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「どう?麻村君。何か見つかった?」
あれから数日後、家の置物などを調べたが咲叉に関するものは出てこなかった。然し、
「マムラさんの事だったら少し調べれた」
「本当?教えて」
麻村はマムラは鐘有達が子供だった時よりも前にここの地域に来ており自分の叔父が小さい時にはもう居た事を伝えた
「それ、本当?余計にあの人が分からなくなるね…」
「あぁ、鐘有は何か見つかったか?」
「うーん…見つかったは見つかったんだけど…」
どうやら鐘有家についての本があったがおじいさんがいるので取りずらしい
「それ、何処にあるんだ?」
「僕の家にあった。神社からすぐ近くの所だよ」
「何?面白そうな話してるじゃん」
「「!?」」
バッと振り返るとそこには西園寺がいた
「なんか最近よく話してるなって思ったら面白そうな話してるじゃん。何?はぶいてんの?」
「そんな訳ないけど……その…」
「何?教えてくれんの?」
いつもはせめる側だった鐘有が今回はせめられる側になってしまった
「咲叉の事についてだ」
「えっちょ、麻村君…!」
「別にいいだろ?突っかかってきたのはコイツだ。それにコイツだったら本取ってきてくれるだろうしな。それに2人でコソコソすんのもそろそろきついしな」
でも…と言うが麻村の圧と西園寺の光が沢山入った目に負けてしまい最後、西園寺に2人が今調べている事について話した
「ふーん…結構いるくんでるな」
「うん。で、本の事なんだけど…」
「あぁ、本取りに行ってやるぜ。静鈴の家知ってるしな」
「ホント?ありがとう!」
コレで調査が進展したら良いなと麻村は思い鐘有の家に向かっていく2人に手を振った
「やっぱお前ん家でかいよなー…何度行っても迷ってしまうかも……」
「そう?君の家も大きいよ」
話しながらもお目当ての本がある所へ向かう。どうやら和幸は何処かに出掛けた様なのでスムーズに行けた
「これがお前が言う本?結構綺麗だな」
「大切に保管されてたんだろうね。それはさておき、中身をメモろう。持っていったのバレたらじいちゃん絶対怒るから」
「それもそうだな」
2人はペラペラと本を開き中身を確認する。その時フワッと風が吹いたが窓が空いているのだろうと考えた
以下は静鈴がメモった所である(俺は本の中見てないからな)
『ーーーー年、7代目当主正門と██家の三人兄弟咲叉が婚約。
咲叉は正門の弟正久と昔から仲が良かった。
婚約前に阿叉が咲叉を殺害。何故かこの文に線がひかれていた
正門が阿叉を捕まえ刑を出し咲叉を供養した
阿叉と咲叉の間の子『華叉』が出家し何処かにきえた。決して見逃すな
後世には██家を教えず名前だけ教えよ。鐘有家が犯した罪を暴く者は必ず現れる。正門を崇拝し彼等を消せ』
本は言うて数分で読み終えるページだった。然し、1ページを読むのに何分も必要とするぐらい重い内容だった。鐘有は怖くなった。一体、自分の先祖は何を犯したのだろう。そして何故罪を隠したのだろう。何とか持ち前の頭で話を理解したが西園寺は固まっていた
「…………蓮?」
「………スマン。ちょっと休憩させてくれ」
「分かった。でもここで休憩するのは不味いから居間に行こう。お茶もだすし」
「あぁ…わかった」
西園寺らしくないボソボソとした声で返事をし、よろめいた足取りで居間に向かうので鐘有は自分の肩に西園寺の腕をまわし腰に手をまわして西園寺を支えて歩いたが…
「おや?静鈴と蓮君ではないか」
「っ!?」
本を読んでいる間に和幸が帰ってきていたのだ。ヤバい…このままだったらバレる……!
「ムム…蓮君、顔が真っ青だが大丈夫か?」
「…っあぁじいさんか……大丈夫だ。熱中症なっただけだ…」
「だけで済まされるモノではないぞ…お茶と氷袋を用意する。居間で待っときなさい。静鈴、ゆっくり連れて行くんだぞ」
「うん。おじいちゃん」
しんどい西園寺に目が行ったことや西園寺が熱中症と言ってくれたので何とかバレずにすんだ
「…よし、蓮着いたよ。寝っ転がって」
「っ……はぁ…はぁ」
段々と顔色が酷くなっていく西園寺に鐘有はエアコンの温度をあげたりうちわをあおったりするが一向に治らない
「持ってきたぞ。さぁ蓮君、お茶を」
「ん…ゴクゴク……ヴッニガい……」
「良薬は口に苦しだ。ほら、全部飲みなさい」
「うぅ……」
滅多に見ない西園寺の涙目なので相当苦いのが分かる。熱中症に効くお茶とか有るんだな…何か入れたのかな?
苦いお茶を何とか飲み切り再び横になる。センター分けの髪をあげられそこから氷袋を乗せられる。さっきより顔はマシになったがそれでも西園寺はしんどそうだった。鐘有は親友の手を握ることしか出来なかった
「おや、あれは麻村君では?」
「おやおや、あのサラッサラな髪…まさしく麻村君だ!」
「うるせーぞ双子」
鐘有と西園寺の帰りを待つ麻村だったが遅いので自分も行こうと思った矢先、北里姉妹が現れた。
「双子でまとめないでくれるかな〜?ちゃんと春菜秋奈と使い分けて欲しいね〜」
「そうだね〜もう仲良しなんだし〜」
「それとも区別がつかないのかな?」
「分かるわその位、お前が春菜でそっちが秋奈」
「「えぇ〜!?正解!」」
何で何でとぐいぐいとこられるしアイツら(西園寺と鐘有)は来ないわでイライラする…
「お前らはそっくりだけど髪質が違うんだよ。春菜はストレートで秋奈は少しくせっ毛、わかったか?」
「はーい」「へーい」
「おい春菜何だへいってよ。舐めとんのか?」
「あら、折角の顔が台無しよ?笑顔笑顔」
「てめぇのせいで腹が立ってるんだよ…」
「ちょっ春、そこまで」
秋奈がしっかりしているのもこの姉妹の見分け方なのかもしれないな…あっそうだ
「お前ら、鐘有の家知ってるか?」
「えっ?知ってるけど」
「よし、案内しろ」
「おっと、なーにその態度?」
「お前らの見分け方教えたんだから良いだろ?」
どうする?と少し話し合ったがこの子達も麻村の圧に負け、鐘有の家へと向かうのであった