はナヴィスの顔を睨みつけたが、言い返すことはできなかった。


「行くぞ。今度は、逃げるだけじゃなくて反撃する」


——碧族としての初めての戦いが、始まる。


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