テラーノベル
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花散家に来て、数日が経った。
生活は、思っていたより穏やかだった。
ご飯の時間があって、
誰かの気配があって、
眠る場所がある。
――だからこそ、ふと思った。
いや、正確には。
前々から、ずっと気になってはいた。
考えたら、
一気に消えてしまいそうで怖くて、
考えないようにしていただけで。
でも今は、違う。
ちゃんと、ここにいる。
だから、考えてしまった。
僕がいなくなったら――
光子郎のお守りや、
クラウンクレインの記録者は、どうなるんだろう?
僕が消えたら、
周りの人は忘れる。
じゃあ、今までの生活とは
まったく違う暮らしが始まるはずだ。
権兵衛が記録者になるのは…
まぁ……なんとなく想像がつく
でも
僕の代わりって、誰だろう?
⸻
最初に、権兵衛に聞いてみた。
「ねぇ、もしさ」
いつも調子で切り出す。
「僕がいなくなったら、
記録者ってどうなると思う?」
権兵衛は、一瞬固まった。
それから、
信じられないものを見る顔をした。
まるで、この世の終わりみたいな顔。
「……考えたこと、なかった」
声が、やけに真面目だった。
「そんなの……」
言葉が続かない。
その顔があまりにも深刻で、
逆に――
「……ふふ」
笑ってしまった
「ちょ、笑うな!」
「だって、その顔」
権兵衛は少しむっとしながらも、
どこか安心したようだった。
ちゃんと、考えてくれるんだなって思った
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
光子郎にも、聞いてみた。
「ねぇ、光子郎。
もし僕がいなくなったら、記録者ってどうなると思う?」
光子郎は、間を置かずに言った。
「どうでもいい」
「……え?」
思わず聞き返すと、
光子郎は少しだけ声を強めた。
「そんなこと、どうでもいいと言っているのだ」
「もう、ひっどいなぁ笑」
僕は笑った。
いつもの調子で。
でも、どこか寂しさを隠すみたいに。
光子郎は、純の方をしっかり見た。
「今は、純を治すことのほうが大事だろう」
その一言で、空気が変わる。
「それからだ」
一息おいて続ける
「それから、どう生きるかだ」
純の胸が、きゅっと縮んだ。
役割の話じゃない
記録者の代わりの話でもない
“純がいる未来”の話をしている。
「……」
一瞬、言葉を失って。
次の瞬間
「パァァァ✨✨✨」
顔が、一気に明るくなった。
「なにそれ、ずるい笑」
「事実だ(笑)」
光子郎はそう言って、視線を逸らした。
でも、僕には分かった。
光子郎にとって
僕は役割じゃない
記録者でも、条件でもなく
“今、生きている純そのもの”が大事なんだ。
そう感じてもらえたのが
すごく
ものすごく
続き⇨♡好きなだけ
コメント
8件
切ない〜😭 絶対治ってくれよ!!
光士郎良い奴やお前(泣)
更新ありがとうございます!!! 光士郎、良い奴やなお前ぇ😭 私もストーリー上げたので見てくれると嬉しいです!!