「俺の隣にいるお前は、いつも俺以外を見てた」
身体中に駆け巡る焦燥や葛藤を抑え込み、ようやく紡ぎ出した言葉に、そんな場合ではないのに、胸のつかえが取れるような不思議な感覚がした。
彼女と共に過ごした十余年の間に、いつしか諦め、呑み込むことを覚えた感情は、とても他人には見せられない色をしている。
純粋さを通り越し、淀み、混沌と、黒く塗り潰され、重たく、落ちる。
そんなものが俺の中に居座っていることが怖ろしく、けれど、晒してしまえるだけの勇気もない。
だから、仕舞うことにしたんだ。
俺の内の奥底、俺ですら存在を忘れる程の最奥、頑丈な鍵で施錠し、歪な形をした箱に押し込めて。
そうしたはずだったのに。
「……邪魔じゃなかったか? 今の、お前の好きなタイプだっただろ」
いつから脆くなっていたのか。
固く閉ざしたはずの鍵穴は。
俺から彼女を傷つける言葉を引き出*********
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