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教室の時計をぼんやり見てた。
二限目が終わって、
周りの子たちはお菓子交換したり、スマホ見せ合ってたり。
「……うるさい」
って、口には出さずに、心の中でだけ呟いた。
隣の席の子が「ねえ聞いてる?」って話しかけてきて、
それに「うん」ってだけ答える。
嘘でも共感してほしいんだろうなって思うけど、
そういうの、どうしてもできない。
⸻
昼休み、屋上に行った。
誰もいない場所で、やっと一息つける。
バッグからカフェオレを取り出して、ベンチに腰を下ろす。
昨日の夜、俺(あいつ)と歩いた道が、
なんとなく思い出される。
別に楽しかったわけじゃない。
でも、
「ひとりよりマシだった」
って思ったのは、本音だった。
⸻
(……帰ったら、また適当に何か言ってくるんだろうな)
「太るぞ」とか、「部屋散らかしすぎ」とか。
うるさいけど、黙ってるよりはマシ。
わたしはスマホを取り出して、
未読の通知を雑に消して、空の空を見上げた。
風が髪を揺らして、ピアスが小さく揺れた。
⸻
(……やだな)
ちょっとだけ、誰かといる自分に慣れそうになるのが、
なんか、怖い。