テラーノベル
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結局俺ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。
そんな嫌な共通点で俺らは簡単に信じあってきた。
照の手を握った時、微かな震えも既に無くなっていて
誰にも縛られないで二人線路の上を歩いた。
金を盗んで、二人で逃げて、
どこにも行ける気がしたんだ。
今更怖いものは俺らにはなかったんだ。
額の汗も、落ちたメガネも
💜「今となっちゃどうでもいいさ。」
💜「あぶれ者の小さな逃避行の旅だ。」
いつか夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら、汚くなった俺たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?
💛「そんな夢なら捨てたよ、だって現実を見ろよ。」
💛「シアワセの四文字なんてなかった、
今までの人生で思い知ったじゃないか。」
💛「自分は何も悪くねぇと誰もがきっと思ってる。」
あてもなく彷徨う蝉の群れに、
水も無くなり揺れ出す視界に、
迫り狂う鬼たちの怒号に、
バカみたいにはしゃぎあい
ふと照はナイフを取った。
💛「ふっかが今まで傍にいたからここまでこれたんだ。」
💛「だからもういいよ。もういいよ。」
💛「死ぬのは俺一人でいいよ。」
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