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生きる路

33 - 分岐1:勇気と生きる路

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2022年08月07日

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──7ヶ月後


夏が過ぎ、秋が去り、冬が訪れ、西暦はまた1つ数を増やした。今はいわゆる冬休みといったところだろうか?俺は今こたつから頭だけ出して正月特番を見ていた。まぁそんなことはどうでも良い。俺の期待は正月特番の今後の展開より俺の今後の生活に向けられていた。8ヶ月ぶり?の学校だ。長い間行ってないだけあって少し楽しみなのは確かなのだが、あんなことがあった手前、正直気楽には学校に行けない。でも俺は、何があってももう逃げないんだと、そう心に決め込んでいる。それだけは父さんとの最後の約束だから。例え身も心も千切れそうになっても父さんの言葉を信じて俺は生きていくことになるだろう。


一週間後───


その日の朝、導標(しるべ)高校の1━Bをなんとも言えないどよめきが包んだ。当然といえば当然なのかもしれない。なにせ約9ヶ月前に自殺を図りこれまで学校に来てなかったやつがここにまた来たというのだから。

「なんであいつが?……」

「退学とかじゃなかったのかよ」

「よく来たな……」

そんなささやき声が俺が学校に来ていなかったという事実を俺に再度確認させた。そして、そんな声に混じって

「おいおいwマジで来たのかあいつwまた自分からここ来るとかw」

分かっていた。俺を嘲笑する声が聞こえる。大丈夫、ここまでは予想通りだ。

「ねぇねぇ路クーン?w今更ここ来てもお前の席ねぇぞー?w」

そう言われて見てみると……なんだ、あるじゃないか。花瓶が置かれた俺の机が。落書きも丁寧に残ってる。いい、これでいいんだ。

「え?あるじゃん俺の机。」

「は?」

思わぬ面白くない反応だったのか奴は半ギレになり、いかにも気に入らないという顔で睨んできた。

「あーでもこの花瓶は邪魔だな~そうだ!!エイ!」

そう言うと俺は花瓶を手に取り、奴の机に投げつけた。

「あーごめんね~w手が滑っちゃったわ〜wでも君の机だから自分で片付けてね〜?w」

「おいてめぇ!!こんなことしていいと思ってんのか?」

奴は怒りに任せてその拳をこちらに振るおうとした。が、その時、

「ハイ、そこまで。」

冷静沈着な成年男性の声が教室中に響き渡った。

「一部始終を見させてもらいました。おい、近藤(奴)。あとで職員室来い。」

「は?なんで俺なんだよ。見てただろ?今のは全面的にコイツがわr」

「何すっとぼけてんだ?お前は?……光根がなんで学校休んでたか知ってるだろうが!!とにかくお前はもう職員室行っとけ。」

その声には今まで聞いたことのないような冷徹さが含まれているようだった。

「チッこのクソ教師が……イキりやがって」

「えーみんな、朝から気分を悪くさせてしまって申し訳ない。じゃあ軽くクラスルーム始めますっ、えーと、まずはひじょーーに大事な連絡が1点。みんなももう分かったと思うが、今日から光根が復帰する。理由はみんなも知ってのとおりだ。そしてー、光根。まずは謝らせてくれ。こんな最初の数日で始まったいじめにも気づけなかった。本当に情けないと自分でも思う。許してくれなくてもいい。ただ、本当にすまなかった。初担任でどこか浮かれていたようなとこがあったかもしれない。今後はこんなことが無いように小さなことでもしっかりとした対応することを約束する。改めて、本当にごめんなさい。」

そう言うと先生は頭を深々と下げた。

「ちょ、ちょっと先生、大丈夫ですって。今こうして先生は僕を守ってくれました。それだけで十分なんです。むしろ、ありがとうございます。」

「そ、そうか?」

「そうですよ!!」

「ま、まぁ光根がそう言うなら……うむ」

先生は言葉の最後を少し濁らせて、咳払いをした。

「で、では、今日から復帰するにあたってみんなに一言頼む。」

「え?えーと……皆さん、大変ご迷惑おかけしました。今日からまたここに自分の居場所が創れることをとっても嬉しく思います。だいぶ一年生が終わっちゃったんですけど、こっから取り返すつもりなので、改めて、これからよろしくお願いします!!」

そう言い切ると、教室で拍手が巻き起こった。俺は少しびっくりしたけど、ちゃんと気持ちが伝わったようでシンプルに嬉しかった。特にあの拍手は直に心に響いているようで、心地よかったな。東野のあの拍手は。なんか、応援されてるようなそんな気がした。


教室に入ってきて最初はどうなるかと思ってびっくりしたけど、平気みたいだね。私は影から見守ってるよ?なーんて、心で言っても分かんないだろうけどね。


俺は、勘違いをしていた。決めつけていたんだ。味方はいない、と。でも、それは大きな間違いで、味方はそこら中にいた。今回のことは味方を創ろうとしなかった俺の責任でもあるのかもしれない。


俺はまた、この“今”という駅から**”未来”という終わりない路線レールを敷いていく。生きる路**を歩いていく。その先に見えるものは行ってみないとわからない。だから、見に行く。俺にしか見えない、俺だけの行き先を。


分岐1:勇気と生きる路 完










とりあえず1つ終わりました~!!長くなってすいません……(先生の話が長くなってしまった……)このストーリーが本命ストーリーなのでお許しください……残り2つはもっと短くなるかなーと思っていますので、そちらの方も待っててください!!

あと、補足としてですが、今回、いじめ表現が少し出ていますがストーリー的に必然性があると考えているので“センシティブな内容”という所には該当させませんでした。ですが、なにかご意見等ございましたらコメントしていただけるとありがたいです。その都度対応させていただきます。よろしくお願いします。

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