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子供みたいにキラキラと瞳を輝かせながら、カイルがウエディングドレスを高らかに掲げて魅入っている。どう見てもそれは、私が六日前に着ていた物だ。
初めての『夫婦の営み』が『着衣プレイ』に始まり、まさかそのまま『監禁プレイ』にまで発展するとは夢にも思わなかった。
『もう無理!』と訴える私に回復魔法なんか使いやがって、寝るかヤルか食事を取るかの連続で、散々行為に及ぶとか。『魔法なんか消えて無くなれ』と…… 少し思ってしまった。
いくら願いが叶ったからとはいえ、休暇の全てを費やし、長年溜めに溜めた性欲の全てを一個人にぶつけるのは流石にやり過ぎだ。せめてもっと分散して頂きたい。——ので、近日中にお説教タイムを設けるつもりだが…… 彼はとても幸せそうにしているので今は許してあげよう。
(私はなんていい妻なんだ、うん)
「いつまでそんな物見てるんです?もう捨てましょ、酷い有様ですよね?」
胸元は割かれ、破瓜の血で染まるそれはもうホラー映画の衣装みたいだ。互いの汗や愛液だけじゃなく、大量の白濁液まで染み込んでいるんだろうなと思うと、焼却炉が欲しくなる。
「捨てないよ?記念品だ」
うっとりとした顔でそう言うと、カイルがドレスに抱きついた。んー…… これは説得をしても無意味なやつだ。なので、せめて洗濯だけはさせようとだけ心に決めた。
その後。久しぶりに会ったセナさんから今後の事を少し教えてもらった。これから先は連日に及ぶ謁見のスケジュールがびっしりと入り、快気祝いのお祭りが国内中で開催されるのだとか。『そこまでするのか』と驚いたが、なにぶんイベント事に飢えているからと聞かされると『ならば仕方ないのか』とも思う。
それが落ち着いたら、今度は私達の結婚式を盛大に挙げる事になっているらしい。本人達の意見は完全無視で、もう決定事項なのだとか。前回の時点で、カイルの拒否により盛大に祝えなかった事を国王達が悔いているらしく、今回は流石に回避出来なかったらしい。
一息つけるのは、いつになる事か…… 気が重いが、一つずつ二人でこなしていこうと思う。
夫婦寄り添って、仲良く。
今回はどのくらい一緒に居られるのかという不安も感じぬ程、仲睦まじく。
【エピローグ・完結】