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男が宿泊していると思われる部屋に入り、長めの廊下を拓人に先導されて歩いていくと、突き当たりのドアを開け、優子を通した。


いわゆるロイヤルスイートルームなのだろうか。


広大なリビングルームの奥には、全面ガラス張りのスライドドアになっており、その向こうには夜景が広がっている。


左手にはシャワールーム、カウンターバーとキッチン。


右手には別のドアがあり、恐らくベッドルームと思われる。


(何なのよ……この男……)


ひと目見て高級と分かる調度品に囲まれた優子は、ソワソワしてしまって落ち着かない。


「こんなホテルの部屋……初めてなんだけど……。ここがアンタの宿泊している部屋?」


呆気に取られながら、リビングを見回す優子。


「宿泊っていうか……今日から暮らし始めた部屋……っていうのかな」


「はぁ!?」


拓人の発言に、女は素っ頓狂な声を出すと、眉目秀麗な顔立ちを見上げた。


ホテル暮らしなんて、芸能人とか、よほどのセレブリティだけの世界かと思っていた優子は、この部屋にいるのが夢なのか現実なのか、混乱しそうになっている。


「さっきから思ってるんだけどさ……。そこのデパートで私の化粧品を買ってくれたり、スカイラウンジでお酒を飲んだ時もそうだけど、全部ブラックのクレカで支払いしてたよね? アンタ…………本当に……何者なの?」


優子は、訝しげに顔を歪ませ、男に疑惑の眼差しを突いた。


「…………俺が何者か……知りたい?」


瞳がウルウルしてしまいそうな、胸の奥をくすぐる笑みを湛えた拓人は、優子の腰に腕を回して強く引き寄せると、白い首筋に唇を落とした。




「ちょっ……いきなりっ……!?」


「俺が何者なのか…………知りたいんだろ?」


耳元で蕩けそうな声色で囁く拓人に、優子の耳朶を舌先で嬲られ、ヌチュヌチュと音を立てられる。


「なぁ、あんた…………もう長い事、男とヤッてないんだろ? ムショに入ってたら、当然セックスなんて、できないもんなぁ?」


「……っ」


表情を強張らせつつも、耳朶に感じる男の息遣いと熱に、優子の身体は脱力しそうになってしまう。


「まさか…………イケメンの刑務官と……ブタ箱の中でセックスしてたとか?」


「そっ…………そんなワケないっ……でしょ……!?」


拓人が甘く囁く冗談に狼狽えながらも、優子の身体は、徐々に絆されていき、艶めいた吐息を零していた。

暁光の最果てまで向かって

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